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『月刊マクロビオティック』2020年3月号おすすめ記事

特集
マクロビオティックママたちの育児レポート
マクロビオティックの子育てって難しい? 今回の特集は、そんな疑問をお持ちの方にぜひ読んでいただきたい内容です。過去に本誌で連載した「農ある暮らし つくる暮らし」の金純伊さん、「たまよろ的チネイザンライフ」のYuki☆さん、「我が子に教わる食養生」の五十嵐廣子さんの、3人のマクロビオティックママたちによる、マクロビオティックでも無理なく楽しい!育児レポートをご紹介します。

身体で感じて理解する
こんにちは。初めましての方もご無沙汰の方もいらっしゃるでしょうか。以前、本誌で「農ある暮らし つくる暮らし」を連載させていただきました。あれよあれよと家族が増え、連載当時は2児の母でしたが、今は7才、5才、3才、0才と、4児の母をしています。まだまだひよっこ母ちゃんですが、4人の子、7年間の育児の中で、マクロビオティックの智慧があるからこそ、乗り越えられてきたこと、頭を悩ませること、それぞれありました。情報過多な現在、育児においても、目の前の子どもを見ることよりも色々な情報に右往左往して自信をなくしたり、不安になることもあるかも知れませんが、マクロビオティックで心身が調っていると、何事も中庸で向き合い、ドーンと構えていられるなぁと感じています。そして、子育てを通して「マクロビオティックとは何か」を私自身に問い直す機会となり、また、柔軟に、心地よく捉えることができるようになりました。
私は夫とともに4人の子どもを自宅で迎えてきました。4回の出産を経験し、お腹に宿したときから子育ては始まっていて、出産体験の状況が「お母さんになる」ということに少なからず影響しているだろうなと思っています。長男を授かった時、自然と「自宅で産む」という選択をしました。夫と2人で出産を迎えようと思ったのは、それが私にとって一番安心できてリラックスしていられる状態だと感じたからでした。とはいっても、初めての妊娠です。何度も不安になりました。「なぜ自宅出産するのか? 何のために?」何度も自問自答し、己を見つめました。私に大事なお産の智慧を与えてくれたのは、吉村医院の吉村先生、野口整体の野口晴哉先生、マクロビオティック界の先輩方、橋本ちあきさんや中島デコさんの言葉でした。どの子の出産も、それは静かに、穏やかに始まり、私の身体に起きている「自然」に委ねるがままに、お腹の子の意志に委ねるがままに、私は子宮の収縮と緩み、宇宙の力、陰陽を感じているだけでした。そして、ほとんど出血はなく、生まれてくる寸前に破水するか、膜に包まれたまま出てきました。いのちが生まれてくる過程、瞬間に、私はこの小さないのちのダイナミックな意志を感じ、胎の底からの「あなたは大丈夫」という信頼関係で繋がっていました。そう、この地上で、そのいのちを全うするために、自力で出てこようとするたくましさがある。育児には正解も不正解もない。このたくましさを信じていればいいんだ。私は、子育て中、食べ物のことで悩むことがあったけれど、智慧は大いに生かしつつ知識はとっぱらうことにしました。行ったことはすべて、身体に現象となって表れてくれるから、子どもが欲するなら欲するままに食べさせてみる。頭で「絶対食べない方がいい」とわかっているから食べさせたくないのですが、「ダメダメ」ってやっていると疲れちゃうんですよね。だから、手放したら楽になって「これ食べたから、こうなるよね」という感じで、子どもたちも身体で感じて理解できる。いのちの生かすシステムはすごいなぁって思います。

おおらかな育児
さて、山暮らしのその後。長男は6才の歳、一年間保育園に通いました。近くに私が理想とする保育園がなく、環境や給食など気がかりなことはありましたが、友だちもでき、楽しそうに過ごしていて安心しました。集団生活となると、予防接種のことも問題になってきますよね。うちの子たちは、一度も打っていないので、保育園にその旨をきちんと伝えると理解していただけて一安心。予防接種然り、何事も、桜沢先生の言葉にあるように「NonCredo(盲信するな。疑え)」。貪欲に情報を集め、学び、自分で考えることが大事ですよね。予防接種を打つメリット・デメリットを踏まえた上で、子どものために何を選択するのかだと思います。
それから給食。こどもは「○○美味しかったよ」といつも話してくれていました。純粋に「美味しい!」と思って食べられることは幸せだなと思いました。添加物、遺伝子組み換え、農薬、砂糖、動物性のこと、気になることはたくさんあります。食べないに越したことはありません。けれど、友だちと一緒に食べる給食って、楽しくて、嬉しいんですよね。それまでは、まったくの玄米菜食な彼でしたが、今は色々なものを食べています。「ソーセージ、ハム、ハンバーグに唐揚げが美味い!」「玄米より白米がいい」って言います。
日常的には食べていませんが、様子を見ながら動物性も取り入れるようになりました。難しいことは考えず、野菜の切り方や調味料の使い方、料理法、季節、陰陽五行や一物全体を意識して気を込めて料理する。慌ただしい日々ですが、ごはんを炊くこと、味噌汁やスープを作ることは大切にしています。美味しいごはんと具だくさんの汁ものがあればとりあえずOK! 食べることだけでなく、なんでも主体的に自分で考え、気づき、選んでいけたらいいですよね。絶対反対というエネルギーではなく、受け止めて伝えていく。親である私たちが、自分の核となるものを大切に生きること。長男の小学校入学を機に移住した土地でも、つくる暮らしを楽しみ、生きる力を育んでいきたいなと思っています。まだまだ親修業は続く(笑)。子育て中の皆様、ともに、おおらかに、育児&育自を楽しみましょう!

長女ふうちゃんの2歳のお祝い(韓国料理で)
金 純伊/きむ すに
在日韓国人3世。クッキングスクール リマ マスターコース修了、KIJレベルT修了。母とともに、マクロビオティッ
ク&韓国料理の教室を準備中。幸せと平和への道は何かと模索し、旅をする中で、大地に触れて生きることに
目覚める。現在、夫と自力出産した子4人とで暮らす。
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