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『月刊マクロビオティック』2021年1月号おすすめ記事

新春対談

西邨マユミ×岡田英貞

 

2020年は新型コロナウイルス(COVID-19)というウイルスによりパンデミックに陥りました。2021年は果たしてどのような1年になるのでしょうか? 本号で本誌も1000号を迎えることとなり、記念の新春対談として、アメリカをベースに世界に発信を続けている西邨マユミ先生とクッキングスクール リマの岡田英貞校長にZoomによるオンラインで対談をしていただきました。アメリカの現状の他、感染予防の一環として、免疫力を高めることで注目されているマクロビオティックを長く続けるためのアドバイスなど、マクロビオティックを実践中の方やこれから実践しようとお考えの方々に心に留めていただきたいお話がたくさん伺えました。新しい年のスタートにあたり、マクロビオティックを実践する方々へのメッセージが込められた対談をお届けします。

 

アメリカの現在の状況


編集部:2020年は新型コロナウイルスが世界に蔓延した1年でしたが、アメリカの状況を振り返ってみての感想を伺えますでしょうか?

西邨マユミ(以下、西邨):感染が始まった時に、どのぐらいのスピードでどのように広がるのだろうと危惧する気持ちがとてもありました。それがパンデミックと公認され、改めて大変な状況の中にあると感じました。ただ、今までもインフルエンザにしてもそうですが、感染症の原因となるウイルスや細菌は多く存在し、その中で今回はたまたまSARS-CoV-2 と呼ばれるウイルスが原因で起きる新型コロナウイルスの活動が活発になったという状況なので、これからはウイルスと共に生きていかざるを得ないだろうと強く感じています。

私が住んでいるマサチューセッツのケンブリッジ近辺は、いわゆるインテリの集まる場所で、アメリカの頭脳といわれるマサチューセッツ工科大学とか、ハーバード大学のある町の隣町なんですね。

そういう地域なので、やはり他の地域よりは感染予防にも注意しているようで、マスクをしている人がほとんどです。通りを歩いている人たちも皆さんマスクをしています。お店の中に入る時などはマスクを着用していなければ入れてもらえません。もちろん、お買い物中もつけています。

岡田英貞(以下、岡田):料理教室は開催されているのでしょうか?

西邨:いいえ。やはり、人が集まって一緒に調理するという実習スタイルの料理教室はできないですね。ほとんどの先生はZoom を利用しています。

岡田:マユミ先生はプライベート・シェフとしてもご活躍されていますが、今回のウイルスで何か心がけていることはありますか?

西邨:私の場合は色々な方の所で料理をするわけではなく、ひとつのファミリーの専属として、そのファミリーが健康でいるためのお料理を提供するように努めています。もちろん、お好みの食材や味付けをしっかり把握していることが前提ですが。今のファミリーのお仕事はそろそろ丸3年になります。コロナ禍だからといって特別に気をつけていることもないのですが…気をつけているとすれば、ちょっと疲れがみえる時などには、梅醤葛や梅醤番茶をつくったり、かんたんなお手当て的なことは日々しています。

ご本人とご家族の体調に合わせて調理しているのですが、今はご本人が食事をヴィーガン寄りからもっとマクロビオティック寄りにしたい、ということなので、コロナ禍にある今、食事を見直すことはとてもタイムリーだなと思っています。ですので、油を少し控えめにしたり、寒くなってきたので根菜類を中心に調理をしています。

いわゆるベーシックなマクロビオティックの基本的な考え方をきちんと実践できる状態になっていて良かったと思います。コロナのおかげで、健康でいるためにはどうしたらよいかを考えて、改めて食を見直しているという方もおられると思うので、コロナ禍にあることで、マクロビオティックの基本のお話をしやすい状況にあるという言い方もできますね。

食事をきちんとするという言い方をすると、マクロビオティックの人たちには分かりやすいのですが、そこに戻る機会であり、そこを考えるいい機会を貰ったと考えています。

コロナが陰性なのか陽性なのかなど、色々なことが言われています。一応ウイルスなので陰性と考えます。肺とか気管支が全部やられるということからも、やはり陰性なんだろうなと見ているわけです。それをただただ陽性で対応していけば良いかというと、やはりバランスを取りながらの対応が必要ですね。バランスというのは食事だけではなく、生活一般です。どんな風に自分が生きていくのかということを考えていく、というのもバランスの一つだと思います。運動を少しでもしていくとか、そういうバランスも図っていく必要がありますね。全体的に物事を見ていかなければいけない時なんだな、という風に捉えています。俯瞰するというか、ミクロでなくマクロに物を観ていくように心がけています。

 

コロナ禍で見えてきたもの


岡田:コロナ禍にあるアメリカで困っていることや心配事はありますか?

西邨:アメリカの場合、人種差別が表立ってきて、色々なところで話題になっています。アメリカに住んでいると、そこは一番心配な部分です。どのような形で人々が反応するのかな、と怖い思いもあります。

岡田:マユミ先生がおっしゃるように、今回のウイルスを契機に人と人との関係を見直したり、新しいライフスタイル、食生活を始めようという前向きな部分もありますが、その一方で格差とか断絶、差別が生まれています。そういうものが拡大していくのは警戒しなくてはいけないと思うのですが、アメリカではやはり格差的なことが広まっているのでは。

西邨:とても大きいと思いますね。大統領選(2020年11月)後は、色々なことが表立って出てくる時なのかなと思います。膿を出すという意味では良いのかもしれないですね。

岡田:そうですね。

西邨: 本当に陰陽なんですよね。ですから、今まで溜まっていたものを出していくという意味では必要だったのかもしれないし、これで良い方に動いてくれると良いなという気持ちです。

岡田:日本もそうですが、経済的な発展を追求していくと、どんどん大都市が過密化していく。あるいは、人と人との過剰な接触状況が起こったり、それから移動往来ですよね。いよいよ忙しくなるという。適度な陽性ならよいのですが、陽性過剰になって、都市がどんどん熱くなっていくみたいな状況があると思うんですね。そういうところに陰性なコロナが寄ってくることがあるのでは?と感じています。

西邨:そうですね。今まで人口が集中していた都市部に住んでいた人たちが、田舎に移動しているという傾向がみえますね。アメリカの場合、街に住まないという決断をした人たちが田舎に移動している場所が多くあります。ニューヨークはビルディングも空き部屋が増えています。先日、ニューヨークに住む友だちを訪ねて久し振りにニューヨークに行きましたが、友だちのビルにも空き部屋があり、近くのビルなどは4部屋も空いているそうです。コロナ禍でテレワークが主になり出勤する必要がなくなった人たちも非常に多いのではないでしょうか。

人が少なくなったので地下鉄などの治安も悪くなったようです。今までなかったようなことがたくさん起こっています。

実は、アメリカの場合、コロナ禍での失業率が非常に高いのですが、感染拡大への社会不安や経済の悪化、警官の暴力を伴う取り締まりへの抗議活動とそれによる治安悪化を背景に犯罪率が上がっています。

岡田:大変ですね。

西邨:ニューヨークには日本人の友だちがたくさんいますが、知っている人が事故に遭ったり事件に巻き込まれたりしているので、かなり危ないんだなということを痛感しています。

ニューヨークは2001年9月11日に起こったアメリカ同時多発テロ以降、実は犯罪率がだいぶ下がっていて安全な街になっていたのですが、コロナが蔓延して以降、いわゆる2001年前に戻ってしまっているんですね、犯罪率が。

アメリカの場合、田舎に行くと自分のことは自分で守ろうという人たちがたくさんいるので、日本では考えられないことですが銃が売れています。犯罪率が上がったことで今まで銃を持っていなかった人たちも銃を購入しています。そのため銃弾が売り切れのような状況になっています。そういうところは、世界の中で治安がよい国とされている日本ではなかなか考えられないですね。

ただ、私が住んでいるところは、アメリカで一番安全な地域だと思っています。意識が高く、他人のことも考えることができる人たちが住んでいるところなので、身の危険を感じることはありません。

ニューヨークに行った時は緊張しましたね。久しぶりに出かけたというのもありますが、落書きが増えていたりと目に見えて荒廃しているのが分かりました。

いわゆるダウンタウンという都市の中心部であるオフィス街もとても静かで閑散としていました。人の動きは戻ってきているという話もありますが、以前ほどではありません。今回のコロナで働き方も変わってきていることを感じています。

私も還暦を超えたので、あちこち出歩くと子どもたちに文句を言われるようになりました。「いい加減にしなさい!」って(笑)。マスクしていない写真をSNSに上げようものなら、即、飛んできますからね。

私自身も今回のウイルス騒動で考えさせられることがたくさんあります。今もまだまだそれを処理している最中です。コロナを機に成長したいなと思いますが、年ですからどうなりますか(笑)。

 

発酵食品のチカラ


岡田:コロナ禍にあるせいか、免疫力を高める食品として、腸内細菌を調える発酵食品が注目されていますが、どう思われますか?

西邨:いいと思います。そもそも日本人は昔からの伝統的な製法でつくられた発酵食品である味噌・醤油・漬物などを上手に毎日の食事にとりいれていきたいと考えている人が多いように見受けられます。プラス、そこにマクロビオティックの基本の考え方が加わると、より免疫力が高まるのではないでしょうか。

日本を含むアジアの穀類を主食とする国では、アメリカや欧州と比べて新型コロナウイルスによる死者数が少ないとか、被害状況も落ちついているとか言われていますが、やはり味噌汁などの発酵食品を日頃から摂っているからではないかと思います。マクロビオティックを実践しているかどうかではなく。

岡田:そういえば、日本でも最近ただ本を並べているだけではなくて、テーマを持った本屋さんが出てきており、そういうところで料理本を見ていると、最近はお漬物、特に糠漬けの本が多いですね。

西邨:そうなんですか。私ももちろん、糠漬けをしていますよ。あまり野菜などもムダなくいただけて重宝しています。

岡田: ある程度、年齢が上の方にとって、糠漬けは当たり前のものだと思います。しかし、若い人たちにとっては発酵食品の新たな発見みたいなところがあるんじゃないかと思います。ですから、本屋さんで見ているとなかなか楽しいですね。

漬ける食材も昔と変わってきています。例えば、アボカドの漬物などは最近ワインバーみたいなところで出しているんですね。その他にも、セロリとかトマトなどの西洋野菜の漬物を彩りよく出してきてますね。

西邨:糠漬けなどのお漬物は簡単で重宝ですよね。糠漬けは毎日手を入れなきゃいけないものや、大根の糠漬けのように長く漬けなければいけないものなど種類が色々ありますが、それが面白いですよね。

ピクルスになると皆ついつい酢を入れて作ってしまうじゃないですか。そうするとちょっと本末転倒的なところがありますね。酢を入れる=お砂糖も入れるみたいなことになってしまうので。やはり塩をうまく使って自然に乳酸菌が出るような発酵をさせて酸味を出していくことができると、本当に腸内環境に良い漬物になるのではと思いますね。

それから、3年ぐらい前まではアメリカでは甘酒を造って売る会社がなかったんです。一番大きかった会社がなくなってしまったのですが、今、カリフォルニアのロサンゼルスで日本人のカップルが甘酒をつくって売り始めています。ボトルのデザインも格好よく、そういう若い人たちの新しい動きが多くでてきています。発酵食品に関しては、アメリカもず
いぶんと日本に追いついてきたのかなと感じています。

以前は主にマクロビオティックの人たちが使っていた食材が、今広がりをみせています。例えば納豆ですが、アメリカ人が作る納豆がとても増えています。完全な無農薬の大豆が手に入るので、それを使って作っているそうです。ただ、そのままではなかなか食べられなくて、味をつけるというと変ですが、ハーブを入れたり、ターメリックを入れたりしています。やはりアメリカ人はハーブが好きですからね。面白いけれど、私には「どうなのかしら?」と思う味つけ納豆が、カリフォルニアとニューヨークで多く出回っています。

昔は、納豆などは日本からしか入ってこなかったのですが、今はこちらに住んでいる人たちがつくったものが多くなってきています。マクロビオティック育ちの私の娘からそういう情報が色々と入ってくるようになりました。甘酒もそうです。

良くも悪くも、確実にそういうものがアメリカで育っているんだな、と思います。これからも今回のコロナのようなウイルスなどが出てくると思いますが、そのおかげでマクロビオティックを長く実践している人たちが改めて気がつく部分であったり、気持ちを引き締めていく部分があったりするのではないかなと思います。

 


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