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月刊「マクロビオティック」磯貝昌寛の正食医学

磯貝昌寛の正食医学

 

第83回:食養手当てと断食

食養手当てのコツ

食養では頭痛の時には椎茸スープ、腹痛の時には梅醤番茶などを手当てとして使います。外用の食養手当てとしては、頭痛の時にキャベツの葉や豆腐を頭に当てたり、梅干を貼ることもあります。腹痛の時はお腹を生姜シップやコンニャクシップで温めたりします( 湯たんぽを抱えて寝るだけでも大きな効果があります)。もちろん、頭痛にも腹痛にも陰陽がありますから、必ずしもこの手当てが適当かどうかはわかりません。

今回は、手当てが適当かどうかということではなく、身体に症状が出た時に手当てをした方がよいのか、しない方がよいのかについて書いてみたいと思います。

身体に現われる症状は、症状そのものが身体の調和をとろうとして出ている場合がほとんどです。高熱が出るのは、身体の中の不要物が燃焼して体外に出そうという働きが強くなっているからです。その時に椎茸スープを摂れば燃焼を助け、スムーズに身体を調和に導くのです。一方で、燃焼を収めるのは細胞一つひとつのハタラキもあれば、肝臓や腎臓の機能も大きく影響します。

高熱が出ている間は、細胞や各臓器が一所懸命ハタラいているわけです。このハタラキは、身体そのものを鍛えることでもあります。高熱が出た時に「何もしない」ということもある意味においては重要なのです。

外から何も手当てをしない時に、身体の中では熱によって臓器や細胞、遺伝子までもが鍛えられているのです。しかし、ほどよい刺激やそれなりの強さの刺激であれば、その反射によって鍛えられますが、あまりに強い刺激では破壊されることもあります。

骨折もそれほどひどいものでなければかえって骨を強くします。しかし、複雑粉砕骨折になってしまえば、鍛えるどころか骨の再生が難しくなってしまいます。手当てをした方がよいか、しない方がよいかは、症状の強弱、心身の状態によって変わってくるのです。

時々あるのですが、高熱が出ている子どもが頭への手当てを嫌がることがあります。39度以上の熱があると、多くの場合はキャベツの葉や豆腐を頭に貼ると気持ち良いという反応があるのですが、時にそれらを嫌がるのです。

40度以上の熱の場合はキャベツの葉や豆腐を嫌がることはありませんが、38〜39度にかけては外用の手当てはせずにただひたすら寝ていたり、場合によっては元気に遊んでいることもあります。私はこれを「熱と遊んでいる」と言っているのですが、身体の中では熱によって様々な細胞や組織が鍛えられているのです。

子どもたちは感性によって手当てをした方がよいか、しない方がよいかをよくわかっています。私たち大人は何か症状が出ると(西洋医療であれ東洋医療であれ)積極的に手当てをした方が早く治り、その後も良いと考えがちですが、一概にそうとばかりは言えません。

手当てのコツは、「おいしい・気持ちよい・心地よい」かどうかです。椎茸スープを飲んでおいしいかどうか。キャベツの葉を貼って気持ちよいかどうか。何もしない方が心地よいかどうか。何もせずにただ寝ていた方がよいようであれば、それが最高の手当てということなのです。

 

排毒反応の順番

赤ん坊のオムツを洗っていて気づいたことです。

ウンチでとても汚れたオムツと、さほど汚れていないオムツがあります。この2つどちらから先に手洗いした方がよいと思いますか? 主婦の方々は考える間もなく、さほど汚れていないオムツから洗い始めることでしょう。私もオムツ洗いを経験して、汚れの程度が低い方から洗った方が、水を節約できると学びました。

そして、オムツ洗いをしながら考えました。身体の中でも日々、遺伝子や細胞は洗濯や掃除をして健康を保っています。オムツを洗うように、身体の中でも合理的に洗濯や掃除が成されています。

身体の排毒反応は、正食実践後すぐに強い反応が出るわけではありません。「始めチョロチョロ中パッパ」はご飯を炊く際の火加減を表す言葉ですが、身体の中でも正しい食事に切り替えたからと云ってすぐに大きな排毒反応が出てくるのではないのです。

汚れの程度が低いトコロから身体の中でも洗濯や掃除が始まります。掃除には大中小があり、順番があります。はたきがけ、掃き掃除、拭き掃除とありますが、この順序が逆になればきれいになるどころではありません。日々の掃除をせずにいきなり大掃除をしようとすれば、体力が持たずにバテてしまうことでしょう。モノの道理とは、こういうことを云うのです。

正食を実践し始めて数年後、強い排毒反応が訪れるのは道理であったのです。日々の正食と生活は毎日の小さな掃除と洗濯です。その積み重ねによって掃除と洗濯のコツをつかみ、体力と生命力が培われるのです。

大きな排毒反応を乗り越えるコツは、やはり日々の食と生活に凝縮されています。身の回りを掃除することで実は身のウチが掃除されます。身に纏うものを洗濯することで、実は心身が洗濯されます。

 

断食と半断食は身心の中掃除

年の瀬の大掃除。日本では恒例ですが、時に大掃除でケガをしたり、疲れ切って寝正月になってしまうことがあります。大掃除は日々の掃除と時々行う中掃除があってはじめて成り立ちます。日々の掃除がおろそかで時々の中掃除ができていないと、暮れの数日だけの大掃除では家の中はキレイになりません。

ひるがえって、私たちの身体も同じです。日々の食事と生活が秩序正しいものであれば、時に風邪をひいても治りが早く、返って風邪の効用があり、ひく前よりも元気になります。風邪は万病の元といわれますが、これは日々の食と生活が無秩序の人に当てはまる言葉であって、日々の食と生活が秩序正しい人には風邪は厄落としそのものです。

では、日々の食養がしっかりできていればそれで問題ないかというと、そうではありません。最近特に感じているのですが、時に断食や半断食を実践することが後々に大きな影響を与えます。断食や半断食は今風に言えばリスクヘッジ。将来の病を回避する大きな手段です。

マクロビオティックを実践しているからと云って死なない人はいません(笑)。人はダレでも死にます。生老病死、何らかの病で死を迎えることが大半です。断食や半断食はある意味において「よい死に方の練習」です。

人生の大掃除というものは、毎年あるものではなく、メグリ合わせによって人様々に突然引き起こされるものです。病であったり、事故であったり、事件であったり人によりそれぞれです。これらの人生の大掃除を乗り切っていくには、やはり日々の秩序正しい食と生活が基礎となります。その上で年に一度、あるいは病を抱えている人であれば年に数回、断食や半断食の中掃除をしておくと、大掃除をしっかり乗り越え、人生が晴れて運が開けてくるものです。

 

プロフィール

磯貝昌寛/いそがい まさひろ

1976年群馬県生まれ。15歳で桜沢如一「永遠の少年」「宇宙の秩序」を読み、陰陽の物差しで生きることを決意。大学在学中から大森英桜の助手を務め、石田英湾に師事。食養相談と食養講義に活躍。「マクロビオティック和道」主宰。

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【正食医学バックナンバー】

2018年10月号 第82回「食物と人間と社会」
2018年9月号 第81回「食物の陰陽」
2018年8月号 第80回「断食が願いを叶えるワケ」
2018年7月号 第79回「自己治癒力を高める心」
2018年6月号 第78回「がんとファイトケミカル」
2018年5月号 第77回「自然と化学物質」
2018年4月号 第76回「症状の陰陽(後半)」
2018年3月号 第75回「症状の陰陽(前半)」
2018年2
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2018年1月号 第73回「判断力の磨き方」