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『月刊マクロビオティック』2021年8月号おすすめ記事

特集「盛夏の候」

 陽の気が満ち満ちて、すべての生きとし生けるものを輝かせる季節の到来です。『夏は夜。月のころはさらなり(中略)雨など降るもをかし。』(清少納言:枕草子)などと詠われていますが、この季節、私たちの身体は中庸のバランスを求めて、夜や雨、冷たい飲み物など、多少なりとも陰性なものを求めるのは自然な傾向だと云えます。極陽の時刻を避け、朝・夕・夜にその活動の時を移し、夏ならではの旬の野菜を上手にいただき体を冷やします。
 地球温暖化が声高に叫ばれる時代ですが、この惑星の歴史的視点から観たならば、およそ1万年前の最終氷河期の後に訪れた安定期が終焉を迎え、どうやら変化の時代に突入したことは確かなようです。現在、自然環境が激変しているのなら、「身土不二」と言うまでもなく、私たちの心も身体もまた激変しているに相違ありません。
 マクロビオティックの観点では、自然環境と私たちの身体を別々なものとは見做しません。豪雨などの自然災害が多発する昨今ですが、自然環境に変化が生ずればすべての動植物に影響が及びます。毎日のお天気が絶え間なく変化しているように私たちの心と身体もまた日々変化し続けていると言うことです。
 今回の特集は、酷暑の実情、暑い地域での食と暮らし方、昔の人々の暑さへの知恵をご紹介することで、この季節を存分に愉しむための参考にしていただけたら幸いです。

 

 

2020年は猛暑


「喉元過ぎれば熱さを忘れる」という言葉があります。「暑さ」と「熱さ」の違いはありますが、昨年2020年8月はどのような気候状況だったのでしょう。昨年はコロナウイルスによるマスク生活を強いられた中で、東京では8月の最高気温の平均が34・1度、1ヵ月間の平均気温が29・1度という猛暑で、35度以上の猛暑日が11日ありました。

史上最高気温を観測したのも昨年でした(図1)。2020年以前の5年間と、50年前の東京の8月の日最高気温と日平均気温を比較すると(図2)、2020年は特殊とすれば最高気温はあまり変わらないように見えますが、 平均気温は0・
68度上昇しています。これは地球温暖化に加えて、 都市部のアスファルト化やコンクリート化などの影響も考えられます。

 

熱中症は13年前の3倍


夏に気をつけなければならないのが「熱中症」です。昨年8月に全国で熱中症により救急搬送された人数は4万3060
人で、前年8月よりも6305人増加していました(図3右)。割合をみると、健康な方が多い「成人」でも、高齢者に続いて
34%も搬送されています。前述の通り、昨年が猛暑で多くの方が熱中症になったことがここでもデータに表れています。

また、発生場所については住居が44・9%と、自宅で発症しているケースが半数近くを占めています(図3左)。年代別の発生数が不明ですが、住居44・9%の中は高齢者が多いと考えられます。

ところで、ここで気になるのは、熱中症の搬送人数の昔と今です。閲覧できた最も古いデータが2007年で、熱中症による8月の救急搬送人数は1万6209人。驚くことに昨年8月の約1/3でした。つまり、この13年で3倍になっている、ということです。

 

エアコンの普及と体温調節機能


内閣府の消費動向調査によると、2021年3月における全国の2人以上世帯でのエアコン普及率は92・2% で、エアコンの普及率は1970年代から急上昇し、1990年代には80% を超え、2001年には86・2%、それ以降も上昇して現在に至っています。

昔はエアコンがなくても、うちわで扇いだり行水をしたりしただけで熱中症などにならなかったのですが、エアコンの普及率は増えているのに熱中症が減っていないのは不思議です。

ちなみに、1957年の調査では日本人の平熱は平均36・89度と言われています(東京大学の田坂定孝教授らが、10〜50歳代の3094人の健康な方の体温を計測した結果)。しかし、現代人の平熱はそれよりも下がっていると言われています。夏の気温も年々上昇傾向ですが、日本人の体温の低下も熱中症の増加要因のひとつかもしれません。

エアコンの過度な使用、冷たい食べ物・飲み物の摂り過ぎなどによって、現代人は温度調節機能が低下しているのかもしれません。エアコンもスマートフォンもそうですが、便利になって行く半面、人間本来の機能が衰えて健康を害する方が増えないことを願うばかりです。

マクロビオティックを学ばれている方は、環境と身体をできるだけ調和させることを意識されていると思います。マクロビオティックの陰陽で判断して、今年の夏も快適にお過ごしください。

 

暑い地域ならではの過ごし方

クッキングスクール リマ沖縄校主宰 長嶺 弘子

 

沖縄の気候


私の住む沖縄県は、日本列島の南西端に位置し、49の有人島、多数の無人島から成り立っています。

南北400q南西約1000q と広大な広さに点在していて、羽田空港から約1600q 離れています。黒潮が流れるあたたかい海に囲まれて、海洋の影響を強く受けるため、気候は亜熱帯気候に属しています。海から吹く風のため、7月〜9月の平均気温は29度、12月〜2月の平均気温は17〜18度となっています。

そういう気候で育つ植物は陰性の性質を持っていて、強い紫外線を浴びて育つため抗酸化力が強く、ビタミンCも豊富に含んでいます。沖縄で育つ野菜のほとんどが熱を加えてもビタミンCが壊れにくい性質を持っています。

台風の影響が多く、昔はサツマイモなどを主食にした食生活をしていたそうです。時代とともに変わってきているのが現状です。

 

 

沖縄の生活様式の変化


戦後、米軍から食料が出回り、沖縄の伝統的な食文化が消えつつあります。

はじめてファストフードができたのが沖縄本島の中部です。特に缶詰(ポークランチョンミート、コンビーフ)ステーキなど、アメリカの現代の食文化が沖縄の人々の家庭料理に浸透してきています。世界屈指の長寿県といわれたこともありましたが、現状では都道府県別で男性が36位、女性が7位となっています。私の母は、98才でまだまだ足腰しっかりとして、身の回りのことは自分でできています。やはり若い時の食文化が英気の源だと話しています。

世界的には地球温暖化が進み気候変動による大雨や気温上昇と比例して災害が増え、育つ作物の変化、細菌発生などいろいろな生態系に影響が出てきています。今年は庭のパッションフルーツが豊作で、モリンガの花も珍しく咲いています。自分の身の回りで少しずつ温暖化が進んでいるのを感じはじめています。

沖縄の暮らしも昔とずいぶん変わり、家の造りも風が通り抜けるものから風の入らないしっかりとしたものが主流となっています。

各家庭のほとんどがエアコンで、日中あまり外に出ず、移動はエアコンのきいた自家用車で移動するようになりました。畑仕事も、朝早く終わらせ日中は家の中で過ごし、夕方からまた畑仕事をする生活パターンです。そういう私も日中はほとんど外には出ず、夕方の涼しい時間に出かけます。

いろいろな体験談の中からひとつ紹介します。

沖縄校の生徒さんから「鼻水が一年中おさまらない」と相談がありました。この方は会社員で、朝出勤するとコーヒーを飲み、昼食の時にもコーヒーを飲んでいるとのことだったので、朝は梅醤番茶 、昼は味噌汁を勧めたところ、しばらくして鼻水が止まったそうです。そういった陰性体質の若い子が多いです。暑い沖縄なので身体を陰性体質にしようと考え過ぎると、 やはり体は冷えていきます。エアコンのない昔の生活様式では汗をかいて水風呂に入るなど、様々な工夫をしながらの生活でしたが、現代は恵まれすぎた環境で生活しているので、 外に出ると体温調整がうまくいかず具合が悪くなったり、水分もあまり摂らないので知らないうちに脱水症状になったりします。

 

 

季節に合わせた料理法


沖縄の野菜、野草はいつも私たちの身近にあります。その季節に採れた野菜を使い、その人に合った料理を考えることを大切にしています。難しく考えずシンプルに。

私の一日のスタートは、毎日変化する自分の体調を見て、庭に自生している薬草をスムージーに入れて飲んだり、麦入り玄米お粥をいただいたり、工夫しながら始まります。

もちろん季節に採れた果物をいただくこともあり、いつも「おいしい」と感じることを大事にしています。

私が主宰している子育てサロンでも若い親御さんへ話す言葉があります。「個性を大事にし、その子の体質にあった食事を考え、味覚は3歳までにだいたい決まるので、その後の子育ては楽になりますよ」と。私が4人の子育てをしていた頃に出会ったマクロビオティックは、その後の子育ての助けになりました。大人として成長した今も食の大切さを感じているようです。これからも自分の経験を活かし、教室やサロンを通じてみんなが幸せに暮らせるようにお手伝いしていきたいと思っています。

 

長嶺 弘子/ながみね ひろこ

沖縄生まれ沖縄育ち。マクロビオティック クッキングスクールリマ師範科修了。自然食品店「清流舎」代表。ビューティーフードインストラクター、一般社団法人日本睡眠教育機構睡眠健康指導士。NPO法人日本綜合医学会食養リーダー。

 

 

 


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