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『月刊マクロビオティック』2021年11月号おすすめ記事

特集「陽から陰の季節 田舎の冬支度」

冬の足音が駆け足で近づいて来る霜月。風もかなり冷たく感じられるようになってきました。冬将軍はもうそこまで迫ってきています。日本では昔から刈り取った稲を天日干しする稲はさが架掛けを眺めては秋を感じ、軒先に吊るされた柿を見ては冬の訪れを感じる風情がありました。街に暮らす方々が目にすることは少なくなってきましたが、田舎に暮らす方々には今でもごく当たり前の景色であることでしょう。

それとともに田舎では来るべき寒さに備えるため、準備を欠かすことはできません。それは雪や寒さという自然と向き合い、無事にそして快適に冬を乗り越えるためでもあります。この晩秋は田舎で暮らす方々にとって、忙しくも大切な冬支度の季節です。

本誌読者の皆様は云うまでもなく、また長年マクロビオティックを実践している方々の中には、桜沢如一が教える「ほんとうに生きる、思いっきり楽しんで生きる」ということに真っ直ぐに向き合っておられる方を多くお見受けします。

今月の特集は、そうした田舎暮らしを愉しみながら仕事に精を出す、鹿児島・青森・奈良・長野の方々から、それぞれの暮らしや仕事の中で、時折しみじみと感じる田舎の美しさや愉しさについてのご寄稿をいただきました。

「憧れの田舎暮らし」実現のきっかけをもたらしてくれるかも知れません。楽しんでいただけたら幸いです。

 


断食で身体浄化冬のお茶刈りにそなえて

畑仕事と梅醤番茶

鹿児島県伊佐市 川上 祐喜子

 

桜沢先生の教えを受け継ぐ


40年前、主人がオーサワジャパに勤めていたときのことです。桜沢先生と千島喜久男医学博士が考案した食養番茶を熊谷綱次郎氏が製造しており、その熊谷氏の三年番茶を引き継ぐことになって鹿児島へ移住することになりました。移住先の伊佐市は鹿児島の北海道と言われる所で、温暖な鹿児島の中でも冬はマイナス4・5度と寒く昼と夜の温
度差が大きく、霧が発生してお茶の生産に適しています。今は温暖化で雪が降ることは少なくなりましたが、3〜4年前までは、5〜6センチ積もることがありました。

何もかもゼロからの出発で、茶畑の取得、お茶炒り機の入手等々、難ありすなわち有難し、の精神で一つひとつ乗り越えてきました。お蔭様で、地元の方々の応援や手助けを得て「川上さんの三年番茶 薪火寒茶」として全国の方々に健康茶として愛飲していただいています。この番茶は夏の太陽のエネルギーを蓄えて育った茶葉を枝ごと、冬の寒い時期に2〜3年に一度刈り取ります。春から夏は草取りに精を出し、茶の葉と枝が成長できるよう整えます(農薬・除草剤など一切使わないので)。

今、三年番茶といってもほうじ茶のような軽めのお茶などが色々出回っていますが、大口食養村のものは、桜沢先生の指導を守り続けていますので、梅醤番茶用にも適していると思います。

 

いよいよ忙しい刈り取りのシーズン


お茶刈りは11月から3月までのお茶の木が冬眠している時、枝に養分が蓄積されている時に刈ると渋みが糖化されてまろやかなお茶になります。また、遠赤効果のある薪で煎ることで、体の温まる陽性なお茶ができます。

薪は雑木(樫や椎、タブノキ、エノキ、クヌギ等)が火力が強く火持ちします。檜や杉は長く火持ちしないですが、使い方によっては良い面もあります。薪は製材所でわけてもらったり、知り合いの方から譲ってもらったりしています。長いのはチェーンソーで切り電動の薪割機で釜に入る大きさに割ります。冬にお茶刈りするまでの期間、夏場は草取り草刈りに追われます。三年番茶ができるまで、いろいろ手間がかかって、やっとおいしいお番茶になります。皆さまが健康になっていただけるように頑張って製造していけたらと思い、お茶づくりをしています。

 

薪割りの楽しみ


これから冬のお茶刈りに備えて薪割りが大切な作業です。薪で煎り上げることで遠赤効果を高め、体を温めてくれます。それから、鉄火味噌、梅?番茶用の生姜も栽培しています。我が家で栽培した生姜の種を大切に保存し、春に植えつけます。乾燥しないよう被覆をし、土寄せをして、草取りも欠かせません。草木の堆肥だけでもどんどん分蘗して成長しています。11月頃まで待ち、十分に大きくなってから収穫します。収穫した生姜は少しずつ出荷していますが、残りはビートモス(主にコケ類を細かく砕いて乾燥させた土)と土に混ぜたものに入れて13 度の倉庫に貯蔵し、順次出荷します。

 

元気で働ける有り難さ


50年間主人ともどもマクロビオティックを実行し、朝は梅醤番茶で体を調え、毎日畑仕事や作業で汗を流し、70歳を過ぎても元気に働かせていただいています。

今コロナで食生活の改革、人々とのつながり、免疫力を高めるにはいかにすればいいのかが問い正されています。私どもはお蔭様で、桜沢先生の教えを守り、三年番茶を製造させていただき、玄米菜食で毎日体を動かして健康でいることは、ありがたいことです。

暑かった夏にクーラーなどで冷えた胃腸に梅醤番茶で体を調えることが、これから冬に向け風邪予防に大切かと思います。

また、ごぼう、蓮根、人参、大根などの根菜をしっかり煮しめたものをいただき、味噌汁で体を温める食事を取り入れるといいかと思います。

我が家でも、冬に向けて自家用に大根・小松菜・カブなどの種まきをし、新鮮な野菜でマクロビオティック料理をいただいています。

この夏は、きゅうり、トマト、ピーマン、苦瓜とたくさん収穫し、スイカも皆さんに召し上がっていただきました。

今後、温暖化が進み、異常気象で災害などが増えていきます。自然環境を大切にし、自然に沿った生き方をすることが、これからの時代を生き抜く要となることでしょう。

 

川上 祐喜子/かわかみ ゆきこ

クッキングスクール リマ鹿児島校、大口養生村を主宰。大阪生まれ。22歳の時に当協会の研修生となり、マクロビオティックを学ぶ。26歳でオーサワジャパン勤務の川上寛継氏と結婚。三年番茶製造のため夫婦で鹿児島に移住。35年以上も「本来の三年番茶の作り方」を継承し、お茶づくりを続けている。

 

 

 

北国・青森の自然の中で 

食べ物で自然と調和する

青森県青森市 古川 惠美子

 

美しい季節


北国の青森も菊薫る季節になりました。色とりどりの菊の花や赤や黄に、色づいた紅葉の豊かな色彩を最後に、これから白一色の冬を迎えるかと思うと、心が急かされ落ち着かなくなります。いつ雪が降ってもおかしくないこの時期、数年前には木々の紅葉が始まったと同時に雪が積もりだし、紅と白の織りなす美しさに心打たれたこともありました。

そんな青森もご多分に漏れず今年の夏は連日の真夏日に見舞われ、9月に入っても夏日が多い年でした。地球温暖化が危惧されているだけあり、この辺りでは過去に庭で育つ枇杷の木に実がなることはなかったのに、昨年あたりから実をつけるようになったと驚きの声を聞くようになっています。地球はもちろんのこと、宇宙全体がバランスをとるための動きをしているのでしょうか。そんな中でも一連の自然のサイクルは留まることなく季節が巡り、秋の気配を察
知した植物は取り巻く環境の陰性への傾きに合わせて法則通りに陽性へと移ろい色づいています。

今年は以前からの「農」に対する想いが募り、その一歩を踏み出すことができました。亡くなった母が間際まで大切に作物を育てていた農地が荒れ始めたことに端を発し、岩木山の中腹に位置するその畑に通い出しました。

 

自然を感じる楽しさ


幸運なことに畑の近くには自然栽培の農業を学びに多くの若者が集まって来るコミュニティがあり、そちらの農園にも出入りするようになりました。山の表情や川のせせらぎを身近に感じ、日々動きを止めることのない植物や野菜たちに心を動かされ、自然に乗じた学びや遊びを展開する彼らとの交流により自然との一体感をさらに深められているようにも感じます。

また、自宅にほど近い小さな畑ではスパイラル状の畝の実験畑も始めたことで双方の畑からは雑草と共存する元気な野菜が収穫でき、料理に追い立てられながら毎日を楽しく過ごしています。

 

 

雑穀や根菜の美味しくなる季節


さて、秋の訪れとともに畑からは陽性なニンジンやダイコンなどが顔を出し始めました。

少しずつ陰性に動いていく大気を受け、陽性な野菜が育ち、夏の間に冷やしていた私たちの身体に今度は陽性の恵みをもたらせてくれます。ここから生活や料理の仕方を秋冬に向けて舵を切り、陰陽バランスをとっていくことで寒い季節を快適に過ごすことができる体調に調えられていきます。

夏には生のキュウリやナス・ピーマンをサッと炒めるような軽い料理が食卓に並びましたが、これからは根菜類の煮物やシチューなど火のエネルギーをじっくり加えたものが適しています。このような料理をフーフー冷ましながら食べると身体の芯から温まるのを誰もが経験しています。また、乾物など太陽の熱をたっぷり吸収した食材を利用したり、
味噌や醤油などの陽性な調味料を適度に使い、干したダイコンをたくあん漬けにするような重石や時間の要素を交えて陽性な調理をしていきます。

また、そうめんやうどんなどの小麦を主食にすることが多い夏に対して、秋になってくると一般的に玄米や粟・稗などの雑穀が美味しくなり、さらには圧力鍋で炊くもっちりとした玄米ご飯が一層美味しく感じられるようになります。食べ物の選択は誰もが直感的に行っていることですが、身体の本来の声に耳を傾けると環境や体調と調和がとれた料理を作ることができます。

桜沢里真先生は「正しい食べ物と正しい食べ方を守ってください」とおっしゃっていました。

「正しい」というのは陰陽バランスが調っていることです。それが家族の健康と平和を守り、家庭の平和がいつしか世界中へとその波が広がっていくという「食べ物」による世界平和への願いが込められています。

 

自然の恵みと正食


今、津軽地方では一面稲穂が垂れ下がり、黄金色のジュータンが敷き詰められている中で稲刈りが始まっいます。陰性に向かうこの時期に春、夏からの自然のエネルギーをたっぷりとため込んだお米がちょうどの時期を見計らって現れてきます。

そして、あちこちの家の軒下や庭では、越冬のためのダイコンやハクサイ、カブなどを天日に干している光景を見かけるようになるのですが、この秋の風物詩も陰陽の法則に沿った先人の知恵と感心してしまいます。

 

命を操る術


マクロビオティックに出会って30年以上になりました。宇宙の秩序通り、山あり、谷ありの陰陽のメグリを繰り返してここまで生かされてきています。「陰陽のメガネ」を通して過ごしてきたこの30年で命を自由に操る術を手に入れつつあること、そして料理を通してそれを伝えられることに日々喜びを感じています。

 

古川 惠美子/こがわ えみこ

青森県弘前市生まれ。1994年より青森市にてクッキングスクール リマ青森校主宰。同市内にて「マクロビオティックたちばなや」を経営。子育て奮闘中にマクロビオティックと出会う。現在は保育園給食のメニュー開発にも携わり、県内の子供たちの育ちに関わっている。また食育ボランティア団体「あおもり食命人」の立ち上げから関り青森県民の食生活改革の活動を行っている。

 


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