本書には、主人公が2人います。一人は、桜沢如一さん。もう一人は、より中心となっているベンジャミン・フランクリンさん。「アメリカ合衆国建国の父」の一人として讃えられる偉人で、馴染み深いところだと、アメリカの100ドル紙幣に肖像が描かれている人ですね。生きている時代が違いますので、生前の2人には、直接の交流はありません。では、一体なぜフランクリンさんが、本書の柱となって登場してくるのでしょうか?
答えのカギは、彼の生き方にあります。桜沢さんは、世界的ロングセラーの書籍「フランクリン自伝」を読み、お2人の共通点を見出したり、フランクリンさんの人生に私たちが 学ぶべきところを、わかりやすく伝えてくれています。
中心となるのは、若き日の時代のこと。いかに、良き心や教養を育んでいったか、という成長過程です。「健康が自由の第一コース」と提唱されている桜沢さんですから、食の話を抜きにしては話は進みません。フランクリンさんも菜食主義で、食べ方にもこだわりがあります。世界的に知られている「フランクリンの十三則」という人生訓において、一 番目に書かれてあるのが『摂生』。「飽くほど食うな。酔うまで飲むな」というものです。食に対する明確な考え方と実行があってこそ、フランクリンさんの気持ちよい生き方が ある。誰にでも、彼のように素晴らしい生き方ができる。そんなメッセージが響いてきます。
また、「桜沢式語学習得法」について書かれているのも、読みどころの一つ。お2人ともいわゆる高学歴とは程遠い状況である中、複数言語を使いこなす共通点があります。どんな学び方をしたのでしょうか?
モノの学び方についても、いいヒントになります。それと、「本好きでなくて、自由な、幸福な人になった人は、きわめて少ないのです」とあり、読書を強く推奨しています。
桜沢本を通じて、より読書をお楽しみいただければ幸いです。
(月刊マクロビオティック2014年5月号「団長が紐解くG・Oの世界」より)
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団長/だんちょう
年間1,000冊以上の読書を楽しむ「本のソムリエ」として、ロックバンド「一里塚華劇団」のVo.& Guitar、ラジオDJ、作家等として世界30ヵ国で活躍中。
学校や図書館での読書講演や読み聞かせ、テレビや雑誌でのお勧め本紹介など、老若男女から幅広い人気を集める。
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