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『月刊マクロビオティック』5月号おすすめ記事

D積極的に風邪薬は使うべき?
これは使うべきではないですね。治りが遅くなります。
E抗生物質は有効?
日本は世界の抗生物質の7割を消費する恥ずべき国です。保険制度が影響しているかもしれません。
2003年か2004年に、日本呼吸器学会、日本感染症学会のいずれもが、「風邪に抗生物質は無効」「二次感染の予防にもならない」という解答を出しています。ホームページを見ていただければわかりますが、「ウイルス性の風邪には勧めません」と書いてあります。
病院に行ってお医者さんに風邪だと言われて出された処方箋に、抗生物質が書かれていることが結構あります。効かないのに、どうして処方されるのでしょうか?
我々の腸の中にはバクテリアが棲んでいます。抗生物質でまず善玉菌がやられてしまいます。ですから、風邪のときに抗生物質を使ったら治りが悪くなるのです。しかし、抗生物質が多く処方されるのは一体なぜでしょう? それは、医者に風邪と診断する能力がないからなのです。
「風邪じゃなかったらどうしよう」「誤診で訴えられたらどうしよう」という心配が働くのです。これが現代医療の特徴です。だから自信のない医者は抗生物質を出すのです。これを私は「医者のイクスキューズ」と呼んでいます。「念のため出しておきましょう」と言っているからです。これは患者さんのためではなく、自己保身のためなのです。
F注射や点滴は有効?
前述の通り、有効な薬がない以上、脱水を補うくらいの広い意味では有効と言ってもいいのかもしれません。
Gうがいは気休め?
風邪のウイルスは喉で増えているのですから、うがいは気休めではありません。洗い流してしまうのが一番有効です。ただ、一般の方が正しいうがいの方法を知らないだけです。
正しいうがいというのは、一回あたり30秒うがいをします。30秒の間、息が続かなければ10秒を3回に分けても良いです。そしてなるべく奥の方に水を入れてガラガラとします。ドレミファを歌うと良いといわれています。これは、周波数を変えることでウイルスが剥がれやすくなるからだそうです。水は水道水で充分です。都会の水道水はしっかり塩素が入っているので消毒できます(笑)。しかし、うがいの効果は長く続きませんから、寝ているときを除いて一時間おきくらいにすればウイルスが増えることはありません。
ということで、「西洋医学では風邪は治りません」ということが分かっていただけたでしょうか?
日本人は医者に頼り過ぎている
川嶋先生は「日本人は特に医者に対する依存心が強い。お医者さんに行けばなんとかなるだろう、お医者さんの言うことに間違いはないだろうと思っている方がすごく多くて、しかも、お医者様の言うことに従う方が多い。」と話します。
風邪の話では、通説の誤りを説明していただき、正しい知識を教わったことで、医者に頼らず、自分自身が持つ体の免疫力を高めていくことが正しい風邪の治し方だと、皆さんもお気づきではないでしょうか。
川嶋先生は他にも多くの話をされました。中でも「がんは生活習慣病」という話では、アメリカでの調査をデータで示しながら説明し、マクガバンレポートの中から2つのことを取り上げました。
一つは「現代病は食源病である」と記されており、これによってアメリカは食をガラッと変える動きを始めたこと。もう1つは「理想的な食事をしている所がある。東の外れにある国、日本の元禄以前の食事が理想である。」と記されていること。
アメリカはこのマクガバンレポートを基に理想的な食事に取組みはじめ、結果、がんは1990年をピークに減りました。逆に、アメリカの見本とされた日本は増え続けていることを指摘しました。
このセミナーでの川嶋先生はマクロビオティックの話をところどころで盛り込みます。先生ご自身で作成したマクロビオティックの基本原則や陰陽表をスライドで説明したり、玄米と白米の比較、玄米食で不足しがちな栄養素の摂り方、ゲルソン療法の問題点などの話も聞くことができました。
「マクロビオティックは正しい食か?」この問いに川嶋先生は「目的が健康維持・増進、病気予防ならば正しい食かもしれません。」と応えました。糖尿病の話では「日本人の糖尿病の大半はU型です。マクロビオティックの食事をしていたら全然怖くないのです。目にも来ないし腎臓にも来ない、神経にも来ません。」という力強い言葉もいただきました。
スペシャル対談
セミナー後の勝又靖彦とのスペシャル対談では、時間の都合で割愛された「予防のあいうえお」の「あい=愛」の話を聞きたいとリクエストがありました。それは「水からの伝言」という本の話で、水の入ったガラスの瓶に文字を貼っておくと結晶(氷)の形が変わるという話でした。川嶋先生は「電子レンジでは結晶の形が壊れるのですが、『愛・感謝』という文字を貼っておくと結晶の形が戻るのです。おそらく、その言葉を貼った人の意識が変えるのだと思うのです。
抗がん剤の副作用が辛いという方が、『命の水』と書いてもらったら、副作用が減りました。自分の意識や気持ちの持ち方だと思うのです。体の約6割を占めるの水が意識で変わり、それに食、運動、温活(冷えとり)を入れたら最強です。体も心も健康に保っていただきたいです。」と話しました。
勝又は、病気は人任せではなく自分で気づくことが大切であると話し、感性を育てる方法や、病気を治すには生活習慣を変えるのが根本療法であるという回答に、会場からも共感の声があがりました。
今回のセミナーでは、川嶋先生の視点からマクロビオティックの客観的評価を皆様とともに確認することができました。マクロビオティックが正しい食事法・生活法であると確信された方が多かったのではないでしょうか。
ご来場の皆様、ありがとうございました。

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川嶋 朗/かわしま あきら
東京有明医療大学教授・医学博士・医師。北海道大学医学部卒業後、東京女子医科大学入局。2003 〜 2014 年、東京女子医科大学付属青山自然医療研究所クリニック所長。
2014 年4 月より現職。漢方をはじめとする様々な代替・伝統医療をとりいれ、西洋医学と統合した医療を担う。テレビ、雑誌出演、著書多数。 |
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※この記事は「月刊マクロビオティック」で連載しています。
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