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『月刊マクロビオティック』2020年新年号おすすめ記事

新春企画 講師座談会

クッキングスクール リマの役割

座談会メンバー(敬称略):岡田英貞(クッキングスクール リマ校長) 角元康代(講師) 
森騰廣(専任講師) 大島弘鼓(名古屋校主宰・講師) 高桑智雄(桜沢資料室室長・講師)

 

2020年1月号の新春企画として、クッキングスクール リマ講師の方々にお集まりいただき、座談会を開催しました。リマで学ぶ受講生のみなさんのこと、マクロビオティックの伝え方の昔と今の違い、そしてマクロビオティックやクッキングスクール リマへの想いなど、普段なかなか聞けない話を聴くことができました。

編集部:本日はお集まりいただきましてありがとうございます。
新春企画の座談会ということですので、ざっくばらんにお話をお願いします。

 

生徒さんについて

 

森:昔は病気からリマに通う方が多かったですが、8年〜10年前のピーク以降は、いろいろな情報から入ってくる人が増えている感じがします。中には「ブームだから」「お洒落だから」という人もいますよね。

角元:私が最近感じているのは、世の中には情報がたくさんあるし、日常忙し過ぎるし、不安になるし、自分をどこに置いたらいいか分からなくて、迷ってリマにたどり着いて「ここでやってみようかな」という生徒さんが多いように感じています。昔は体の調子が悪いから藁にも縋(すが)る気持ちだったと思いますが、今は漠然と不安なんだと思います。

大島:今は心の欠乏感を抱えている方が多いですね。何かを求めているけれど、具体的に何を求めているのか自分でもわからない、という感じです。「衣食足りて礼節を知る」という言葉があります。生きることに困っている人はいないのですが、生き方に困っている人が多いような気がします。自分に自信がない人とか、大きくなるまでにいろんなものを抱えてしまった人が多い気がします。
 マクロビオティックは東洋の叡智なので「東洋的なもので自分の心を揮ふるわせたい」「玄米や味噌汁でホッとした」というような心理的な要因で来ている方が多いのではないでしょうか。

角元:リマがやっていたレストランで飲んだお味噌汁がとても美味しくて、気持ちがふわっとしたからリマに習いに来た、という生徒さんもいらっしゃいますね。玄米を4〜5日食べ続けたら朝が早く起きられるようになったから習いたいとか、まだ確たるものがあるのではなくて、モワーっとした生活の中に、味噌汁を飲んだり玄米を食べた時に、一点の大きなインパクトを受けたことがきっかけだったりしますね。

大島:「考える」と「感じる」という言葉がありますよね。「考える」は頭で、「感じる」は心なんです。
 昔は頭を使って「この状態をなんとかしなくちゃいけない」と考えて来た人が多かったんですが、今は「なにかが不足している」と感じて来ている人が多いんだと思います。マクロビオティックには陰陽がありますが、陰陽=エネルギーで、エネルギーは「氣」なんですね。「なにかに触れたい」と深いところで感じた人が来ている気がします。

森:昔は調べたんですよね。どうしたら病気が治るのか、と私の場合はどうしたらマクロビオティックを学べるか本で一生懸命調べましたけど、今は「検索する」だから苦労がないんですよ。たぶんマクロビオティックに出合う前にいろ
んなものをされて来ているんだと思うんです。ただ、最初はベーシックTだけのつもりで来たという人が、食べて感じて、授業が面白いからと進級してくれる人も多いですね。

角元:最近ビックリしたのは、朝起きられないとか、体が冷えるとか、自分の体調が悪いとか、それさえもわからないという方が生徒さんにいるんです。朝、白湯を飲んで体を温めていたそうですが、朝にお味噌汁を飲むことを勧めたら、温まる効果の持続性が違うことに気がついてくれたんです。その生徒さんがベーシックUの時に「体調が良くなったみたい」と聞いてほっこりしました。

高桑:今後、そういう方が増えてくると思います。頭、つまりスマホなどの情報で育っていますから、経験していないので自分の体の原点を知らないんです。それが体に良いのか悪いのか、自分の体調が良かった頃があるから比較ができるんですよね。

岡田:今の人たちは、長いモラトリアム(大人になる過程の時期)を生きているような気がします。一時代前は就職や結婚など、ある区切りの時期において大人にならなくちゃいけない、決めたことをしっかり追求していく、そういう自覚を持ってみんな覚悟したと思うのです。今は結婚もしないし、就職は氷河期がありましたから本人のせいではないですが、いろいろと浮遊しながら生きてしまうところがあるのではないかな、と感じています。

森騰廣講師

森騰廣講師

 

講師について

 

高桑:昔は重い病気の人が多くて教室は劇的な世界でした。病気の人は死ぬか生きるかの状況の中でしたから、先生も厳しくなるし、間違えてはいけない、という緊張感のある時代だったと思うんです。今も病気の人はいるのですが、昔のような劇的な状況ではないので、講師の方々はリラックスしていると思います。

森:厳しくしないように意識はしていますね。だけど、桜沢先生は「寒さ、厳しさ、ひもじさを経験して、その後に大きな喜びが来る」と言っています。本当はそれが必要だと思いますが、今の時代の生徒さんにそれを受け入れてもらうことは難しいですから、もったいないというか、損をしているのではないかな、と思いますね。

高桑:少し前は、多少厳しくても病気を乗り越えたいとか、強い意志でここに来ている人たちが多かったと思います。だから、生徒さんはお客さんではなくて、ある種、道場に身を寄せて鍛えようという人たちなので、厳しくした方が有効だったんです。でも、今のベーシックTやUに来ている人たちに対して厳しくするのはちょっと合わないかな、と思います。

岡田:学校教育でもスポーツの世界でも、監督と選手の関係では、かつては絶対的な上下があって「これでやりなさい」というスタイルをみんなが受け入れていたのですが、今はスポーツの世界でもコーチング的なスタイルになっていますね。上下ではなくて、要は横に並んで一緒に考えてあげる、というスタイルです。
 確固たる覚悟がある人なら厳しくしても耐えられるでしょうけど、今はソフトに自分探しの途中という生徒さんたちが多いので、一緒に並んで走ってあげるスタンスでなければいい関係が築きにくいかな、と感じています。

大島:インストラクター養成講座を担当していますが、桜沢先生の時代は第一世代、と伝えていて、栄養的な食べ物の摂取率が少なかった時代、森先生や私が習ったのが第二世代、飽食の時代で「粗食」というキーワードが出てマクロビオティックが受け入れられた時代だったんです。今の人たちには第二世代の伝え方では伝わらないので、第三世代だと感じています。食べようと思ったらなんでも食べられて食うにも困らず、カロリーは摂れるんだけど栄養は偏っていて、心も体も偏っている時代だと思っています。
 私は「マクロビオティックをやっていてこんなに楽しいんだよ」「こんなに世界が広がるんだよ」というように喜びを前面に出すようにしています。そうでないと、生徒さんはついてこれなくなってしまいます。

大島弘鼓講師

大島弘鼓講師

 

 

マクロビオティックの広がり

 

高桑:マクロビオティックという名前は広がっていますが、最近はネガティブブランドになっていますよね。オーガニックレストランでもマクロビオティックという言葉は積極的には使われなくなってきています。それは誤解されたマクロビオティックが伝わっていて、我々が本当に楽しいと思っているマクロビオティックの本質が伝わっていないからなんですよ。

岡田:ごく普通の食事をされている方と話をすると、みなさんが持っているマクロビオティックのイメージは、禁欲を強制するところ、なんです。「乳製品もお肉も魚もダメなんでしょ?」みたいな感じですね。
 すごく固定観念ができてしまっていて、逆にビーガンは「海外のセレブもやってるんですって?」となって、お洒落で自由なイメージがあるみたいですから、なんとか打破したいですね。

大島:20年以上マクロビオティックを伝える仕事をしてきて、ある一定の時期から、マクロビオティックをマイナスに捉える人が多くなったんですね。「マクロビオティックの講師をやっている」と言ったときに、初めの頃は羨望の眼差しで見られることが多かったんですが、途中から「ちょっと、そんなものをやって〜」というエネルギーを感じる時期がありました。名前は知れ渡っているけど、マクロビオティックの本質が全く伝わっていないんですね。ですから本当のマクロビオティックを伝える人を育てたいですね。

高桑:マクロビオティックを広げようとすると必ず薄まっていくんです。マクロビオティックの本質を伝えるのは少数でいいと思っています。広げようと右往左往するのではなく、今、来てくれている生徒さんにキチンとマクロビオティックの本質を伝えることが大切で、そうすれば結果的に広がることになるのではないかと思っています。

岡田:ジャズの世界と同じだと思うんです。ジャズ喫茶やライブハウスは軒並み減っています。ところが、どこか行った先にBGMでジャズが流れている、ジャズが流れる焼き鳥屋があったりして、ジャズは薄まっているかもしれないけど拡散しているんです。マクロビオティックの世界も自然食品の世界もそういうところがあって、大手のスーパーに行くと有機野菜コーナーがあって、しかも値段が安かったりするわけです。そういうことがあると本家がだんだん厳しくなる、そういう状況があるような気がします。

高桑:私は2018年の夏から講義を担当しているのですが、生徒さんに「陰陽や宇宙論を話しても通じないのであまり難しい言葉は使わないで欲しい」と言われたことがあります。 実際にはみなさん、食べ物の良し悪しや病気治しよりも、思想体系や選ぶときの基準に興味を持ってくれています。「これだけ情報がある世界の中で何を選んだらいいかわからない」という迷いだと思いますが、マクロビオティックは、自分がやりたいことに対してどういう情報を選べばいいかというメソッドが確立されているので、それを伝えてあげると、みなさん喜んでくれました。リマの生徒さんにも全然通用する、というのが実感です。

大島:そうなんですよ。みんな目を輝かせるんですよね。「それを聞きたかった」って。

高桑智雄講師

高桑智雄講師

 

高桑:ベーシックTで宇宙論はやらないで欲しいと言われるのですが、実際にマスターで宇宙論を話すと、「なぜ最初にこの話をしてくれなかったの?」「この話を聞いたら、なぜ陰陽が大切なのかが分かって、なぜ食が大切か分かって、もっと真剣に取り組めたのに」と言われるんです(笑)ただ、それを言えるのは、マスターまで上がった人だからかもしれません。

森:これまで最初の方では全体像は教えていなくて、ほぼ料理ですよね。実際に生徒さんが求めてくるのは、玄米の炊き方や料理なんです。たしかにベーシックTで理論を話すとついて来れない、途中でやめちゃう、という感じになるけれど、やはりマスターまで上がると理論を受け入れられるんですよね。タイミングというものがあるな、と思っています。どこでこの話を伝えるか、どこでこの料理を伝えるか、タイミングを考えていまのカリキュラムは組まれていると思っています。

大島:名古屋校ではベーシックTの1回目に陰陽を伝えると「わからない」と言われるので、今は8回目に伝えているのですが、ベーシックTで全部伝えているんです。
 生徒さんは、すべて習得しようとして焦りが出て、覚えきれないから不安になって「わからないから嫌だ」というパターンが多かったんですね。ですから「今日伝えたことはわからなくていい」と言っています。「毎回この話をするので、みなさんの体にお煮しめのように入っていくから、今日理解しなくていい、流しておいてください」と言うんです。そうするとアドバンスやマスターに上がる頃には、理解できるんです。

角元: すごく単純な話なんですが、玄米を食べて味噌汁を飲むと、脳みそが繋がるんです。ただ、今の方々はご飯を食べる習慣がなくて、味噌汁を飲むのは夜なんです。
 私は子どもを預かる仕事もしています。子どものお母さんが作ってくれたお弁当を見ると半分くらいご飯が入っていて、おかずもバラエティーに富んでいます。ところが、「朝は何を食べたの?」と聞くと「パン」なんです。「どんなパン?」と聞くと、メロンパンやドーナツ。朝はお弁当を愛情込めて作るのですが、朝はお子さんを起こすのも大変ですよね。そういう生活の方々にとっては、ベーシックTでとりあえずご飯と味噌汁を作って食べよう、というのもハードルが高いのですが、ベーシックTできちんとできるようになると、だんだん食べることがお母さんにも定着していくと思うんです。
 ご家庭を持っていない生徒さんご自身もそうです。そうすると、ちょっとずつ脳みそが成長していくので、上のクラスで理論を聴くと、よくわかるのではないかなと思います。ですから森先生に尽力いただいた今のカリキュラムはとてもいいと思っています。

高桑: 私もそう思います。ベーシックTで前段階を設けた現在のカリキュラムは今の時代に合っているのではないかと思います。

 

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