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『月刊マクロビオティック』9月号おすすめ記事

作田英成医師に聞く

「老い」を遅らせる食べ方ー健康は一日にして成らずー

 

 昨年10月、作田英成医師の著書、「『老い』を遅らせる食べ方」( 幻冬舎ルネッサンス新書)が発刊されました。作田先生は10年間で1万本以上もの英文論文をまとめ、この著書はそのエッセンスともいえます。どの論文が正しく、信頼性があるのかを取捨選択するのを含めると、1万本の数倍もの論文に目を通されたことでしょう。
 この著書の元となる総説の多くは日本防衛衛生学会会報誌「防衛衛生」に掲載され、2007年自衛隊仙台病院副院長時代から、自衛隊中央病院総合診療科部長を経て、現在も発表され続けています。膨大な論文をまとめたことで作田先生はある結論に辿り着きました。それは健康になるためには根拠ある食様式(和食、洋食などの食スタイルのこと)を実践するということです。今回は、どのような食様式がいいのかについてお話を伺いました。

編集部

 

膨大な論文の集大成

 

編集部:本日はお越しいただきありがとうございます。まず、作田先生の著書「『老い』を遅らせる食べ方」を執筆された思いをお聞かせください。

作田英成医師( 以下、作田): 私はここ10年ほどの間、食事などの生活習慣と健康の関係についてその都度まとめて公表してきました。2007年、自衛隊仙台病院副院長に赴任し、その時から「生活習慣と健康」に関する総説を書き始めました。そうした総説を一年間に10本のぺースで書きました。 
 最初のテーマは「ナッツと健康」でした。最近では「水素と健康」についてを書きましたが、それが10年で100編となりました。還暦も近づき、この辺りで一区切りつけたいと思って本を出しました。

編集部:総説とはどのようなものですか?

作田:総説とは多数の論文をまとめたものです。内容の濃さにもよりますが、ひとつの総説を書くのに、大体100本ほどの英文論文を読むわけです。ですから、少し大げさですが、私が書いた本は生活習慣と健康に関して、私がここ10年で読んだ論文1万本の集大成と言えます。この本の特徴のひとつは引用文献が多いことです。

編集部:今、数えたらなんと!667もの文献が巻末に紹介されていました。

作田:中には重複しているものもありますが、新書には珍しく数多くの引用文献を示しています。
 世の中には根拠なしに手前味噌な説を唱える人が多くいます。私は昨今流行の「根拠なしに唱えられている二つの大きな誤った教義」として「糖質制限食( 低炭水化物食=LC食)」と「商業的サプリメント」を挙げています。それらを批判したいということも本書を書く動機になりました。

編集部:著書のタイトルが「食べ方」になっていますね。「生き方」ではなく、なぜ「食べ方」にされたのでしょうか?

作田: 始めは「老いを遅らせる食べ物」と考えていました。それを「食べ方」に変えたのは、単に野菜や食物繊維を食べるべきだというだけではなく、「健康的な食様式」をとるべきで、「不健康な食様式」やサプリメントはやめるべき、そして、食べるタイミングも重要だからです。

編集部: 食べるタイミングも大切ですね。たしかにタイミングは食べ物ではありません。

作田:老いを遅らせるためには食べるタイミングの他、運動をすること、生命が本来持っている体のリズムに合った生き方をすること、軽いストレスに慣れるということも重要だと思っています。
 実際、私がこの10年に書いた100本の総説にはそれらの「生き方」に関するものも含まれています。本書にもいたるところで運動や概日リズムの大切さについて書いています。

 

健康意識と食様式

 

編集部:作田先生が医師として取り組んでこられたことについて教えてください。

作田:定年退官するまで自衛隊中央病院の総合診療科部長として診療、研究、教育、健康管理に携わってきま
した。専門は内科、内分泌代謝で、特にこの間、病気になってから治すよりも、最初から病気に罹らないようにする、つまり予防の大切さということを意識してきました。
 内科の医師として予防に取り組んでいるということは、すなわち、食事を含めた生活習慣を改善して老いを遅らせるということでもあります。

編集部:作田先生の目には、今の日本人の健康意識や現代の食生活はどのように映っているのでしょうか?

作田:今の日本には安易に健康を得ようとする風潮があります。単品ダイエットやサプリメントに頼るのはよくありません。健康に良いという科学的根拠もないのに、宣伝に踊らされている方が多くいます。肉やお菓子の食べ過ぎをサプリメントで帳消しにすることはできません。単品ばかり摂っていて健康に良いはずがありません。植物性化学物質はサプリメントからでなく、疫学的証拠が示されている食物繊維が多く含まれている食品や健康的な食様式から摂ればいいのです。

編集部:作田先生が仰るように、日本でもサプリメントが増えていますね。

作田:日本人はアメリカ人に比べて安価に医療を受けることができます。しかし、今日、日本人はこのメリットを濫用しているかもしれません。例えば心筋梗塞になってから高価なステントを留置されるより、最初から心筋梗塞にならないよう、健康的な食様式をとるべきです。骨折してから骨を強くする高価な注射をするより、最初から転ばないように筋肉や骨を維持できるよう、運動を心がけておくべきです。

編集部:健康的な食様式といっても、日本人に合っているものと合わないものがあるのではないでしょうか?

作田: 体質には人種差があります。食事についていえば、アジア人に向いた食事と西洋人に向いた食事というものがあります。アジア人には炭水化物が多めの食事が合っているのです。アジア人は食事を炭水化物の多いアジア食から脂肪の多い西洋食に変えると血糖が悪化します。
 しかし、西洋人は食事をアジア食から西洋食に変えても血糖は悪化しません。アメリカでアジア系の糖尿病羅病率が著しく高いのはこのためです。

編集部:アジア人は西洋人に比べて血糖が悪化しやすいのですね。

作田:肥満の基準はアジア人と西洋人で異なります。アジア人はBMI( Body Mass Index =体格指数)25以上なら肥満ですが、西洋人はBMI30以上が肥満です。これはアジア人では肥満により内臓脂肪が増えやすいことを示しています。肥満はメタボリックシンドロームや老化を促します。しかし、メタボ健診( 特定健康診査)は肥満に重きを置き過ぎ、太っていない人に免罪符を与えています。太っていなくても血糖や血圧、悪玉コレステロールが高ければ健康に注意すべきです。

 

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