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『月刊マクロビオティック』3月号おすすめ記事

【直前対談】第10回マクロビオティック医学シンポジウム
腸内フローラが変わればカラダもココロも変わる

内藤裕二(京都府立医科大学消化器内科 准教授) 
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勝又 靖彦(日本CI協会 会長)


 前号で掲載した「日本抗加齢協会 学術フォーラム」当日、3月20日開催「第10回マクロビオティック医学シンポジウム」でご講演いただく内藤先生と勝又会長の対談が実現しました。
 内藤先生の学術フォーラムでの講演タイトル「腸内フローラが変わればカラダもココロも変わる」が、本誌のサブタイトル「食で変わるココロとカラダ」とほぼ同じことに、内藤先生との不思議な繋がりを感じていました。先生に本誌の最新号を渡しながらお話したところ、「本当ですね。同じことを考えていますね。お力になれることはやらせていただきます」と、心強いお言葉をいただきました。

編集部

 

大便を調べる

勝又靖彦(以下、勝又):当協会は生活習慣を秩序づける、簡単に言うと「伝統的な食生活に帰りましょう」という運動を行っています。

内藤裕二先生(以下、内藤):私たちの腸内フローラ( 腸内細菌叢)の研究でも、伝統的な発酵食品が減ったことが日本人のフローラが変わった理由ではないのか、という説があるのです。味噌とか、日本酒ペプチドなどでフローラの研究をしています。
  実は腸内フローラのデータは世界から発信されているだけで、日本人の便のデータは少ないのです。そこで、京都
の京丹後市に130人ほど100歳以上の方がいらっしゃる小さな町があるのですが、そちらの方々の大便を集めて、日本の伝統的な暮らしをしている、長生きで健康な人はどんな腸内フローラなのか、今の若者とどれだけ違うのかなどを調べています。3月20日の医学シンポジウム当日も面白い話ができると思います。

勝又:江戸時代には便を買い取る業者がいたそうで、お侍さんの便は高くて庶民の便は安かったそうですね。というのは、それを使う農家さんが、秩序立った生活をしている人の便の方が良い、ということを知っていたからだったようです。昔のお侍さんは一汁一菜で健全な食生活をしていたからで、もちろんお坊さんも高額だったようです。
 マクロビオティックでも自分の健康判断をするのに、お小水や便を重要視していますが、私も体調の悪い時の便は臭いですね( 笑)。

内藤:そうです。悪臭はダメ。漬物のような匂いが良いです。現代人は脂の摂り過ぎです。腸内細菌を変化させる一番の要因は脂です。どんな人でも、高脂肪食が悪さをしますからね。

勝又: 最近、腸内フローラのことがテレビなどで放送されていますが、糞便(ふんべん)移植という話を聞きました。

内藤:テレビでやり過ぎです。免疫が成立している大人になってから他人の菌を移植しても定着しないと思っています。滋賀医大の先生と10例くらい行いましたが、今は行っていませんし、日本でも便移植はあまり行っていないと思います。

勝又:便が良い人は良い生活習慣があるわけですから、結果を変えても原因を変えなければいけないですよね。

 

腸内細菌と土壌菌

勝又:腸内細菌の素になっているのは植物の土壌菌で、日本の発酵食品は土壌菌を活かしたまま保存したものだと思うのですが。

内藤:土壌菌の方が、ヒトの菌よりも研究が進んでいますね。

勝又:例えば納豆菌は稲藁わらに付いていた土壌菌で、大豆を素晴らしい食品に仕上げてくれていますが、日本が
肉を食べなくても生きてこられたのは納豆のお陰だと思います。
 最近読んだ本の話ですが、牛は葉や茎など栄養の少ないものを食べていても腸内細菌が必要なものを作り出しているのですね。

内藤:牛の腸内細菌はすごいですよ。草だけ食べて筋肉隆々ですからね。

勝又:土壌菌を考えると、農薬を撒いて殺してしまうのが問題ですね。

内藤:日本人の腸内フローラは独特なのですが、なぜか中国人とアメリカ人が似ているのです。農作物や飼育に使ったり人が飲む分も含めて、世界で使われている抗生物質の中で中国とアメリカがダントツに多いです。色々な仮説があるのですが、そういう影響があるのではないか、とささやかれています。
 日本では医者が抗生物質を出し過ぎ、などと言われますが、中国とアメリカに比べたら日本で消費されている量は少ないんです。

勝又:そうなんですか。日本人は薬を多く使うイメージがあったんですが、少ないんですね。

内藤:医者はよくいじめられますが、意外に少ないんですよ。

勝又:それはいい情報ですね。

 

腸内フローラ研究の将来

勝又:腸内フローラを研究されている内藤先生のイメージの中で、将来どのように発展させたい、という展望がありますか?

内藤:残念ながら、世界の方が先に走り出していますし、日本ではやっと2016年になって、国が腸内フローラの研究にお金を出すようになったところです。まだ、どうなるか分かりませんね。
 ただ、アルツハイマーやパーキンソン病、多発性硬化症などの神経疾患と消化管( おなか)との関連が注目され始めていて、「おなか」というと潰瘍性大腸炎やクローン病のイメージがありますが、消化管(おなか)を調べると神経疾患や全身の病気について新しいことが見つかるのではないか、というプロジェクトがたくさん走り出しています。
 また、菌そのものではなく、菌が作り出す代謝物の成分の分析が進めば、今はギャバ( ※ )が良いなどと言われ
ていますが、そのようなものは腸内細菌がたくさん作っていますので、良い腸内細菌を持っていたら摂取しなくてもいいのではと思いますし、ビタミンでもB1、B2くらいでしたら作っています。みんなが良い腸内細菌を持っていたら、サプリメントの会社など要らなくなるかも知れませんね。今は緊急対処的にギャバを飲めなどと言っていますが、ギャバを作る腸内細菌がたくさんいたら、必要ないですね。今後はそうなっていくと思います。
 自分の持っている菌に必ず良い菌がいるので、いかに良い菌を増やすかが大切です。エサは何か、どういうライフスタイルにすればいいか、どういう食べ物を食べたら良い菌が増えるか、ということがこれから大きな課題になると思います。
 医学シンポジウム当日は、私は難しい細菌学の話はしません。腸内フローラが身体にどういう役割をしているか、日本人は今どういう状況なのかなどをお話させていただきます。ぜひ楽しみにしていてください。

※ギャバ(GABA-ガンマ-アミノ酪酸)…発芽玄米に多く含まれる有効成分のひとつ

第10回「マクロビオティック医学シンポジウム」は、内藤先生をお迎えし、渡邊先生、勝又会長とともに、腸内フローラと健康、そしてマクロビオティックとの関係について考えてまいります。とても興味深い話を多くお話いただける予定です。皆様のご参加をお待ちしております。

 

内藤裕二

内藤 裕二/ないとう ゆうじ

平成27年より京都府立大学附属病院内視鏡・超音波診療部部長。専門は炎症性腸疾患、腸内フローラ、消化器病学。著書に「消化管(おなか)は泣いています」など多数。

 


※この記事は「月刊マクロビオティック」で連載しています。