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『月刊マクロビオティック』8月号おすすめ記事

玄米ごはんの給食と大自然の中で遊ぶ子供たち

森のようちえん ウブントゥ. を訪ねて(山梨)


 富士山が目の前に望める山中湖の近くに「森のようちえん ウブントゥ.」があります。「ウブントゥ」とは、南アフリカ地方の言葉「みんながいるから私がある」という意味で、周りの人への思いやりや感謝の心を育む教育をしています。現在は会社組織になっていて、0〜2歳児を預かる2つの保育園の他、3〜5歳を預かる森のようちえんと小学生対象の寺子屋を経営しています。代表は大沼弘之さん。奥様の英実子さんと一緒に経営しています。代表であっても「社長」や「園長」ではなく「ひろゆき先生」「えみこ先生」と呼ばれ、他のスタッフもファーストネーム(○○先生)で呼ばれていてとてもアットホームな印象を受けました。
 今回は、給食のごはんが玄米でおかずは野菜中心、そして、大自然の中で元気いっぱいの子どもたちが活動している様子を取材しました。

編集部

 

森の中で子どもを育てたい 

 「森のようちえん」は、1950年代に北欧デンマークで始まった自然の中で子どもを教育するスタイルのことをいいます。ドイツでも広がり、日本では全国に施設があり、そのスタイルは様々です。共通しているのは自然環境の中での幼児教育と保育。多くの森のようちえんは、子どもが持っている感覚や感性を引き出すようにしています。「森のようちえん ウブントゥ.」を始めたきっかけは、県内にある他の「森のようちえん」を視察したとき、子どもたちが自然の中で泥んこになって遊ぶ姿を見て「自分の子どももこの環境の中で育てたい」と思ったからでした。運よく今の施設とご縁ができ、とても好意的な大家さんから「子どもたちのためなら自由に使って」と許可をいただき、隣接の森の土地もこれまた奇跡的なご縁から借りることができました。
 大沼さん夫婦は「これは神様が幼稚園をやりなさいって用意してくれたんだ」と確信し、5年前に開園しました。大沼さんを信頼している同じ世代の子どもを育てている親御さんから、「大沼さんが森のようちえんを開園するなら、ぜひ私たちの子どもをそこで育てたい」と、進路が決まっていたにもかかわらず入園してくれたり、他の幼稚園に通っていたのにわざわざ転園してくれたりと、初年度は年少・年長合わせて21名で始めることができました。「当時は何にもなかったけれど、
 周りの人たちのおかげで開園できた。あの時のことを思うと今でも涙が出ます」と英実子さん。弘之さんは「今は入園募集の宣伝もしていませんが、おかげさまで定員に達しています」と嬉しい声でした。

 

美しい言葉「ウブントゥ」

 大沼さん夫婦は森のようちえんを開園する前は保育園を運営していました。もともとは英実子さんのお母様が自宅で託児所をしていて、お母様が怪我をしたことがきっかけで、当時、原宿でファッション関係の仕事をしていた英実子さんは実家に戻り、お母様と一緒に以前に取得した保育士の資格を生かして子どもたちのお世話をすることにしました。その頃お付き合いしていた弘之さんも銀座でビジネスマンとして働いていましたが、英実子さんとの結婚を機に保育士の資格を取り、一緒に託児所で働くことにしました。
 英実子さんのお母様はクリスチャンで、「ウブントゥ」という名前もお母様が付けました。この言葉は世界で最も美しい言葉のひとつとされ、「思いやり」や「みんながいるから私がある」という意味の他、もっと深い意味があること、また「ウブントゥ」という言葉の波動では水の結晶がとてもきれいになることを後で知りました。英実子さんは「この先ずっとウブントゥという名前を使い続けます」といいます。
 預かる子どもの人数がだんだんと増えて施設が手狭になったとき、このまま続けるかどうか悩んだそうです。話し合った結果、自分たちの理想の保育をしようと決め、銀行からの融資が通ったこともあり、自宅兼託児所を新しく建てることになりました。
 「良いものは取り入れる」という英実子さん。自分たちの子どもも一緒に保育をしていることから、我が子から気づきをもらうことも多いそうです。

 

玄米ごはんの給食

 そのひとつが食事。「ウブントゥ」の給食の主食は玄米ごはんです。地元の武藤農法による農薬不使用の有機栽培玄米とアートテン農法の生命エネルギーの高い残留農薬ゼロの玄米を使い、圧力鍋で炊きます。
 嬉しいことに、食材保管庫には野菜ブイヨン、中華だし、シチュールウ、地粉、ジャムなど、オーサワジャパンの
食材使用率がとても高く、「とにかく良いものを使いたいと思っていたらオーサワジャパンにたどり着いた」と嬉しい言葉をもらいました。
 野菜はできるだけ農薬を使っていないものを選ぶようにし、味噌は子どもたちと一緒に自前で作っています。肉、卵、乳製品、白砂糖は使わず、味噌汁のだしにいわしの粉末を使うことと、たまに魚がメニューに出てくる程度の、ほとんど玄米菜食といったメニューです。
 取材に訪れた日の給食は、玄米ごはん、具だくさんの味噌汁、れんこんハンバーグ、もちきびポテト、青菜の納豆和え。圧力鍋で炊いたもっちり玄米ごはんはおいしく、おかずもボリューム満点。給食は1食分で350円とのことでした。食材の質の高さからすると考えられないほどの金額ですが、「子どもたちのことを考えると、どうしても美味しくて安全なもの、質の高いものを食べさせたい」という思いがあるのです。
 調理は園内調理で、管理栄養士と調理師の2人で作っていました。2人ともマクロビオティック料理は習ったことはないと言っていましたが、味がしっかりしていて彩りもよく、とっても美味しい給食でした。味噌汁のだしにいわし粉末を使う理由は、牛乳のカルシウム摂取基準に合わせるための苦心した結果だそうで、ウブントゥでは牛乳は出していません。おやつもおむすびや蒸かしいも、団子など、子どもたちの身体にやさしいものを出しています。
 管理栄養士の野崎久乃さんにお話を伺うと「森のようちえんだけで55人の子どもがいるので( 取材時)仕込み、盛り付け、片付けなど大変ですが、子どもの身体が喜ぶおいしい給食を作るようにしています」とのこと。調理に化学調味料も使わず、おかずの合言葉は「まごわやさしい」。こんなにおいしい給食を食べることのできる子どもたちは幸せです。
 食でもうひとつ大切にしていることは「自分たちで育てること」。園の外には小さいながらも畑があり、そこに子どもたちが種を蒔き、水をあげながら農薬を使わずに野菜を育てます。子どもたちが自分で育て収穫した野菜は間違いなくおいしいはず。野菜を育てることは命への感謝の気持ちが育つと同時に、「野菜嫌いだった子どもは必ず野菜が好きになります」と弘之さんはいいます。
 収穫時期になるとみんなで収穫し、子どもたちが包丁を使って調理をしてみんなでいただくそうです。自分たちが育てた野菜を自ら調理して食べることは、大自然の恵みそのものの味わい。子どもたちにとってこの上ない貴重な体験です。

心を育む

 食のほか、「学ぶ力を育てること」も大切にしています。朝、登園すると子どもたちは真っ先に読書をします(絵本)。年間一人あたり700〜1000冊を自主的に読むそうです。3年間幼稚園に通った場合、3000冊程を読むことになります。当然、幼稚園のうちから読み書きができ、本を読む集中力が身につきます。「森のようちえん ウブントゥ.」は、年少を「ふじさん組」、年中を「ちきゅう組」、年長を「うちゅう組」と呼んでいます。取材に伺ったとき、ふじさん組は道徳の時間で「日本の美しい言葉と作法」( 登龍館)を教材にして声に出して読んでいました。これは挨拶をすること、いじめをしないこと、仕事は責任をもってすること、きちんと謝ること、迷惑をかけないこと、好き嫌いをしないことなど、人間として、日本人として、親や祖先、国、社会に奉仕し、感謝の気持ちを持って生活することを説いている子ども向けの道徳教科書で、大人が読んでもためになる本です。
 子どもたちはみんな大きな声を出して読んでいて感心しましたが、子どもたちの背筋が伸びてとても姿勢がいいこ
とに気づきました。教室の中を見回すと、壁に「立腰(りつよう)」( ※ )と書かれた紙が貼ってあります。よく見ると、すべての教室に貼ってありました。これは自立心を育てるために「ウブントゥ」が大切にしている言葉で、心と身体を整えることで集中力、持続力、判断力が身に付くことへと繋がります。

※「立腰」/森信三氏( 哲学者・教育者)が提唱した方法。腰骨(こしぼね)をいつも立てて曲げないようにすることにより、自己の主体性の確立をはじめとした人間形成を実現するというもの。

 

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※この記事は「月刊マクロビオティック」で連載しています。