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『月刊マクロビオティック』1月号おすすめ記事

【新春対談】マクロビオティックとは全体を観て判断できること

西邨 マユミ(マクロビオティック・コーチパーソナルシェフ)

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勝又 靖彦(日本CI協会会長)

 

 

リスペクトされる日本文化

勝又:マユミさんは理論だけではなく、実際に世界中を駆け巡っていらっしゃる行動の人です。現在の世界の国の状況はいかがですか?

西邨:一昨年はスペイン・ポルトガルを中心に、昨年はイギリス・ドイツを中心に行きました。一生懸命な指導者がいる国は強いですね。特にポルトガルのリスボンでは、今までの小さい積み重ねが実を結び、今では国を挙げて自然食を推進するまでになりました。世界を回っていて感じることは、皆が日本文化をリスペクトしているということです。

勝又:本誌で連載しているトシエ・カナルさんはスペインで活躍されていますが、日本食や味噌作りのレッスンはとても人気があると書いていますね。

西邨:そうです。皆さん日本の文化に興味を持っているので、味噌や豆腐などを通じてマクロビオティックを知ることが多いのです。日本の文化を知っていればいるだけ海外で生活できる術はいくらでもありますから、日本の皆さんはもっと世界に出て欲しいと強く思います。

勝又:海外に行くと日本の文化について質問を受けることがありますが、なかなか答えられない人が多いようですね。そこで生まれ育ったはずの文化を知らないことに気づき、それがきっかけで歌舞伎を見に入ったり、神社にいったり日本の文化を改めて勉強する人が多いと思います。

西邨:外国に行くと「郷に入れば郷に従え」ではないですが、その土地の文化に合わせようとすることは大切です。もっと大事なことは「日本人たる意識を持て」ということです。勤勉・真面目さが世界的に日本人の良いところだと思われています。私も自覚していますが、日本人としての意識を失わずにいて欲しいと思います。
 私は愛知県の片田舎で育ちましたが、そのお陰で伝統的な食とか自然と一緒に暮らす文化を体験することができました。マクロビオティックを学ぶと、そういった文化のことが理論的に納得できるようになりますね。ただ料理をするだけではなく、その背景にあるものや文化を話すともっと喜ばれます。マクロビオティックはそれを可能にします。

勝又:日本の食文化の最たるものは発酵文化ですね。先ほどの腸内細菌にも通じますが、日本の文化についてお話しながら科学的データも交えることができるようになりました。エビデンスが求められているので、これからはデータを用いてお伝えすることも多くなってくると思います。
 久司先生はマクロビオティックのことを「ただひとつの世界OneWorld 」と言っていましたし、桜沢先生も「無限絶対永遠」と言っていました。そしてそれを体感・体得しなさいと説いたわけですが、これがなかなか難しいことです。

西邨:難しいですよね。ほとんどが食べ物の世界の中だけで終わってしまって、その先にある陰陽のすごいところが分からないなんて、もったいなさ過ぎます。今日は、この対談の後に開催される茶話会でお話する機会をいただいたので、「食は入口ではあるけれど、もっと大きくものを観ること」について皆さんにお話できたらいいなと思っています。
 それと「温故知新」です。今、アメリカでもマクロビオティックやビーガンのお店が増えていますが、種類は多いのですが味がいまひとつのお店がたくさんある。それは、野菜本来の味を引き出していないからだと思っています。やはり基本をしっかり学ぶことです。
  美味しい玄米を炊くこと。味噌汁や漬物を作ること。基本食を美味しく作ることです。そうすれば何が本当に美味しいのか分かるはずです。洋風にアレンジして見た目ばかり美しくても味が美味しくなければいけませんね。

勝又:教えられたことだけを頑なに守っていると、自分の身体の声を聴くことができません。レシピをちょっと工夫することで解決できるし、色々なことにチャレンジできるのがマクロビオティック料理の良いところです。皆が皆違って当たり前ですから、料理教室でもそういう指導をしています。西邨:固定観念に捕らわれている人が確かに多いのです。マクロビオティックでは自由人を育てることを主としているのに「不自由人」になってしまっては残念ですね。

 

守破離(しゅはり)の教え

西邨:最近よく思うのは「守破離」です。武道や茶道の世界で使われる言葉ですが、意味は「まず基本を守ること」そして「それを少し破ってみること」です。これがなかなかできないことですが、固定観念を破ってこそ新しいものが見えてきます。
 自分が「何か違うな」と感じたら、思い切ってチャレンジしてみましょう。破ることで正しい選択だったかが分かります。そして、それからも「離れる」ということに繋がり、それが破ることで観えてくる世界です。ここで初めて自分のものにすることができます。
 「離れる」というのは自分独自の流派を作るということではありません。マクロビオティックで考えれば「自分自身に合う、自分らしい食を作りあげなさい」ということです。それが成長することに繋がります。

勝又:とても良い言葉を教えていただきました。武道・茶道の世界もマクロビオティックも同じですね。自分のものにできるか・できないかが大切なことです。破ることは心の解放にもなりますね。私にも心当たりがあります。
 数年前に玄米ご飯が喉を通らなくなった時期があり、妻が白米や鮭を食べるように勧めてくれました。私もどこか玄米食に固定観念があったのだと思いますが、妻のお陰で気持ちが楽になったのか、しばらくして玄米ご飯を食べたら前よりも美味しいと感じることができました。マユミさんの「破ってみる」というメッセージをいただいて「ああ、こういうことか」と腑に落ちた感じです。

西邨:「守破離」の考えが身に付くと、取捨選択できる術が身に付くようになってきます。これは食だけではなく生き方全般にいえることです。

勝又:不思議なのですが、マクロビオティックを実践していると、窮地に陥ったときに立ち直るひらめきが浮かぶことがよくあります。これは桜沢が言っている「最高判断力」と呼べるものかも知れません。このことは本を読んでも分かりません。最高判断力は誰でも潜在的に持っているものですが、マクロビオティックを実践しているとその能力が引き出されますね。豊かな人生を送るためには重要なことだと思います。

西邨: 最近よく感じることですが、こうして勝又先生とお話しているとなんの問題もないのですが、一歩外に出てマクロビオティックを知らない人たちと話をする時、一般常識が通じないことに驚きます。それはアメリカなど外国の話だけではなく、この日本でも同じなのが残念です。子どもを産んだら母乳をあげることさえ知らない母親がいたという話を聞いた時は信じられませんでした。
 でも、視点を変えると一般常識は通じなくなるし、そういう人たちは大多数だけれど、それでも伝えていく方法を考えなくてはならないと思います。マクロビオティックは毎日の生活の中でとても「practical(実用的)」なものです。日本だけではなく、世界に通用するものです。それを提案していきたいですね。

勝又: 現代は科学偏重ですからね。自然の摂理を説くのは段々難しい時代になるのでしょう。

西邨:科学は今の現象を解明していますが、それがどんなに発展しようとも生命を創ることはできません。そのことが解ると自然の偉大さが分かってくる。自然に対して畏敬の念を持つようになります。そういうことを忘れると、とんでもない間違った方向に進む危険性があると思っています。

勝又:桜沢は最晩年に「全て変わるんだ。変わらないものは何もない」と言っていました。それは常に新しい世界なのだということです。科学が解るのは過去の世界です。でも時間は戻れないですし、1年前と現在では同じ季節かも知れませんが環境が違います。人間だって変わっている。マクロビオティックをする前と実践した後では全然違いますよね。

西邨:私は本当にマクロビオティックに出会って良かったと思っています。出会っていなかったら、今の私はありません。一人でも多くの方にお伝えし続けるのが私の使命だと思って、これからも世界を飛び回ります。
 皆さんにはマクロビオティックを自分のものにしていただきたいと願うばかりです。ご自身が持って生まれたものを発揮して欲しいと願います。

西邨:アメリカの知人は「人間はbiocomputer である」と言っています。確かに、人間の身体をミクロで見れば細胞があって電磁気力の力や電子の力が働いていますが、食べ物からエネルギーをもらって生きていることは事実です。そしてそのエネルギーをうまく調和させています。朝になれば活動するし、食べたものを消化・吸収し、血液にして身体全体を巡って栄養を与えてくれる。夜になれば身体を休ませようとする。こうしたことを称して「bio computer」と言っているのだと思います。

勝又:宇宙のエネルギーのお計らいですね。調和した生き方をしていると必要なときに必要なものが与えられるようになってきます。そうすればマクロビオティックの本来の自由な生き方ができるようになります。本日はマユミさんと久しぶりにお会いできて元気をもらいました。ますますご活躍され、またお会いできるのを楽しみにしています。本日はどうもありがとうございました。

この対談の後、場所をレストランに移して「西邨マユミさんと秋の茶話会@ LIMA 」を開催しました。マユミさんのオリジナルレシピのおやつとお茶をいただきながら、様々なお話や質問などで会は大変盛り上がりました。マユミさんのアドバイスは今後のマクロビオティックライフに活きることでしょう。

西邨 マユミ

西邨 マユミ/にしむら まゆみ

1982年に単身渡米し、マクロビオティックの世界的権威である久司道夫氏に師事。その後、アメリカ マサチューセッツ州 クシインスティティュート ベケット校の設立に参加し、同校の料理主任および料理講師に就任し、同時にガン患者への料理指導も行う。2001年より、歌手マドンナのパーソナルシェフを務め、ロンドン、ロサンゼルス、ニューヨーク、東京を中心に活動。ゴア元副大統領、スティング、ブラッド・ピット、ガイ・リッチーをはじめ、多くのセレブリティにマクロビオティックの食事を提供してきた。
また、マクロビオティックをもっとたくさんの人にと、誰でも実践可能な「プチマクロ」を提唱し、同時に、執筆活動も積極的に行う。自伝的著書「小さなキッチンの大きな宇宙」や数々のレシピ本などを出版。「MAYUMI'S KITCHEN」はアメリカ、ヨーロッパ、アジアなど広く海外でも親しまれている。2010年には、マクロビオティック振興を推進するキューバ政府から招聘され、フィンレイ・インスティテュート(ワクチン研究所)における指導、有機農業や海洋調査などの現地調査に協力。他にも世界各国にマクロビオティックを広める活動を積極的に行っている。2013年3月には、UHA味覚糖株式会社との共同開発によるプチマクロスイーツ「HAPPYDATES」が発売。また、体に良くておいしいスムージーレシピの新書「心とカラダを整える スムージー&スムージー」(講談社)も出版。マクロビオティック・パーソナルシェフを務める他、日本発信のライフスタイルの普及のため、国内外において精力的に活動中。

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※この記事は「月刊マクロビオティック」で連載しています。