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Home月刊マクロビオティック > 重藤誠「何をどのように食べるか?」

月刊「マクロビオティック」おすすめ連載

 

Vol.1:ダイエット総論

肥満を減らすことに成功した国はない

私は2001年卒業の糖尿病専門医で、現在42歳です。30歳を過ぎた頃、それまでの無理もたたり、亀田総合病院勤務時代( 千葉県鴨川市)に体調を崩した際、様々な食事法を研究・実践し、そのときマクロビオティックとも出合いました。その後、2009年から2015年は、英国オックスフォード大学を中心に、やせるホルモンともいわれる「GLP-1 」という物質の効果について研究し、有名国際科学雑誌に掲載されました。帰国後は、日本バプテスト総合病院( 京都市)で糖尿病専門外来を続けると同時に、2016年より、日本初のGLP-1 を使ったダイエットクリニックを立ち上げ、皆様の健康のお手伝いをさせていただいています。

まず、ダイエットについて語るにあたり、基礎知識として、BMI(BodyMass Index )について説明しておきます。BMI( kg/m2 )は、体重(s)を身長(m)の2乗で割った体型の指標で、体脂肪率などが一切考慮されていないなど問題は多いですが、簡単に算出できる手軽さもあり、学会や科学論文でも一般的に使われています。さて、理想的なBMIとはどのくらいなのでしょうか?

まず、見た目を重視した場合を考えてみます。各国で最も健康的で魅力的に見える体型を調べる実験が行われており、いずれのデータでも男女とも低いBMIが好まれ、BMI19以下が最も魅力的に見えるという結果でした。これは、若い=魅力という、昨今の価値観の変化によるものと考えられます。年齢が若いほどBMIが低いため、若く見せるためには痩せたほうが有利だからです。実際、ミス・ユニバースなどの優勝者のBMIは年々下がり、2016年には17台でした( 現在では、モデルの摂食障害や、栄養不足が問題になり、世界的な大会では、BMI18以下だと参加できないなどの措置がとられています)。統計上、最も病気になりにくいとされるBMI(理想体重)が22ですので、見た目の良さを目指す場合と、健康を目指す場合とではかなりの違いがあることがわかります。

一方で、世界的に肥満が増えていて問題になっています。体型としては先進国で最も優秀な日本ですら特に男性で肥満が増えており、厚生労働省の平成28年「国民健康・栄養調査」では、男性の3割、女性の2割が肥満(BMI≧25)という結果になりました。言うまでもありませんが、太り過ぎは心筋梗塞、糖尿病、がんなどの多くの病気を増やすことがわかっており、様々な対策がされていますが、肥満を減らすことに成功した国はいまだ存在しません。

 

流行のダイエットは科学的根拠がない

以上のような背景から、1970年頃から現在に至る半世紀にわたり、数え切れないほどの流行りのダイエットが生まれては消えてきました。リンゴ、ゆで卵、キャベツ、朝バナナ、サバ缶、最近ではキュウリなど特定の食品を摂るもの、炭水化物抜きのように特定の栄養素を避けるもの、エアロビクス、ジムなどのトレーニング系、サプリメントや薬品など、キリがありません。1970年頃から日本人女性の平均体重が減り続けているので、一見、成功しているように見えますが、女性だけで見ても肥満者が減っておらず、低栄養者が有意に増えたという現実をみる限り、肥満者は痩せず、痩せてはいけない人が痩せてしまっていることがわかります。流行のダイエットは科学的な根拠がなく危険なものもあるため、やってはいけないことがわかるはずです。

なぜ、流行のダイエットが存在し続けるのでしょうか? ほんの100年前まで、人類は安定して充分な食糧を得ることが出来ませんでした。それが、科学技術の進歩により、先進国に住む限りにおいて、飢えることはほとんどなくなりました。これは、とてもありがたいことです。そして、あまり動くことなく、いつでも好きなだけ食べることができるようになりました。車で移動し、テレビの前に座って、袋を開けるだけですぐに食べることができる、高度に精製された加工食品を食べるようになりました。

豊かになって選択肢が増えた結果、我々はどのように生活し、何を食べるかについて選択を迫られるようになりました。私自身、生活習慣病の診療を始めた当初から感じていたことですが、我々は何を食べるべきかについて教育されたことがありません。医学部でも栄養学という講義は存在せず、国家試験の内容は病気の診断、治療についてどれだけ知っているかに偏っています。糖尿病専門医のような食事について最も詳しいはずの医師ですら、保険診療
システムの中ではカロリー、蛋白、塩分などの上限を決める以上のことは要求されず、その多くは具体的にどんな食材をどのように食べたら良いのかを説明することができません。

しかし最近では、何を、どのように食べれば病気になるリスクを減らし、健康に生活できるのかが研究され、徐々に科学的なデータが蓄積されてきています。

この連載では、最新のデータも紹介しながら、食について考察していこうと思います。読者の皆様の健康を保つために、少しでもお役に立てれば幸いです。

 

プロフィール

重藤 誠/しげとう まこと

医学博士。日本内科学会認定内科医、日本糖尿病学会認定糖尿病専門医。亀田総合病院、オックスフォード大学正研究員などを経て、2016年9月に開院。GLP-1に関する論文が国際科学雑誌に掲載されるなど、業績多数。国立滋賀医科大学の客員講師も務めている。
シゲトウクリニック:http://shigeto-cl.com

 

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