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『月刊マクロビオティック』11月号おすすめ記事

【特別対談】

マクロビオティックからオーガニックの道へ

オーガニック検査員
有限会社リーファース代表 
水野 葉子
×
日本CI協会 会長
勝又 靖彦

 

マクロビオティックからオーガニックへ

水野:職業柄、大学の生徒や若い人にオーガニックについて話す機会が多いのですが、聞いている皆さんは私がオーガニックのプロだからきっと昔から良い食事をしていたと思っているみたいです。でも、今話したように、マクロビオティックからオーガニックに入ったことや、私自身の体験から「食べ物で身体が変わるんだよ。食べ物が身体を作っているんだよ。」そんな話をすると、皆さん納得し共感してくれます。
 皆、健康になりたいと思っているからでしょうね。特に若い人はお金がないですから、食べ物は空腹を満たすだけのものではなく、私たちはすべての生きものの命をいただいて生きているということを話すと、ストンと落ちて分かってくれます。
 昔はマクロビオティックというと意味がわからない人が多かったですが、年々聞いたことがある人が増えてきていると思います。知らない人でも身土不二や一物全体は分かってくれます。
 偉大な言葉ですね。

勝又:私も人前でお話させていただくことが多いですが、栄養はサプリメントで補給するのではなく、食事で健康になってくださいと話します。マクロビオティックはまず食生活を変えなければなりませんが、それがなかなか変えづらい。長年経験してきた味覚や嗜好、習慣を変えるのは難しいことです。それに、よく噛むことを指導していますから、それもなかなか長続きしない理由だと思います。意識して噛んでいるだけではなく、どんな食べ物でも無意識によく噛むことが身に付いたら大丈夫といえます。
 それと「よく噛む」ということは、必然的に「よく味わう」ことに繋がります。よく味わうことができると味覚が敏感になってきて、正しい食べものを自然に食べることができるようになってきます。そして、味覚本能が正しくなると、幸福度が上がります。これもたまにやるのではなく、ある一定期間集中的に徹底してやらないといけないことですね。

水野:オーガニック食材にも同じことがいえます。私も美味しい食材と塩、味噌、醤油だけあればよいほどです。タレやソース、スパイスなどを使った料理よりも、オーガニックなものをシンプルな味つけで食べる方が好きになりました。

勝又:オーガニックの食材を食べると自然のままの味が分かるようになってくるので、味覚本能が目覚めるのでは
ないでしょうか? そうすると、化学加工されたものも分かるようになる。そこで味覚の判断力が上がってきます。
 病気になってからマクロビオティックを始める人が多いのですが、味覚的な判断力が身についていないと病気が治っても食生活が元に戻ってしまい、また繰り返しになります。それではいつまでも健康にはなれません。

水野:残念ながらその通りだと思います。本当は病気になる前に気づいて、ちょっと体調が変だなと思ったくらいから始めて欲しいと思いますね。
 私は今でも東城百合子先生の「家庭でできる自然療法」(あなたと健康社)を健康で困っている人に差し上げています。今まで何十冊配ったかわからないほどですが、皆さん喜んでくれます。

 

有機生産者に感謝

勝又:マクロビオティックについてお話を聞かせていただきましたが、今度はオーガニックの世界のことを聞かせてください。まずは「F1種」(一世代種子)について教えていただけますでしょうか?

水野:「F1種」から採れた種は次には使えないので、世界的な収量をコントロールするような危険性を感じています。有機生産者の方には在来種や固定種の自家採取をしていって欲しいと思いますが、現状ではなかなか追いつかないです。

勝又:工場などで栽培しているのを最近テレビで見るようになりましたが、そのことはいかがでしょうか?

水野:水耕栽培ですね。オーガニック認証では基本的に認められていません。土ではなく液肥(肥料を液体にしたも
の)だけで栽培したものは認証外です。ただし、水だけで栽培したモヤシなどは例外です。

編集部:日本と世界の有機農業には、どのような違いがあるのでしょうか?

水野:規模的にいうと、欧米の生産者の畑の方が大規模のように思えますが、欧米も日本も気候の変動や病害虫の対応の大変さは同じだと思います。

編集部:日本でオーガニックの普及はどこまで進んでいるのでしょうか?

水野:やはり、欧米の動きの影響や大手スーパーマーケットが積極的にオーガニック食品を取り扱うことによって、オーガニック食品の動きが急速に進んできている気がしますね。

編集部:有機生産者さんたちの頑張りを教えてください。

水野:温暖化等に伴う予測できない気候の変化の他、虫や病気のみならず、獣によるダメージが増えており、これらに対応しながら生産することは容易でないと思います。しかし、苦労の多い生産者からよくお聞きする言葉「孫に食べさせたいものを消費者にも食べてもらいたい」には感動して感謝の気持ちでいっぱいになります。

編集部:有機農業を応援するために、私たちにできることは何でしょうか。

水野:今あるものが「当たり前」ではなく「有難い」ということを意識して、感謝の気持ちでいただくこと。できればお手紙等で生産者に感謝の気持ちを伝えられたらとても励みになることでしょう。私たち消費者が、日本の今後の農畜水産業を左右するということを意識して食品選びをしてもらいたいと思います。

 

オーガニックの広がり

勝又:水野さんが代表をしておられる「リーファース」では、どのような活動をされているのでしょうか?

水野:すべてのものがすんなりオーガニックで栽培や生産ができるわけではなく、オーガニックに至らなくても環境を配慮して薬剤を減らして生産している生産者を認定すること。国内で農薬や化学物質に頼らないできのこ栽培をしている生産者を認定すること。本物のオーガニック食材を使った料理を提供している飲食店を認定すること等を行っています。

勝又:最後にオーガニックの将来についてどのように感じていますか?

水野:アメリカでは昨年オーガニック食品の需要が前年度と比べて17%増えています。EUやオセアニアでも需要が増えている状況を見ると、絶対に日本でも近い将来オーガニック食品を志向する人たちが増えてくると思います。それも、海外からの来訪者が増える東京オリンピックがひとつのきっかけとなるのではないかと思います。
 日本にはオーガニックとはいかないまでも、オーガニックに近い栽培をしている方々は多く、需要が増えればオーガニック予備軍の方々が頑張ってオーガニック栽培に移行してくださる可能性も高いのです。しかし、そのためには消費者がオーガニックについてしっかり知り、生産をする人たちが労力に見合った収入を得られるように消費者も食べることでサポートするという意識をもって協力していくべきだと思います。

勝又:私たちもオーガニック食品を扱っていますので、もっとアピールしてお客様に伝えていきたいと思います。本日はありがとうございました。水野さんの今後のますますのご活躍を願っております。

みずの ようこ

1980年立教大学文学部卒業。1987年米国ミネソタ州立大学院にて修士号取得。元ミネソタ州立大学日本語講師。1995年
米国のIOIA(国際オーガニック検査員協会)にてオーガニック検査員資格取得。ミネソタ在住時より自然治癒力、東洋医学、ネイティブアメリカン療法、自然出産・育児等の研究を深めると同時に環境問題にかかわる。1997年8月に日本オーガニック検査員協会設立以来、日本においてオーガニック検査技術指導等に携わると同時にオーガニック食品の普及に努める。日本初のIOIA認定オーガニック検査員トレーニング・コーディネーターとなり、日本初のIOIA公認オーガニック検査員となる。1999年7月より(社)日本農林規格協会主催、有機食品検査技術指導要領検討委員会検討委員となる。独立オーガニック検査員として検査業務を行うと同時に講演、オーガニック認証指導コンサルティングも多数こなす。特定非営利活動法人 日本オーガニック検査員協会(JOIA)設立者、理事長を務めた後、現在は監事。翻訳書に「オーガニック検査マニュアル」、著書に「水野葉子のオーガニックノート」、「オーガニックのはなし」、
「オーガニックな生活」(星の環会)、「オーガニック検査員・水野葉子の「家族と食べたい!」食品選び」(東洋経済新報社)がある。
農林物資規格調査会専門委員。千葉大学非常勤講師。一般社団法人日本オーガニック検査員協会(JOIA)監事。JOIA・IOIAオーガニックトレーニングコーディネーター。JAS検査員・判定員(有機食品・生産情報公表)、Food for Life協会代表。宮崎県農政審議委員。オイシックス食質監査委員。パルシステム監査人講習会講師。リーダーシップ111会員。立教グローバル・ソサエティ副会長。

 

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※この記事は「月刊マクロビオティック」で連載しています。