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『月刊マクロビオティック』6月号おすすめ記事

イギリス・オックスフォードで、GLP-1(食欲を抑えるホルモン)を研究していた糖尿病専門医が肥満治療を語る

「どうして世界中に肥満が増え続けているのか?」

 

 

糖尿病治療への想い

編集部:重藤先生が食で心がけているのはどのようなことでしょうか?

重藤:独身の頃は、かなり厳しい食事法を試したりしていましたが、妻と子どもができてからは、かなり緩い食事になっています。それでも料理のほとんどが材料を切って、蒸す、焼く、煮るなどして、簡単に味付けしただけの加工度の低い食品を摂ることを心がけています。
 一方で、痩せたい人には避けたほうがよいと指導しているパンや麺を家族で食べたり、誕生日などにはケーキを買って、子どもと一緒に食べたりもしています。食品の選択も大事ですがそれ以上に、食にこだわり過ぎず、心のバランスを大切にしています。
 最も大切なのは、食べることができること自体に感謝して楽しく食事をいただくということです。好きな人と一緒に楽しくいただけば、脳もストレスを感じることなく満足度が高まって食べ過ぎが防げます。逆に、どんなに体に良い食材を揃えても、ストレスを感じながら食べると脳も満足せず、栄養の吸収もうまくいかず、病気になってしまいます。厳しい食事法の指導者が早死するのは、こだわり過ぎ、頑張り過ぎが原因でしょうね。何事も中庸の精神と柔軟性が大事です。

編集部:重藤先生が医師になられた経緯とその後の経歴を教えてください。

重藤: 両親が2人とも医師でした。いずれも代々、医師の家系なので、プレッシャーはすごくありましたね。一時は反発した時期もあり、ずいぶん心配をかけましたが、一浪して医大にギリギリで合格しました。入学してから腹を決めて勉強し、成績がトップだった時期もあります。
 卒業後、京都で研修し、大学で研究するなどした後、千葉の亀田総合病院でも診療しました。その後、オックスフォード大学に客員研究員として参加し、GLP-1 の研究が認められて正研究員として給料をもらうようになりました。

編集部:帰国後にダイエットクリニックを立ち上げたのはなぜですか?

重藤:医師になって2年目のときに、脳梗塞や心筋梗塞になって、救急に運ばれてくる人をたくさんみて、こうい病気は一度起こってしまうと完全に治療するのは難しく、予防するしかないことを痛感しました。そこで、全身に様々な病気を惹き起こす糖尿病を治療することで、少しでも病気を減らしたいと考え、また、救急と終末医療に燃え尽きかけていたこともあって、3年目から母校の糖尿病・内分泌内科に入りました。そこで、GLP-1 の研究もはじめたわけです。
 GLP-1 は、単独で低血糖のリスクがなく、糖尿病治療として非常に有益であるうえ、充分な量を投与すれば、食欲が抑えられ、体重が減らせる夢の薬として臨床でも使われているのですが、製剤が高価ということもあって、保険診療では使う場面が限られます。しかし、アメリカなどでは糖尿病はもちろん、肥満に対する治療薬としても承認されており、日本でも、自費診療で使えるようにしたいと考えました。開院して2年近くになりますが、皆さんGLP-1 の食欲抑制効果により、楽に食習慣を変えることができています。
 生活習慣を見直すのは早いほうがよく、糖尿病になる前のほうが効果は高くなります。自費診療ゆえ経済的負担は大きいですが、公的医療費を使うことなく病気の予防をして将来の医療費を減らせるので、社会的にも貢献でき、また、根拠のない食事法やリスクの高いダイエット薬を使って健康を害している人たちの助けになればと今の治療を始めたわけです。

 

病気にならない意識

編集部:世界的にみて日本の医療をどのように感じていますか?

重藤:日本の医療は世界でトップレベルだと思います。質、受診のしやすさ、費用を指標として評価するのですが、訴訟対策のために医療費が高額になり、結果、受診が難しいアメリカなどと比べ、保険により安い治療費で医療機関数が多く、ある程度高いレベルの治療を誰もが受けられる国、それが日本です。
 世界的にみても恵まれていると思います。実際、私の子どもはイギリスで生まれたのですが、出産にかかる費用は無料でした。しかし、待ち時間は非常に長かったです。
 また、イギリス人医師はあまりの忙しさに堪え兼ねて海外へ行ってしまい、イギリス国内はほとんどがインド人の医師でした。友人のインド人医師をみていても、給料は高いけれどその負担に見合ったものではなく、日本の公的病院の医師以上に過酷な労働環境の中で、身を削るような生活をしていて心身ともにボロボロでした。そんな環境では質の良い治療は望めません。

編集部:そんなに恵まれた日本でも、医療費が増え続け、患者が減らないのは何故だと思いますか?

重藤:皆保険の恩恵で、病院に行けばなんとかなる、気軽に行けるということもあるのではないでしょうか。日本の病院はある意味コンビニエンスストア化しています。24時間だれでも利用できるわけですからね。コンビニ受診という言葉もあるぐらいです。

編集部:病気にならないようになるために何が必要だとお考えですか?

重藤:何より自分で病気にならないようにする意識が必要だと思います。そのためには自分が食べる物についてよく考えることです。国の政策レベルでも変えていく必要があると思います。
 良い例が砂糖税や肥満税ですね。砂糖が添加された食べ物や飲料に対して課税するものです。メキシコやアメリカ、アジア各国ですでに実施されています。WHO( 世界保健機構)も砂糖を控えるようにと指針を出しています。

編集部:砂糖は麻薬みたいなものだとよくいわれますね。

重藤:植物の成分を精製して粉にし、体に入れると快感がある点で、本質的には麻薬と同じものだと思います。また、動物性の脂肪も脳に快感を与え、摂り過ぎると依存性があるといわれています。この2つを控えるだけでもかなり健康度が上がります。脳が悦ぶ食事をすることは重要ですが、砂糖と動物性脂肪は脳に過剰な快感を与え、返って悪影響を与えます。「陽極まりて陰」となるわけです。

編集部:それはまさに欧米食と一般にいわれているものですね。

重藤:私はアメリカやカナダにも仕事で行きましたが、食事はとても馴染めるものではありませんでした。アメリカは建国して240年ほど経ちますが、国の伝統食らしきものはなく、ピザやハンバーガーが国民食だと感じました。どこへ行っても大規模チェーン店が多く、加工食品の塊のようなものを大量に食べています。大陸文化なのか、どこへ行っても同じようなチェーン店が出店しており、言うなればのっぺらぼうな食文化でした。その点、日本は島国なのにそれぞれ地方で食文化が違いますね。これは多様性がある豊かで素晴らしい食文化だと思います。

編集部:そんな日本であっても、医療費は増え続けるばかりです。

重藤:まずは日本人の意識を変えることが必要です。世界的にみて日本人は集団への依存度が高く、自立していない人が多いと感じます。テレビが言うことを信じて鵜呑みにし、飽きたら次のことを信じることの繰り返しです。それと、医者の私が言うのもなんですが、医者の言うことをそのまま信じてはいけません。つまり、考える訓練、疑う訓練が必要だということです。良い言い方をすれば集団性が高い民族とも言えますが、結局、誰かが助けてくれるだろうという依存度が高い国民性であるように感じられます。
 自分自身、海外で生活してつくづく思ったことは、何事にも疑う思考が身に付いていないことでした。世間一般の大体のことは嘘です。それは疑ってよく考えればわかることなのです。考えることをしなくなると、思考能力が麻痺して流されます。言われたことだけしかできなくなり、労働生産性が低くなります。健康についても健康を失うと何もかも失ってしまうと考え、自己管理する海外の人たちと比べ日本人はどこか人任せなところがあるように感じます。

 

完璧を目指さない

編集部:マクロビオティックについてはどのように考えていますか?

重藤:私も穀菜食を推奨している手前もあり、マクロビオティックはかなり食事療法の本質に近いと考えています。ただ、方法論に固執し、食べ物にこだわり過ぎてしまう方が多いように思います。塩の摂り過ぎや酸化した油を摂っているのも心配です。何より、眉間にシワを寄せて「あれは極陰性だから食べてはいけない。これは避けたほうがよい」と文句を言いながら食事するより、もっと食べることそのものを楽しんで欲しいですね。真面目も良いですが、過ぎれば逆に病気になります。
 それから、完璧を目指さないことでしょうね。いくら有機農法だといっても100%安全な食べ物はありません。野菜や穀物には自分を守る毒素があります。それをどこまで許容できるかの違いに過ぎません。穀菜食は科学的に寿命を伸ばすことがわかっており、環境にも優しく、代謝の面でも効率がよいので、大まかな方針として意識するくらいでよいと思います。よりよく知って楽しく感謝して食べること。それをサポートしていくのが私の信条です。

編集部:重藤先生、本日はどうもありがとうございました。

 

重藤誠 / しげとう まこと

医学博士。日本内科学会認定内科医、日本糖尿病学会認定糖尿病専門医。亀田総合病院、オックスフォード大学正研究員などを経て、2016年9月に開院。GLP-1に関する論文が国際科学雑誌に掲載されるなど、業績多数。国立滋賀医科大学の客員講師も務めている。

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