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月刊「マクロビオティック」磯貝昌寛の正食医学

磯貝昌寛の正食医学

 

第73回:判断力の磨き方

決断は機嫌のよい時にする

一昨年の暮れ、テレビを見ていたら、ヨット乗りで有名な白石康次郎という方が出演していました。私はヨットに関して無知で、興味がなければ番組を変えてしまうところなのですが、白石さんの声にはとても元気があり、素晴らしい人相をしていたために、テレビにくぎ付けになってしまいました。白石さんはヨットで世界一周を3度もして、世間的には海洋冒険家として知られているらしい。その体験からでしょうか、番組で興味深いことを言っていました。

「決断は機嫌のよい時にする」
「体調のよい時、心が乗っている時、人は詐欺に遭わない」

判断力の本質をついた言葉だと思います。見渡す限り海の中、ヨットひとつに命をかけて、海という自然の中を人の叡智と運を頼りに進む、命のギリギリの体験の中から生まれた言葉には重みがあります。

命の淵を垣間見ると、私たちは闇雲に生きているのでないことを実感します。生死を分ける体験をした人が悟りの境地に到達するのは、生死の境は命の本質を直視できる、滅多にない時なのでしょう。朝日や夕日では太陽を直視できるのと同じ、生死の際( きわ)には命がまるごと直視される。朝日を直接拝めるのはほんのひと時です。ある高さに昇ってしまえば、まぶしくて直接太陽を見ることはできません。命もまた、日々の元気な状態に戻ると、命の有難みが薄れてしまう。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」、ということが命そのものにも当てはまります。

一方で、「初心忘るべからず」、常に新しい事への挑戦が命を直視する最適な条件となります。

人間は欲張りな生き物です。欲には様々な段階があり、真理を知りたいという欲も欲なのです。人間が生きている限り、欲とは切っても切り離せない。そうであれば、自身の欲がなるべく多くの人の幸せに繋がるようなものであることを考えることは、人間特有の欲であるといえます。

自分だけが幸せになろう、という欲は「よくいっても」我欲以下。決して幸せになれるものではないから欲にも届かない、無謀な行動そのものと言えるでしょう。自らの欲が多くの人も喜び、楽しませ、人生は「いいもんだ」と感じられるような、そんな欲が出てくる人生を送ることができたら幸せです。ヨット乗りの白石康次郎さんはまさにそんな人生を送っている一人でした。

マザーテレサの言葉

「思考に気をつけなさい。それはいつか言葉になるから。言葉に気をつけなさい。それはいつか行動になるから。行動に気をつけなさい。それはいつか習慣になるから。習慣に気をつけなさい。それはいつか性格になるから。性格に気をつけなさい。それはいつか運命になるから。」

と言うマザーテレサのコトバがあります。先日、友人からの手紙で知ることができました。思考が運命になっていくことを簡潔明瞭に言っています。思考次第で運命が左右されるわけですから、ダレでも運命は自分自身の中にあるのです。宿命に対して運命は自分自身で運用、運転できるものなのです。

しかし、この思考さえ、自分自身でコントロール不能なことがあります。物事を楽観的に考えたくてもどうしても悲観的に考えてしまう、という悩みを持つ人は少なくありません。両親からの思考の癖が染みついて、なかなか拭い去ることが難しい。身体だけでなく、心の大半が両親や先祖からの影響を強く受けているのですから、数年でキレイさっぱり過去の習慣と思考を変えることはできません。しかし、一歩一歩着実に身体と心は変化しているのです。

マザーテレサが言うように、「思考に気をつけて」いれば、昨日より今日、今日より明日、ほんの少し良い運命の扉が開いているはずです。この運命の扉を大きく開かせるものが、思考の「おおもと」になっている食にあります。

マザーテレサも現代に生きていたら、「食に気をつけなさい。それはいつか思考になるから」と最初に付け加えていたでしょう。食によって身体が変わったならば、自然と思考が潔いものとなります。複雑怪奇な思考でなく、シンプルでスマートな思考となって、多くの人を癒す言葉と行動となります。そんな人生を生きたいと思っていれば必ず、人はそんな人生になっていくのです。自然な食はスマートな思考をする最も大事な習慣であると言えます。

噛むは神業

マクロビオティックで一番大事なことは何かと問われたら、第一に「噛む」ことをあげたい。噛むは神業。カムはカミに繋がる行為であると実感します。

噛めば噛むほど唾液が出てきます。唾液は津液(しんえき)と呼ばれ、言霊(コトダマ)では津(シン)は神(シン)に繋がると考えられています。

唾液には様々な効果があります。細胞をキレイに整える「整序化」。細胞の形が崩れてそれらがある程度に達すると病気が出現しますが、唾液はその細胞の形を修復してくれます。唾液は自らの身体から出てくるわけですから、自浄作用そのものだといえます。

犬や猫は、鼻の頭が乾いてくると体調不良になります。唾液が不足し、身体の自浄作用・自然治癒力が低下するため病気になります。鼻の頭が潤ってくると健康を回復します。人間も同じ、活躍、活動、活き活き、「活」は舌に水。口の中が唾液で満たされていれば、活き活き元気に生きていけるのです。

噛めば噛むほど舌が動く。舌の弾力を高めてくれるのも噛む行為です。人間は死ぬ時、舌が硬くなっています。最期の時、滑舌よく亡くなる人は滅多にいません。

唾液が十分でなければ、滑舌は悪くなるし、一定の時間にお腹も空かない。唾液がしっかり出ていると、口から出
てくる言葉にもチカラが宿ります。

唾液は血液が変化したもので、噛むほど唾液が出てきて唾液の質もよくなります。噛む行為は血液をキレイにし、血液がキレイになると言葉もキレイになる。噛むことは判断力を高めるという訳です。

365日、一日2食あるいは3食とすると一年に700〜1000食、毎食徹底して噛むことはなかなか難しいことですが、1000食の内の10食でも一膳のご飯を一口100回よく噛むと、唾液腺の栓が開いて、唾液がよく出るようになります。

たった1%の食を徹底して噛むことで人生は好転してきます。そして、2%、3%とその割合を増やしていくことで、難しい病気を乗り越えていくチカラを高めてくれる。ただ、過ぎたれば及ばざるに危うし、噛むことも過ぎない方がいいということも肝に銘じて欲しいものです。

 

プロフィール

磯貝昌寛/いそがい まさひろ

1976年群馬県生まれ。15歳で桜沢如一「永遠の少年」「宇宙の秩序」を読み、陰陽の物差しで生きることを決意。大学在学中から大森英桜の助手を務め、石田英湾に師事。食養相談と食養講義に活躍。「マクロビオティック和道」主宰。

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