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『月刊マクロビオティック』10月号おすすめ記事

【11月19日開催】 第11回マクロビオティック医学シンポジウム事前対談

玄米と大麦で腸内環境を調える!

青江 誠一郎(大妻女子大学 家政学部 学部長 教授)

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勝又靖彦(日本CI協会 会長)

 

腸内細菌は食生活で戻る

勝又:DNAからおなかの中の細菌や体全体の状態を知る方法はいつ頃から始まったのでしょうか?

青江:始めはヒトゲノムプロジェクトというヒトのDNAを解析していたものが、2000年くらいに一旦終了して機械が余ったので、国からなんとかしろと言われて始まったのです。それで調べてみると腸内細菌と体がかなり関係していることが分かって、お医者さんが飛びついたのです。

勝又:腸内細菌の素は土壌菌であり、私たちが食べる野菜は土から栄養を取るために土壌菌が働いているわけですよね。そこに農薬を撒いてしまうのはどうなんでしょう。
 体には悪玉菌が病気の原因かもしれませんが、それを死滅させることは善い菌も被害を受けるわけですね。腸内細菌にしてみれば、抗生物質の乱用というのは由々しき問題だと思うのです。

青江:腸内細菌は基本的には母親から譲られて揺るぎないものなのです。食生活で偏ることはあっても食生活を改めれば戻ります。
 ただ、戻らないまま出産すると、戻っていない腸内細菌が子どもに移ってそこからスタートしますので、段々悪くなっていきます。ですから親がきちんとした食事をすると、子どもも戻ります。まずは自分の代でしっかり元に戻して、子どもに受け継ぐのが一番いいですね。
 腸内細菌は抗生物質で少々叩かれても元に戻ります。それくらい腸内細菌は強いのです。

勝又:今後、腸内細菌の研究はどのような方向に進んで、医療や栄養学へどのような影響を与えるとお考えですか?

青江:つい直近までは、病気になる特定の菌を探していました。悪い菌はどれか、がんになる菌はどれかということですが、見つかりません。おそらくないと思います。
 腸内細菌は全体のバランスで成り立っています。どのくらいおなかの中に菌の種類があるか、どんなタイプの菌がいるかというバランスです。それで見ていくしかないと思います。ある特定の菌だけが増えても何もいいことはないので、大きな揺らぎ( 偏り)と多様性をしっかり押さえて、結果として出てくる短鎖脂肪酸や毒素をモニターしていくことがいいと考えています。
 腸内細菌は、それだけ解析しても因果関係がわからないのです。森に入ってどんな虫がいるかと同じで、腸内環境はどのくらいの種類の菌がいるかで決まっていて、環境汚染の証みたいなものなのです。多様性をしっかり維持することと、大きなバランスがどう変わるかが大事ですね。

 

自律神経について

勝又:症状は一番弱いところに出てくるというのが東洋医学の考え方ですが、病気になる人の本当の原因は何なのか研究が必要ではないかと思うのです。大元を治さないといけないですよね。病気になったからその病気を治しても
また別の病気に罹患してしまうというのが、毎年1兆円ずつ医療費が増えている現状だと思っています。
 私は自律神経がとても重要だと思っています。自律神経が正常に働いていれば、ホメオスタシスや自然治癒力が働く、つまり自律神経の働きこそ生命力であると考えているのです。

青江:おっしゃる通りです。腸の状態は常に自律神経がコントロールやモニターしていますし、ストレスが腸へ行くときにも自律神経を介しています。完全にお互いが通信し合っています。そういう意味ではよく休むのも大事ですし、食べ物も大事です。自律神経は重要です。

勝又:今、私が一番興味を持っていることですが、普通、昼間に働く交感神経が元気の素で、夜に働く副交感神経はリラックスさせると言われています。現代人は交感神経が過敏でストレスや病気の原因となっているので、なるべくリラックスすることが大事ということになっていますが、東洋の考え方だと逆なのです。
 私たちは陰陽理論で考えるのですが、夜という陰性に対して、自律神経は陽性の神経を働かせて調和を図っていて、昼という陽性に対しては、陰性の神経が働いて調和を図っている、ということです。
 陽性な食べ物を摂ると副交感神経が強くなって、陰性なものを摂ると交感神経が強くなるのです。現代人は昔と比べると油物や甘い物、清涼飲料水などの陰性なものを多く摂るので、交感神経が過敏になってしまって、夜はぐっすり眠れないし、昼は疲れるという考え方なのです。
 マクロビオティックの基本食は、玄米を中心に一汁一菜です。そうすると体調が変わってきて、元気を実感できるようになります。自然の陰性と陽性がバランスよく働いているから元気にな
るのだと考えています。

青江:分かりやすいですね。

勝又:西洋から入ってきた学問は人間中心ですから、交感神経と副交感神経を人間が働かせているという考え方な
のです。東洋は人間も自然の一部で、自然の摂理によって生かされているという考え方です。

青江:便秘を研究している先生方と話すと、必ず自律神経のことが出てきます。食べ物と便秘、腸の健康、自律神経は切っても切れないと言っていますね。

勝又:自律神経については、マクロビオティックと現代の生理学や医学とコラボレートする中では一致するのではないかと考えています。それは渡邊昌先生が一番望んでいる統合医療で21世紀の新しい医学であり、新しい看護であり、新しい栄養学であって、そういう時代が始まって行くと思っています。早くそれを国の指導要綱に入れないと、医療費は増すばかりですよね。猶予はあまりないと思うのです。

青江:そうですね。

勝又:大妻女子大学では、統合医療について理解されている先生はいらっしゃるのですか?

青江:おそらくいないと思います。学ぶ機会がないので、渡邊先生が解説しないとわからないですね。

勝又:渡邊先生と私は同じ学年なのですが、もう76歳と77歳ですからね。早く統合医療が社会化されればと思っ
ています。

青江:そうですね。そのような社会になることを望みます。勝又:本日はありがとうございました。11月のシンポジウムもどうぞよろしくお願いいたします。

【プロフィール】
あおえ せいいちろう
1984年、千葉大学大学院園芸学研究科農芸化学専攻・修士課程修了。1984年、雪印乳業株式会社入社、1989年、千葉大学大学院自然科学研究科博士課程修了(社会人入学)、農学博士を取得、2003年、大妻女子大学家政学部助教授、2007年より大妻女子大学家政学部教授。食物繊維の機能性、消化管機能、メタボリックシンドロームなどをテーマに研究。日本食物繊維学会副理事長。2007年、日本栄養改善学会・学会賞受賞、2008年日本酪農科学会・学会賞受賞、2010年、日本食物繊維学会・学会賞受賞。

 

 

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※この記事は「月刊マクロビオティック」で連載しています。