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月刊「マクロビオティック」磯貝昌寛の正食医学

磯貝昌寛の正食医学

 

第109回:食養指導録

 

動的平衡的な無双原理

食養指導をはじめて20年が過ぎました。この間、一万人近い方を診させていただき、多くのことを学ばせていただきました。ご縁とは本当に不思議なものです。自分の至らなさを思い知らされるのが食養指導でもありますが、食によって奇跡的な回復を目の当たりにすると、生命力の奥深さに驚嘆もさせられます。

師の大森英桜から学んだ食養指導と半断食、そして塩断ちは、様々な人たちへの指導から変遷を辿り、私独自のものへと変化してきたような気がしていました。しかし、伝統芸能に伝わる伝授法「守破離(茶道や武道等の芸道・武術における師弟関係の在り方のひとつ。それらの修業における過程を示したもの)」にも似た道を辿って、師から学んだ基本的なところへ立ち返ってきたような気がするのです。

食養は陰陽と中庸という思想を実用化したものです。桜沢如一は実用弁証法といって、私たちが実用的に活用できる理論を「陰陽無双原理」といったのです。病気に対する食養指導は陰陽無双原理のひとつの応用に過ぎません。

桜沢如一の遺したマクロビオティックの中枢を成すものは、固定的な物の考え方から動的平衡的な陰陽無双原理への考え方の転換にあると思うのです。この思考転換を促すものが病気そのものであり、食養指導ではないかと思うのです。

 

子宮と掃除

駆け出しの頃、請われればどこへでも食養指導に行っていました。

ある子宮がんの人の食養指導に行った時のことです。個人のお宅では大抵の場合、居間等で相談をさせてもらうのですが、この方は玄関先か、玄関の外で相談させて欲しいと言いました。無礼は承知のことと言います。よほどの理由があってのことだと感じ、要望通り、玄関先での相談となりました。

血液検査データを見させてもらうことになり、彼女が家の中にデータを取りに戻ったのですが、玄関をほんの少し開け、自分の体を横にして入っていきました。帰ってくる時もほんのわずかに玄関を開けて、横歩きで戻ってくるのです。

何か見られたくないものが玄関の中にあるのではないかと感じました。実は最初にお会いした時から、わずかながら好ましくないニオイがしていたので、掃除が行き届いていないことは想像していました。

帰りがけ、彼女は私へのお礼を取りにまた玄関をほんの少し開けて戻っていきました。ちらりと見えた玄関の中はゴミ袋の山。その周りにも様々な物が所狭しと積まれていました。いわゆるゴミ屋敷だったのです。

その時から、子宮の状態と家の状態は何か共通するものがあるのではないか、と考えるようになりました。それからは、子宮の問題を抱えた人を診させてもらうと、整理整頓が苦手、物を捨てられない、掃除ができない、という人が多いのです。

一方、逆に潔癖症で他人に触れられない、他の人が触れたものを触るのにも消毒してからでないと触れないという人も子宮の問題を抱えている傾向があることもわかりました。もちろん子宮の問題を抱えている人は全てそうだということではありません。また、整理整頓が苦手だからといって全ての人の子宮に問題があるわけでもありません。そのような傾向があるということです。

子宮に問題があろうがなかろうが、掃除はものすごく大事です。マクロビオティックは食と掃除が二本柱だろうと私は考えています。

その後、ゴミ屋敷に住んでいた彼女から定期的に相談がありました。家の状態と子宮の状態に関係性があるかもしれない、ということを知ってもらい、彼女は少しずつ家の掃除に取り掛かりました。相談と称して私が掃除を手伝ったこともあります。食養実践が伴って体がきれいになってくると掃除もできるようになってくるものですから不思議なもの
です。身の内がきれいになると身の回りもきれいになり、身の回りがきれいになると身の内もきれいになる。それが子宮であればなおさらだと、食養指導を通して学ばせてもらったのです。

 

冷えと子宮

現代の女性は子宮の問題を抱えている人が実に多いと、食養指導を通して強く感じています。子宮内膜症、子宮筋腫、子宮頚部異形成、子宮頸がん、子宮体がんなど、子宮の問題は病気として顕在化しているだけでなく、いわゆる未病の状態でも子宮の問題を抱えている人は少なくないのです。

和道の合宿のプログラムには基本的に食養手当て法の生姜シップが組み込まれています。子宮に問題のある人へ生姜シップをしていて感じるのは、下半身の冷えが強いのです。足先の冷えを中心に、お尻の冷えが顕著であると感じるのです。

下半身が冷えていると、体を動かすことが億劫になります。腰が重くなって俊敏に動くことができないのです。子宮に問題のある人が掃除が苦手になる傾向があるのは、下半身が冷えているために機敏に動くことができないのではないかと想像するのです。

この下半身の冷えはどこから来ているのか?

私は冷えにも陰陽があると考えています。砂糖、南国の果物、香辛料等は熱帯地方の陽性な土地で採れるので、体を冷やす働きが強い陰性の力を多分に持っています。これらを多食していると、私たちの体は陰性に偏り、冷えてきます。

一方で、陰性な寒冷地では植物の生育が熱帯地ほど旺盛でないので、人間もやむなく動物食になります。動物食に順応した人間が白人です。私たち日本人は黄色人ですから、動物食に順応していないのです。そんな私たちが肉食をしていると、まずは胃腸が疲れてきます。疲弊した胃腸から体の中には老廃物が蓄積し、体の中心である子宮等の生殖器に異常が出てくるのです。動物食は陽性がゆえに体の中心に集まり、溜め込む働きが強いのです。老廃物の溜まった体は毛細血管にまで及び、足先の冷え、下半身の冷えを誘発してしまいます。足先が冷えると末端に行った血液も冷え、冷えた血液が体部に戻るので、子宮に問題の抱えている人は悪循環に陥ります。これが「陽性過多による冷え」なのです。

陰性の冷えには梅醤番茶、味噌汁、味噌煮込み料理、鉄火味噌、ごま塩等を添えて、玄米をよく噛んで食べます。玄米餅、葛練りもよいでしょう。蕎麦を煮込んで食べてもよいです。

陽性の冷えは香辛料を効かせた野菜スープ、季節の野菜を香辛料やトマトで煮込んで食べてもよいでしょう。正生姜、ニンニク等を使って煮込んだ野菜も陽性の冷え性を温めてくれます。陽性で冷えている人は玄米を食べると余計に冷えることがあるので、分搗き米や白米でもよいです。麺類は薄味の塩気にしてサッと煮込んで食べます。麺類にも生姜やにんにく、胡椒等の香辛料を使ってもよいです。乾麺が陽性過ぎるという人は、生麺や手打ちうどん、ほうとう等を試してみてください。もっと陽性な冷えの人は穀物も入らない場合もあります。穀物がおいしく感じない時はイモ類を主食代わりにしてもよいでしょう。胡椒味でジャガイモを主食のように食べていたら冷えが改善したという極陽性の女性もいますから、すごい時代です。

陰性、陽性の冷えともに、体をよく動かすことです。家の中や外を徹底して掃除をすることは、とても良い運動になります。

 

プロフィール

磯貝昌寛/いそがい まさひろ

1976年群馬県生まれ。15歳で桜沢如一「永遠の少年」「宇宙の秩序」を読み、陰陽の物差しで生きることを決意。大学在学中から大森英桜の助手を務め、石田英湾に師事。食養相談と食養講義に活躍。「マクロビオティック和道」主宰。

 

 

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