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『月刊マクロビオティック』2月号おすすめ記事

ミクロとマクロの複眼思考

勝又:陰陽というのは生き物ですから、日々起こる事象を陰陽で観るというトレーニングをしないといけないと思います。
 昨年、当協会が発行した「マクロビオティックの陰陽がわかる本」は確かに陰陽を解説した本ですが、これは陰陽研究会のメンバーが色々な意見を出し合って出すことができました。メンバーは陰陽の指導者の方ばかりですが、やはり立場や視点によって陰陽の答えが異なります。この本ではガイドライン的に解説していますが、絶対的な陰陽の答えではないということを理解して欲しいです。

波多野:私も、とても良い本が出版されたと喜んでいる一人です。しかし、こういった本はあくまでもテキストであって、知識として鵜呑みにするのではなく、これを叩き台に様々な議論をするとよいと思いますね。多くの人たちに読んでもらいたい基本教材です。

勝又:陰陽には絶対的な答えはないし、相対的に物事を見ることが大切だと本の中でも書いています。体験してみて、考えることが大事だということを分かって欲しいと思います。

波多野:一人ひとりがそれぞれ考えた陰陽論を持ち寄り、それを建設的に議論していくことが大切なことだと思います。人それぞれ視点も違うでしょうし、考え方も様々ですからね。
  TAO塾の教室の壁には解剖図と経絡図の二種類の人体図が貼ってあります。学校の理科室や保健室で見かけるのは解剖図だけだと思うのですが、解剖図という西洋的なミクロなアプローチという視点と共に、経絡図という東洋的なマクロなアプローチという視点の両方を併せ持って欲しいという理由から2つ並べて展示しています。
 食物についても、近代栄養学というミクロな栄養素に視点をあてるアプローチだけでなく、陰と陽のバランスというダイナミックな観点でとらえる視点を持てば、いのちの実相がより深く洞察されます。

勝又:波多野先生が言われる「複眼思考」ということですね。解剖図と経絡図の比較はとても面白いですね。目に見える人体の解剖図と目に見えない経絡図。西洋的と東洋的な視点というものがよくわかります。
 マクロビオティックを社会に広めていくためには色々な視点、考えが必要だと思います。現代は西洋的な視点、解剖学に焦点が当てられ、結果多くの病気の人が増え続けています。世界的に見ると日本は最も医療体制が整っていて、病院でのベッド数が一番多い国になっています。国民はそれに頼っています。自分で病気を治すことをしない人が増えている結果だと思います。
 自分が健康であると思っている割合、主観的健康感というそうですが、それは日本は世界の国の中で最も低いグループに入るそうです。日本は長寿の国だと言われていますが、その日本人は自分のことを健康ではないと考えている人が多いという現実。
 それが問題だと思います。

波多野:国民の大多数がそういう考え方なのですね。しかし、その中でも、日本CI協会やリマ・クッキングスクールで料理を学ぶ人たちが多いということは、少しずつ世の中も変わりつつあるということではないでしょうか。私は、これからは自治体や行政とのタイアップも必要だと感じています。マクロビオティックの講演や料理教室に来られる方は、その時点で既に問題意識が高い方たちです。今後はごく一般の多くの人たちに東洋医学の英知を知ってもらいたいと思っています。ここ数年、県とのコラボ事業などの機会をいただいていることをとても嬉しく思っています。

勝又:テレビを見ているとタレントでももっと健康に気をつけよう、ライフスタイルを変えようとしている人が増えていると感じます。若い人たちの中にも健康意識の高い人が増えていると思います。世の中も変わってきていますね。

 

マクロビオティックとの関わり

勝又:波多野先生は、どういうきっかけでライフスタイルが変わったのでしょうか?

波多野:祖母の死がきっかけで現代医療に疑問を持ったのが始まりです。そして、1988年8月8日の「八並び」の日に、八4 ヶ岳で開催されたイベント「いのちの祭り」で初めて玄米を食べました。橋本宙八4 さんが淹れてくれた玄米珈琲もとても美味しく、玄米に感動したイベントでもありました。翌年には、アンドルー・ワイル博士(Andrew Weil)の講演を聞く機会に恵まれ、自然治癒力のメカニズムの偉大さを知り、鍼灸学校で東洋医学を勉強することになりました。黄帝内経などの古典の勉強をしていくうちに、東洋医学では食医が最も位の高い医師だということが分かり、当時、日本CI協会で講師をされていた大森英櫻先生や正食協会の山口卓三先生などから食養を学びました。
 その後アメリカへ渡り、久司道夫先生のKI( クシインスティテュート)でスタッフとして働きながら勉強したことも私にとってとても貴重な経験になりました。

 

 

失敗を楽しむ

勝又:私は玄米を食べ始めてから良い体験をたくさんしてきました。奇跡的ともいえるものも多くありました。波多野先生もそういった体験をしたことがあると思います。

波多野:はい。たくさんの奇跡をいただいた気がしています。例えば、私の人生を変えたアンドルー・ワイル博士との出会いの20年後、不思議なご縁で博士が阿蘇の山奥のTAO塾に来てくださり、一緒にマクロビオティックの弁当を持ってピクニックをしたり、TAOの農場で記念植樹をしてくれるという思いもかけないミラクルも起こりました。

勝又:それも奇跡的な出会いですね。やはりそういうことがあるんですね。思っていることが実現できるというものが……。マクロビオティックのおかげだと思います。人生が変わることを実感しています。

波多野:奇跡的な幸運もありますが、反面、その過程で色々と失敗も多くあります。そういった苦い失敗も貴重な体験だと思っています。

勝又:桜沢も失敗を楽しんでいたんだと思います。それこそ、彼の人生は失敗の連続だし、多くの試練を乗り越えてきた人生でした。桜沢は「難有り有り難し」と言っているように、失敗を楽しんでいたかのように思えてなりません。世の中を変える、世界を平和にするという強い信念があったからこそ、失敗をどんどん乗り越えてこられたのだと思います。

波多野:そうですよね。だからこそ桜沢先生は人生の冒険家であったのだと思います。

勝又:桜沢は、「1万人のうち1人がマクロビオティックをすれば世界が変わる」と言っていました。それは、自分で自分の病気を治せる人ということです。今の日本では1万2千人いれば日本が変わるということになるのでしょう。
 先日インターネットで調べたら、日本では数十万人の人が玄米を食べているということでしたので、日本人の健康意識が変わるのも、現実的になってきているように思います。1万人のうちの1人を多く育てるために桜沢は弟子たちに厳しい指導をしたのだと思います。

編集部:波多野先生には、本誌連載「桜沢のコトバに学ぶ」を5年以上執筆していただき、60回を超えました。ありがとうございます。引き続きよろしくお願いいたします。

波多野:ありがとうございます。お陰様で、この連載をまとめた本を今年出版しようと思って、最終段階の編集をしているところです。

勝又:それは楽しみですね。出版を楽しみにしています。本日は楽しい時間をありがとうございました。

 

波多野 毅

波多野 毅 /はたの たけし
(一般社団法人TAO塾代表理事・熊本大学大学院特別講師)


1962年熊本県生まれ。
一般社団法人TAO塾代表。修士論文のテーマは「食の構造的暴力と身土不二の平和論」。現在、熊本大学紛争解決平和構築学研究室客員研究員。鍼灸学生時代、日本CI協会、正食協会にてマクロビオティックを学び、93年Kushi Institute勤務。笑いながら東洋医学の哲学を学べるエデュテイメントを展開中。著書に「医食農同源の論理」「自遊人の羅針盤」など。

 

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