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『月刊マクロビオティック』9月号おすすめ記事

世界のチェリスト 藤原真理氏に聞く

自分の軸をいかに育てるか

 

経験の積み重ねで変化する音

 

編集部:長くチェロを弾いていて、昔と比べて変化していることはあるのでしょうか?

藤原:今思うと、昔は少し力任せ的な弾き方をしていたかもしれません。それも今だからそう思っています。当たり前のことかもしれませんが、体力からみても昔と同じ弾き方はできないし、またその必要もないわけです。だって、長い経験の中で基礎的なことは身についているわけですし、その経験が音に表れているのですから。 
 1984年にバッハの無伴奏チェロ組曲をレコーディングしました。30年後の2014年に同じ楽曲を再レコーディングしたのですが、比べてみるとやはり表現の仕方も変わっています。自分自身が変化しているわけですから、まったく同じ音というわけにはいきません。

編集部:30年振りに同じ楽曲をレコーディングするというのもすごいことですね。多分、クラシック音楽にうとい私が聞き比べても違いはわからないと思います。

藤原:このことは食べ物に例えるとわかりやすいのではないでしょうか。例えば、子どもの頃は苦いものや酸っぱいものは好みませんが、大人になるにしたがっていろいろな経験を積むと、苦いものや灰汁の強いものでも好んで食べられるようになってきますよね。音楽家でも同じことがいえるのではないでしょうか。人生経験を積んでいくと出す音が違ってきますし、表現も変わってきます。

編集部:トレーニングで体を整えていても体力を維持するのはなかなか大変なのではないでしょうか?

藤原:確かにおっしゃる通りです。若いときは体力もあり回復も早かったのですが、今はそうはいきません。今は練習したら少し休憩するようにしています。また、マッサージして回復させる工夫もしています。そんなことをいろいろ繰り返していくと、「こうするとこうなる」みたいな経験値が増えていくので、自分の体のことがよくわかるようになり、うま
く付き合っていくことができるようになってきました。ジムだけではなく野口整体(※)にも通っていますよ。野口整体での教えや経験は今も取り入れています。

編集部:具体的にはどのようなことでしょうか?

藤原:「人間の体には賞味期限はない。楽器を弾くときも新しい回路を作ればいい」と仰っていました。初動動作とか筋肉の使い方とか、今までのやり方だけではなく、あえて意識を変えて、ちょっと変化をつけてあげることで新しい回路が生まれるということです。そうすると同じ筋肉ばかり使うことなく、体全体でバランスをとりながら弾くことにつながるという意味だったのだとわかりました。チェロは左手の方が右手よりもよく使うわけですが、左手ばかりに集中すると意識も筋肉も偏ってしまいます。人間の体って左と右もあるし、表と裏だってある。そうやって全体のバランスを考えて意識を変えることで新しい回路が生まれ、体本来の自由が生まれてその結果、体が整っていくのだと思います。だから年を重ねても工夫次第でよりよく体を使うことができますし、体力も維持できるようになっていると感じますね。

 

太く柔軟な軸をもつ

 

編集部:演奏で気をつけていることはどのようなことでしょうか?

藤原: 会場によって音の響き方が違います。オーケストラ用の大ホールと室内楽の部屋での違いは明らかです。場所や季節によっても変わるでしょう。でも、違って当たり前なので、その違いにいかに自分の軸を合わせられるかが大切になってきます。その軸があるからこそ、その場の環境に合わせることができます。頑固すぎてもよくないし、ある程度の柔軟さを持った物差しのようなもの、と言ったらよいのかもしれませんね。
 その物差しは結構頻繁に調整が必要なのです。物差しをうまく使うために、体もよりよく使わなければなりません。その結果、どんな環境においても音がよく通るようになっていきます。音は波長で伝わりますから、聞き手にもダイレクトにつながります。奏者によって体を上手に使っている音の方が、よく伝わるのは間違いありません。

編集部:音楽を聴いていると気持ちよくなるという感覚なのでしょうね。

藤原:食事も質の良いものだけ食べていればいいというわけではないと思います。ある範囲内で体が整っていれば、多少どんな食べ物を摂っても大丈夫なことがいいのではないでしょうか。人間の体というものは本当によくできていると思います。とはいっても欲にまかせて食べ過ぎるのはいけないですけど。
 演奏会でも体調のバランスがよく現われるので気をつけています。そうはいっても現実にはいろいろなことが起きるので、やはり軸を太く、なおかつ柔軟にするようにしています。

編集部:日々の積み重ねが大切ですね。

藤原:私はプライベートとオフィシャルの使い分けをあまり区別しないように意識しています。いつもできるだけ自然体にいられればよいのではないでしょうか。いつも自分をよりよい状態になるようにすることです。気分転換などの気晴らしも必要です。心が乱れていると、音も変な音になりますからね。そいうときはおいしく食べて、温かくして、よく寝るとリセットできるのです(笑)。

編集部:これからもますますのご活躍を願っています。

藤原:私は大阪生まれですが、北海道が好きで、定期的に訪れている場所があります。そこの小学生の子どもたちに音楽を通じていろいろなことができたらと思っています。現地の方々と音楽を通じて交流ができたらと思っています。ぜひ読者のみなさんも機会がありましたらクラシック音楽に触れてください。「この曲いいな」って感じてもらえると嬉しいです。みなさまが、ご自身の軸を育てていかれることを願っています。

( ※ )野口晴哉が提唱した整体法。活元運動、愉気法、体癖論から構成される。

藤原真理/ふじわら まり

1959年、桐朋学園「子供のための音楽教室」に入学、以後15年間斎藤秀雄に師事。71年、第40回日本音楽コンクール・チェロ部門第1位および大賞を受賞。その後フルニエ、ロストロポーヴィチ両氏に師事。78年、第6回チャイコフスキー国際コンクール第2位受賞。以後名実ともに日本を代表するチェリストとして国内外で活躍し、2019年に演奏活動40周年を迎えた。2014年10月、ナクソス・ジャパンよりリリースのJ.S.バッハ無伴奏チェロ組曲新録音「J.S. Bach 6 Suites aVioloncello solo senza Basso」は、レコード芸術誌特選盤に選ばれるなど大好評を博す。

藤原真理オフィシャルサイト
http://www.mari-fujiwara.com

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