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『月刊マクロビオティック』8月号おすすめ記事

木野正人氏インタビュー

「ダンスを変えたマクロビオティック」

 

このたび、マクロビオティックを実践する元アイドルグループ「CHA-CHA(チャチャ)」の木野正人さんにインタビューする機会をいただきました。

木野さんは1986年に17歳でジャニーズ事務所に入り、少年隊や田原俊彦のバックダンサーを務め、1988年にアイドルグループ「CHA-CHA」でレコードデビューしました。木野さんは歌とダンスでファンを魅了していましたが、1990年に脱退し、グループも1992年に活動を終了しました。

木野さんが脱退したのは、マイケル・ジャクソンのバックダンサーになる夢に向かって、アメリカへダンス留学するためでした。残念ながら、アメリカで数々の実績を重ねるも夢は叶いませんでしたが、2007年にマイケル来日の際に開かれたマイケル・ジャクソンVIPパーティーでパフォーマンスを披露し、マイケル本人から称賛されます。日本では田原俊彦の振付やステージングを担当する他、フォームメカニズムのオリジナル理論によりプロ野球選手やJリーガー、プロゴルファー等を指導されていました。歌と踊りで構成するソロパフォーマンスライブを開催するなど、49歳の現在も一流のパフォーマンスを披露されています。今回は木野さんに体と運動、食の関係についてお話を伺いました。

編集部

 

マクロビオティックとの出合い

 

編集部:マクロビオティックとの出合いは、どのようなきっかけがあったのでしょうか?

木野正人(以下、木野):僕はパフォーマンスをより良くするにはどうしたらいいかを常に追求しているので、西洋のスポーツ栄養学などを中心に勉強していました。マクロビオティックを知ったのは2003年くらいで、たまたま長野でダンスクラスを開いたときに、スタッフでもあった生徒から教えてもらいました。これは面白いって思いましたね。資料をもらったりして興味が湧いてリマ東北沢店(2014年7月閉店)にも行って本を買ったりしました。

編集部:マクロビオティックを実践されて、何か変化を感じたことはありましたか?

木野:それまでは、具合が悪くなったら薬を飲んだりお医者さんに診てもらったり、それがベストだと思っていましたが、マクロビオティックを知って価値観がガラっと変わりました。

編集部:2003年からすぐに玄米食を始めたのですか?

木野:はい、すぐに玄米を食べ始めました。基本的に自分で炊くのは玄米でしたね。

編集部:ご自身で玄米ごはんを炊かれたのですね。

木野:当時は炊飯器でしたが、今は圧力鍋で炊いています。僕は電磁波がダメで、携帯電話を耳に当てていると頭が痛くなっちゃうし、電気自動車にも乗れない。父親が電子レンジを使っていると逃げますね( 笑)。
 もともと嗅覚とかは敏感だったようなんですが、気づかなかったですね。CHA-CHA の頃も、整髪料をつけた時に頭痛がしたり、顔が腫れたりしていたんですよ。自分にしか判らないような不調ってありますよね? 例えば頭痛がする、胃がもたれるなどを結構感じていたのですが、それがマクロビオティックを教えてもらった時に「自分は正常反応してるんだな」と思ったんです。
 コーヒーとか熱帯産のものも結構食べていたので、それでこういう反応が出てくることがわかって、そのあと、動物性をやめたらコーヒーはいらなくなりました。

編集部:みなさん、コーヒーや焼肉が好きですよね。

木野:好きですね。僕も完璧に肉派でした。小さい頃から魚が苦手で、生臭いものとか、乳臭い系統もダメでしたね。昔はホットミルクが良いと言われて無理して飲んでいましたが、吐きそうでした( 笑)。

 

マクロビオティックで変わったこと

 

編集部:CHA-CHA を辞めてアメリカへ行かれた頃は、まだマクロビオティックは知らなかったんですよね?

木野:はい。ただ、体に良いものは常に求めていました。でも食を変えるという意識はまだなかったですね。

編集部:マクロビオティックを知ってから、ダンスに変化はありましたか?

木野:パフォーマンスを高めるということは、テクニックはもちろんですが、食べるということもトレーニングのひとつで最も重要だと思います。マクロビオティックの食事に変えてから息切れしにくくなりました。それから血管に負担をかけない楽な感じがします。
  動物性を摂っている時は、血がドロドロになってそれを流したいと思うから水をガバガバ飲みたくなるんですが、今はステージではほとんど水を飲みません。昔は必ずペットボトルに水を入れて持っていないと不安だったんです。

編集部:精神的にはいかがでしたか?

木野:落ち着き度が増して楽でいられますね。どうしてもイライラする時は、体にストレスがかかっていますからね。体調も普通の人と比べると崩れにくいと思います。例え崩したとしても大きく崩れなかったり、長引かなくなりました。パフォーマンスは自分をどう操れるかですから、コンディションは一番大切です。

編集部:陰陽という考えをどのように生かされているのでしょうか?

木野:どんな動きでも自分の体の中心を作るのですが、中心に陰と陽を集めてくるんです。それこそ中庸です。陰性過ぎてもダメで、陽性過ぎてもダメで、中庸というのは上と下の真ん中ではないんです。最初は筋肉をコントロールするので自分だけの問題だと思っていたんですが、遠くと結ぶと集まりやすくなるんです。
 もっと言えば、無 む)とか空(くう)は、無いとか空(から)でなくて、中心にしっかり力は入っているけど、周りは抜けている状態なんです。「力を抜け」と言いますが、本当に力が抜けていたら動けないですよね。だいたいダンスの先生は形を言うんです。理想的な形があって「首をこうして!」「腰をこうして!」と指導するんですが、外見だけでやっているから限りなく本物に近い偽物でしかないんです。中心をどこの位置に持っていくかによって、動きが変わってくるんです。

編集部:ダンスに陰陽を取り入れたことで本物になったということですか?

木野:そうです。インナーマッスルを使って中心を作ることは教わっていましたが、マクロビオティックで陰陽を教わって、すべてに関して陰陽で考えていったら腑に落ちたんです。物理的にも小さい範囲で集めるよりも遠くと結んだ方が、スポットが小さくなりますよね。だから、やっぱり陰陽なんだなと感じていますね。それを自分の体の中だけの問題として捉えるか、宇宙の空間のエネルギーとして捉えるか、大地も宇宙なんですよね。上も下も宇宙なので、大きく捉えて持ってくるということですね。

編集部:考え自体が変わったのですね。

木野:昔から僕を見てくれていたトレーナーは、「できていた」と言っていました。ただ、自然にできていたというだけで認識がないんですよ。どの世界でも一流の人は感覚がいいのでできてしまうのですが、理屈が分かっていないからムラがでちゃうんですよね。

編集部:天才肌の方は、はじめからできてしまうんですね。

木野:そうです。どっちが大事かというと、そちらが大事だと思うんです。感覚がない人に一生懸命教えても限界があると思うんです。感覚で「こんな感じでしょ?」ってやっちゃう人のほうが伸びしろがあると思います。そういう人が理屈を勉強したらすごいと思いますね。
 それからは、何でも応用できると思ったんです。自分でやったことがないスポーツでも、どうしたいのかを聞いて「重心の位置を動かさないようにするとできるよ」と指導できるようになったんです。これまでに、野球選手やサッカー選手や、バスケットボールの選手、ゴルファーの方にお伝えしたことはあります。

編集部:スポーツといえば、木野さんは高校球児だったそうですね。

木野:15歳までは野球をやっていて、17歳でジャニーズ事務所に入りました。その頃の僕を知っている人は、きっと
プロ野球の道に進むと思っていたと思います。ですから、トップアスリートの体の使い方などはよく観察しますね。 ただ、3次元というか、体の中を使うという習慣は、ほとんどの方がないですね。羽生結弦くんとかトップアスリートで自然にできちゃっているという方はいます。でも、いつも調子がいいわけではないので、調子が悪いときに「いつも通りにやっているのに、おかしいなぁ」ってなってしまうんです。

編集部:重心がずれているんですね。

木野:はい、そうです。それは筋肉疲労だけではないですね。僕の経験上、マクロビオティック的に言うと、食べ物ですね。食べ物で筋肉が固くなったり柔らかくなったりするんです。せんべいやクッキーなどの焼いたものは、お腹が詰まって張って、使えなくなります。そうなると腰が痛くなります。好きだから食べちゃうんですけどね( 笑)。

 

 

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