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『月刊マクロビオティック』2020年11月号おすすめ記事

魅力的な食文化と地域の魅力をご紹介

マクロビオティック的“Go To Travel”

 

風に揺れる荻、すすき、コスモスが咲きほころび金木犀の甘い香りただよう季節になりました。コロナ禍にあっても季節は日々移ろいでいきます。今回は4名のクッキングスクール リマ マスターコース修了生や認定インストラクターに、暮らしている地域(三重・長野・京都・福岡)での、今の季節のおすすめスポットや特産品、ご自身がそれぞれの土地で暮らしてみて想うこと、マイブームについて紹介いただきました。自粛に疲れている方もおられると思います。本誌上で小さな小さなGo toTravel をお楽しみください。

 

小林千恵子

クッキングスクール リマ認定インストラクター


日本屈指のパワースポット

三県


伊勢神宮

私はマクロビオティックの考え方・実践法を学んだことをきっかけに、世界で小規模なリゾートを展開するアマンが伊勢志摩につくったリゾート「アマネム」でセラピストとして勤務しています。

それはまさに導かれるような出会いでした。伊勢志摩に住むこと4年。仕事柄、美容と健康には並々ならぬ
興味のある私は、時間さえあればこの地に根付いている美と健康にまつわる独特な習慣や文化を体験してきました。

伊勢志摩といえば真っ先に思い浮かべるのが伊勢神宮ではないでしょうか。古来の慣わしの正式参拝は立石浜の二見の海で心身の垢離(こり)の儀式(水を浴びて身心を清める)が文化として語り継がれていますが、現在は海に浸かるのは難しいので二見興玉神社に参拝し、興玉神社から採取した無垢鹽草(海藻の一種)で身を清めるお祓いを受ける浜参宮が一般的です。

無垢鹽草は昔から罪・けがれを祓うといわれ、身に付ける、浴場に入れるなど、不浄守祓やしめ縄に付けて門口の不浄祓い、田畑の畔に立てて害虫予防に使われています。昨今、コロナ禍の影響もあってか無垢鹽草に人気が出ているようです。

無垢鹽草

 

豊富な温泉

参拝の後は、やはり旅の疲れを取る温泉ですね。

三重県津市にある「榊原温泉」は、お伊勢さんの「湯ごり(神宮にお参りする際のお清めの儀式)」の地で、かつての天皇も神宮への参拝にはこの地で身を清めた温泉場です。清少納言の枕草子にも日本三大名泉と謳われ、源泉は「温泉遺産」にも認定された新鮮な源泉で美肌効果の高いアルカリ性単純泉。とろみのあるお湯が肌本来の力を引き出し、何度も肌をなでたくなるほどのまろやかさです。肌も髪もツヤツヤの質感に生まれ変わって「たまご肌」を実感できることと思います。併設する無料飲泉所には自家源泉の神棚があり、胃腸を整える効果が期待できます。
東洋医学では腸を調えれば肺もまた調えられるといわれています。

源泉温度が31・2度の低温温泉と通常温度があり、温冷浴(交代浴)ができるのも魅力。冷泉に10分以上浸かることで体の芯から温まり、同時に自律神経も調えてくれる作用があります。私はここで湯船に浸かりながら地元の方から体調の変化や療養効果のお話を聞くのがもうひとつの楽しみになっています。以前、80歳過ぎの可愛いおばあちゃんから首の調子が悪くて病院にも通っていたけれど、どうせ通うなら温泉の方がいいと思い、毎日浸かってついには完治させたという話を聞きました。今は顔のシワがだいぶ減ったと笑いながら顔に源泉をかけている姿がなんとも微笑ましく映りました。

また、東洋医学の古典「黄帝内経」では、秋は肺を労わる季節との教えが説かれています。そこで私はこの冷泉に浸かって、呼吸器の機能を高める簡単なエクササイズをします。湯船に肩まで浸かり、肺呼吸を意識して胸を大きく膨らませ、吐くときはゆっくりと口をつぼめて、糸を吐くようにする呼吸法です。この施設は毎日湯船の清掃と温泉の入れ替えがあるのも特にありがたいです。

 

銭湯の発祥の地

伊勢生まれの与市という人が江戸の隅田川で銭湯を開業したところ、大繁盛したことから日本の銭湯文化が築かれたそうです。千代田区の銭瓶橋のたもと(現在の東京都千代田区大手町)に永楽銭1文で銭湯を開業。現在はその場所に銭湯発祥の地として記念プレートが立っています。

銭瓶橋にある銭湯発祥の地のプレート

銭湯「旭湯」が外宮近くにあり、伊勢市民と参拝客の憩いの場となっています。店主は銭湯の一角に伊勢与市の博物館をつくり、「潮浴び参宮」について熱く語ってくれます。二見浦から朝夕の2回、海水を汲み上げた海水風呂など、銭湯マニアが唸る数種類のお風呂が楽しめます。

 

炭の魅力

温泉で心身を調えた後はゆっくりと眠りに就きたいものですね。睡眠時は清らかな空気が漂う寝室が必要です。空気清浄機もいいですが、やはりマクロビアンとしては自然の恩恵を大切に考えたいところ。寝室に備長炭を置き、布団マットは炭入り、四方に炭結界を張ってみたところ、翌朝の目覚めもよく、気に入っています。

伊勢備長炭は南伊勢町で豊富に自生するウバメガシ(ブナ科コナラ属に分類される常緑広葉樹)で作られており、密度が高く水に沈むほど不純物が少ない炭素率95%以上の最高級品です。ホテルの調理でも大活躍。旬の食材の味を引き出しています。

マルモ製炭所さんへ窯出しに行き、1000度以上の真っ赤な陽性な炎を体で感じてきました。この備長炭で焼き上げた昆布はとても陽性なので養生食としておすすめです。

また、アジアイロ雑貨店さんは「身に付ける炭」がコンセプト。私は電磁波除けにもなる備長炭カットネックレスを愛用しています。

長い時間と行程を経て作られています

最後に、三重県多気町は次世代に繋がるこれからの農業を世界に発信しています。株式会社ポモナファームでは、土を使わずに特殊繊維と海水で野菜などを栽培。水も出さない環境にやさしい農法のため、干ばつ地域でも少量の水で栽培が可能です。実際にハウス栽培を見学に行き、野菜のおいしさとプロジェクトチームの壮大な夢を伺い感動しました。三重県のプロジェクトが、世界に広がることを願っています。

排液ゼロという環境配慮型の農業技術に感動!

私の伊勢志摩ストーリーは道半ば。訪れたことのない場所、触れたことのない文化がまだまだたくさんあるので休日が待ち遠しいです。さて、来週はどこにいきましょうか。

旭湯
http://ise-asahiyu.com
株式会社ポモナファーム
https://www.project-index.jp/intern/17201
マルモ製炭所
https://www.miemarumoseitan.com/blank-4
アジアイロ雑貨店
https://www.aziairo.com

こばやし ちえこ
三重県志摩市在住。アマネム ウェルネスマネージャー。クッキングスクール リマ認定インストラクター。外資系ホテルスパで運営管理および滞在型ウェルネスの監修と施術に従事。鍼灸指圧師・温泉利用指導員・CIDESCOインターナショナルエステティシャン。

 

種山 晴香

マスターコース修了・メディカル・シェフ育成講座修了生


信州の自然と共に生きる

長野県


美麻村

私の住む大町市は長野県の北西、標高730m、黒部ダムへの玄関口としても知られ、雄大な北アルプスの美しい山々に囲まれた絶景が望める町です。四季折々の景色は素晴らしく、秋の紅葉の季節は錦絵のように見事です。麓には清らかな水を湛えた大小3つからなる仁科三湖 があり、アルプスの王座とも呼ばれる槍ヶ岳(この山も一部大町市)から流れ出る清流が、米どころの安曇平野を潤しています。

私の住む場所から8qほど離れた山間部に、私の父の生まれた美麻(旧美麻村)という地域があり、その名の通り昔は麻の産地として名高く、奈良の正倉院にある日本最古の麻布はこの美麻村から献上されたものと伝えられています。この標高900mの山間部は平地が少なく、冬は雪に閉ざされマイナス20度を下回る日も
ある寒さの厳しい地です。寒冷地は稲作に向かず、昔から主食は蕎麦や麦だったそうです。

今から48年程前、この村の青年たちが先頭に立って蕎麦で村おこしをしようと村人に蕎麦の栽培を勧め、秋には蕎麦祭りをしました。するとこの小さな片田舎に大勢の人々がやって来て一気に賑やかになりました。さらに降雪が少なくなって閉鎖したスキー場跡で蕎麦と菜種を栽培し、この地に適したエゴマも栽培して良質な油を生産するなど、六次産業の先駆けを行ってきた素晴らしい村です。春は菜の花、秋には蕎麦の白い可憐な花が村一面に咲き、秋が深まる頃蕎麦の味が一段と美味しい季節を迎えます。しかし、昨今は農業の担い手となる後継者不足や天候不順、野生動物による農産物の被害が深刻な悩みとなっています。

 

美麻の水車小屋

 

蕎麦

 
さて、村で穫れた蕎麦粉で手打ち蕎麦はもちろんですが、昔から忙しい農作業の合間に食べられてきたのが「蕎麦がき」です。蕎麦粉を熱湯で素早く掻き混ぜ、大根おろしやつゆをかけていただきます。蕎麦粉100%で作る蕎麦がきは身体に力がつく味わい。蕎麦の薄焼きは、蕎麦粉を少量の水でのばして薄く焼き、刻んだネギと信州味噌をのせて食べます。蕎麦を茹でた時の濃い茹で汁に、信州で作られた寒天を入れて冷やし固めた蕎麦ようかんもおすすめ。乾麺では決してできない濃さで、蕎麦の茹で汁も捨てずに利用する、少ない食料を大切にしてきた村人の思いが込められた食べ物です。

美麻産の蕎麦と蕎麦がき、蕎麦の薄焼き

 

信州の粉もの文化

その他、信州で皆さんが思いつく食べ物といえばおやきではないでしょうか。長野県は小麦の消費が全国トップクラス。これも信州の風土が大きく関わっており、長野市を中心とした地域では昔から米と麦の二毛作を行ってきました。粉物の食文化が信州に根付いた要因でもあります。長野県は広いので、硬い皮のおやきから柔らかいふわふわのお饅頭のようなおやきまで、地域によって様々なものがあります。その季節に穫れるナスやカボチャ、秋に漬けた野沢菜や切干大根、小豆餡の他、最近はリンゴを入れたおやきも人気。大町市にある八坂という地区では、ずっしり中身の詰まった重みのある灰焼きおやきが名物です。焙烙(この地では鉄製の平鍋)で表面を焼いたら、囲炉裏の灰の中に入れて蒸し焼きにします。このおやきはビックリするくらい大きくて硬い! のですが、噛めば噛むほど滋味豊かな味が広がり、満足感に満たされます。

粉もの文化はおやきだけではありません。季節の野菜を煮込んで食べるすいとん、ニラせんべい(刻んだニラと小麦粉を薄焼きのように焼いたもの)、こねつけ(残ったごはんに小麦粉を入れて薄く焼いたもの)と、忙しい農作業の合間にも簡単に作れる信州ならではの食文化があります。

また、この時期忘れてならないのが秋の漬物の代表、野沢菜漬けです。発祥は野沢温泉村。野沢菜は信州を代表する伝統野菜でもあり、11月中旬頃に大きく成長した野沢菜を、各家庭で「お菜洗い」をして漬け込みます。たくあんもこの時期に漬け込むのですが、信州では地大根(辛味大根やねずみ大根ともよばれる)硬い大根で漬けることで日持ちも良く春まで食べられます。我が家でも野沢菜漬け、大根のぬか漬け、酒粕漬けを漬けるのが忙しい秋の恒例行事。今は添加物の入った漬物の素を使う家庭も多くなりましたが、我が家ではもちろん使いません。秋の干し柿作りで出た柿の皮は、干して野沢菜漬けやたくあん漬けに入れると甘みが出ます。ナスの葉を摘んで乾燥させて揉んだものをたくあん漬けに入れるととても良い風味が出ます。

野沢菜漬けは時間の経過とともに乳酸発酵して酸味のある味わいもまた美味しいのですが、酸味が強くなってきたら塩出しして煮て食べるのも美味しく、油で炒めておやきにするも良し、寒い冬に酒粕汁にして食べても美味しいです。

夏から秋はナスを味噌で炒めたものが人気です

 

長寿の信州

信州の食文化には、先人の知恵がたくさん詰まっています。全てにおいて無駄がなく、その土地で穫れる限られた食材を上手に利用して、保存食も作ってきました。これだけ四季折々の季節を感じ、気候風土、農作業や自然の恵みから身土不二、一物全体を感じ生きられる環境に感謝すると共に、信州では一年中休んではいられない、働き者が多いからそれが一番の長寿の秘訣なのでは?と私はいつも思うのです。

信州には紹介しきれないほどの素晴らしい食文化がまだまだあります。ご紹介できる日を楽しみにしています。

 

たねやま はるか
クッキングスクール リマ マスターコース修了(2016年秋期)。メディカル・シェフ育成講座修了(2018年)。家族と自然農法無農薬で野菜を作りながら、家業の「自然健康食品の店わかば」を経営。健康的な食生活を提案すべく日々奮闘中。

自然健康食品の店 わかば
長野県大町市大町俵町2169
TEL:0261-22-7843


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