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Home月刊マクロビオティック > 抜粋記事〜今月のおすすめ記事

『月刊マクロビオティック』7月号おすすめ記事

健一自然農園 伊川健一代表が語る

薪火晩茶のこだわり 人と自然の「健やか」に貢献する

 

当協会発行の人気フリーペーパー「ライフ イズ マクロビオティック(通称LM)Vo.18」にて薪火晩茶(冬摘み)を特集しました。マクロビオティックを実践する多くの方に常飲茶として飲まれている三年番茶。今では多くの商品が販売されていますが、その中でも栽培方法と製造方法にひと際こだわりがあるのが「薪火晩茶」と言えるかもしれません。そのこだわりを生産者である健一自然農園の伊川健一代表にお尋ねしたところ、熱い回答をいただきましたので皆様にご紹介します。

 

 

産地は大和茶で名高い奈良県

 

薪火晩茶の茶畑は、昔からお茶の産地として有名な奈良県の東北部に位置する大和高原にあります。北部には標高200〜500mの高低差が緩やかな山地、南東部には標高400〜1000mの起伏が険しい山地、西側・東側には盆が
あり、朝晩と日中の寒暖差が大きい大和高原はミネラル成分が豊富な粘土質の土壌で、美味しい茶葉が育ちます。

 

緑のジャングル

 

皆さんは、お茶畑と聞いてどのような風景を思い浮かべますか?綺麗に刈り揃えられた蒲鉾(かまぼこ)型のお茶畑や、真っ平らな緑のじゅうたんを広げたようなお茶畑をイメージされる方が多いのではないでしょうか。実は、薪火晩茶の茶畑はまるで緑のジャングル。薪火晩茶の茶畑を見て、これが茶畑と気づく方はとても少ないです。

日本のほとんどの茶畑は、なぜそのような形になるのでしょうか?それは、栽培方法と収穫方法に起因します。一般的な産地では基本的に一年に3〜4回、機械で茶葉を収穫し、さらに整枝機(せ いしき)で2〜3回茶木の剪定(せんてい)を行います。これらの作業のことを茶農家の言葉で「鋏(はさみ)を入れる」と表現します。一般的な茶畑では、春から秋にかけて一年に5〜7回鋏を入れて栽培管理されているため、その過程で蒲鉾型や緑のじゅうたん状の茶畑になるのです。

一方、薪火晩茶の栽培工程は、秋摘みは一年に一度、冬摘みは三年に一度しか鋏を入れません。冬摘みは三年に一度の鋏を入れる瞬間が収穫を意味します。

「冬摘み」は、春から夏にたっぷりと浴びた太陽のエネルギーが十分に蓄えられた冬に収穫します。つまり、一般的な茶畑では、三年間でおよそ9〜12回の収穫を行うところ、薪火晩茶(冬摘み)は1回のみということになります。3年に一度だけ収穫されたお茶は、もはや茶葉と表現できない、言うなれば「茶樹」と呼んだ方が相応しい状態になってます。短めのものでも1・2mくらい、長いもので大人の身長ほどに育ったものを収穫します。まさに三年分の凝縮した生命力をいただく想いです。

 

焙煎してからも長期熟成

 

「冬摘み」の加工工程ですが、まずは茶工場に搬入された人の背丈ほどある茶樹の選定をします。咲き終わったお茶の花や茶の実の殻、絡まった蔓(つる)などがあれば、一つひとつ手作業で外します。非常に根気のいる作業になりますが、この茶樹が越してきた三年分の春夏秋冬に想いを馳せながら行います。

次に、細かく刻むチッパーや選別機を用いて葉と茎、太めの茎の三種類に丁寧に分けます。選別された各部位からは、酵素の働きにより甘い香りや爽やかな香りが漂ってきます。

続いて、各部位ごとに回転式の薪釜に投入し焙煎していきます。その日の温度や湿度、茶樹の状態等々の因子に五感で対応しながら製茶を進めていきます。立ち上る煙と出来上がりの香りを合図に、一気に釜から出します。この瞬間はとてもドラマチックです。

冷ました後にお茶用保管袋に入れ、冬摘みは常温で6ヵ月以上熟成させます。この時間の中で味わいは深くなり、ほのかにあったクセも取れて美味しくなります。出荷前に薪火でもう一度焙煎します。この二段焙煎を行うことで、より深く火を入れることができ、香りが良くなり、出来上がりの均一性も確保できます。

こうして薪火晩茶( 冬摘み)が出来上がります。

 

私たちの役割

 

収穫し終わると、ジャングルだった茶畑は一気に高さ30pほどのお茶の幹だけが残る風景になりますが、そのようなモノトーンの畑も、初夏にはまた元気に新芽が芽吹き、3年後(畑によっては4〜5年かかる場合も)に再び人の背丈ほどの茶樹に育ちます。大自然の生命力を感じさせられる瞬間でもあります。

農薬・肥料を使用しない栽培方法においての私たちの役割は、生えてくる無数の草を適切に管理しながら豊かな土壌を維持しつつ、お茶の木が自然に回復し育つのをサポートすることです。例えば、宿根草(しゅっこんそう)と呼ば
れる、長くはびこりお茶の木の日照を奪うような植物は根っこから取り去り、茶畑の地表を覆う様に広がる柔らかい草は根っこからは抜かず、かつ伸び過ぎないように上部のみを定期的に刈って土を生かす働きをさせるように管理するなど、試行錯誤を繰り返しながら毎日茶樹と向き合っています。

 

私たちのこだわり

 

薪火晩茶を作るにあたって私たちがこだわっていること。それは、「人と自然の『健やか』に貢献すること」です。この薪火晩茶の一番の魅力は、何と言っても身体を芯から温めてくれることです。そのことで人の健やかの役に立つことが、薪火晩茶と我々の役割だと感じています。

そのために、次の3つのことを大切にしています。
@いくら寒さが厳しくとも冬季に必ず収穫する
A幹の部分が人差し指の太さに育つように、3年で足りないときはさらに数年生育を見守る
B薪には周りの里山や雑木林の間伐材を用いる

間伐材はとても火持ちが良く、熾火(おきび)( 薪が燃えたあとの赤くなったもの)がきれいに出来上がるため、遠赤外線がたっぷり発生し、絶妙な塩梅で焙煎することが出来ます。また、間伐材を使うことで荒れていく森林に整備の手が入り、徐々に本来の森林や里山の機能を回復させることに繋がっていきます。森林や里山が荒廃すると、獣害の拡大、景観の悪化、土砂災害の温床、水源地の喪失等、たくさんの課題が生まれてしまうからです。

 

薪火晩茶は煮出しがおすすめ

 

このようにして生まれた薪火晩茶(冬摘み)は、封を開けた時には茶樹からなんとも言えず懐かしい焚火を囲んだときに漂う香りがします。そして厳しい冬の季節、薪によるダイナミックな焙煎風景では想像に反して、とても優しい味わいが特徴です。基本的には煮出すのがおすすめで、幹の内部からじっくりお茶の成分を抽出することができます。

さらにこだわった煮出し方は、やかんの中で茶樹を浸けたまま一晩置いて朝に炊き出すと、なんともマイルドでまろみのある味わい深い一杯をお召し上がりいただくことができます。ぜひ一度お試しいただけたら幸いです。

※夏などの暑い時期は煮出したあと粗熱を取り、冷蔵庫で冷やすと香りを逃がさずおいしいお茶ができあがります。

 

いかわ けんいち

1981年生まれ。「何のために生きるか?」15歳で問いかけ、自然農法に出会う。高校に通いながら、自給的な自然農を学ぶ。卒業後、大和高原で就農。村人と普通に自然な農業を語り合える日をイメージしながら15年。自然茶の安定生産と、雇用の確立。ビジョンを語り実行することで、その想いはさらに広がる。2015年は慣行栽培の地元有力農家も合流し、農園規模は大和高原に40箇所、10ha以上。農業・ものづくり・教育・観光・環境、そして福祉・医療へと、社会を構成する様々な分野と縁を強めて「自然調和型循環地帯」づくりに邁進している。

健一自然農園
HP:http://www.kencha.jp
Facebook:
https://ja-jp.facebook.com/kenichishizennouen

 

 

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