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『月刊マクロビオティック』2021年11月号おすすめ記事

特集「陽から陰の季節 田舎の冬支度」

 

晩秋の風物詩 干し柿

奈良県五條市 和田 尚久

 

お盆を過ぎる頃から昼夜の温度差が気になる季節となります。私にとっては非常に大事なことです。なぜなら、私が住む奈良県五條市は日本一の柿の産地で、王隠堂農園という農園で働いているからです。

9月末に出荷する柿は色付かないと出荷出来ません。この地域は中山間地帯であるため、お盆以降昼夜で10度ほどの気温差となります。この温度差が柿の色付きと関係しており、昨今、温暖化の影響で色付きが年々遅くなっているため、この時期、毎年作柄がどうなるのか、夏休み後半に突入する学生の気持ちと同じような複雑な気分になります。

今年は幸い順調にお盆以降夜間の気温が下がり、朝方にはタオルケットがないと寒いくらいです。寝床で朝方、嫁が「嫌な季節になるぁ」とぼやいている横で私はタオルケットに丸まり心の中で(いいぞ、いいぞと)ほくそ笑んでいます。

王隠堂農園は創業当時から6次産業化(農業生産者が加工事業も行なっている)をしているところに魅力を感じ入社しました。「生産者が作った農産物を無駄なく消費する形を創る!」言葉で言うと格好がいいですが、これがなかなか大変です。世の中の農産物の流通は生産者は作る・仲卸が流通・卸をして小売が消費者に販売と分業制です。しかし、私たちはその全てを自分たちで行っているからです。でもそこが魅力。自分たちが作った物を自分たちで消費者に直接売れる! 販売にも熱がこもるわけです。

10月の青果出荷が始まると同時に干し柿加工も始まります。夕方、生産者から荷受けした柿を標高400メートルの山の頂上まで運び、翌日の干し柿の製造準備を行います。準備が終わる頃には山々は真っ暗。その山の頂上から五條市の夜景を眺めるのがこの時期の密かな楽しみになっています。田舎にいると季節の変わり目が都会と違い身に沁みてわかります。普通の会社にはない田舎ならではの特権です。

木枯らしが吹き始める休みの日には、3人の子どもたちに干し柿作りをレクチャーします。お正月用におじいちゃん、おばあちゃんにプレゼントをするためです。家族みんなであーでもない、こーでもないと言いながら子どもたちが干し柿を作るのを暖かく見守ることが恒例行事となっています。毎年、母が喜んでくれていましたが、残念ながら今年の
7月に母は亡くなってしまいました。今年は最高の干し柿を私も子どもと一緒になって作り、お正月に天国の母へ届けようと思います。喜んでくれるかなぁ。

 

和田 尚久/わだ なおひさ

25歳に時にUターンで地元に戻り、改めて地域の名産である梅、柿のすばらしさに気づき、農業生産法人「王隠堂農園」に入社。現在22年目。主に加工事業に携わり、干し柿の加工、販売などに携わる。

 

 

手作りという生き方

長野県大町市 山賀 克巳

 

信州の秋は早い。夏の終わりから鳴いていたひぐらしも今は静かである。軒下には春さきに割った薪がきれいに積まれていて、寒くなるのを待っている。朝晩は肌寒いとはいえ、さすがに薪ストーブに火を入れるには季節が早過ぎる。ストーブのガラス越しに明滅する火が見られないのは寂しい。

ただ、我が家には薪風呂と、煮炊き用のクッキングストーブがあるので、薪は毎日使う。秋の高原の朝は寒い、自分で薪を焚きつけ、妻が豆乳チャイを淹れる。また、玄米も薪火で自然塩少々と天然水、内鍋の活躍でおいしく炊ける。春には山菜づくしのおかずとごま塩があれば十分に豊かな食卓となる。涼しくなるとシャワーではなく、薪風呂が活躍する。さわらの浴槽は貰い物で、孔をあけて薪ボイラーを繋いだ。天然水のお湯は薪で熱せられ、水分子クラスターが小さくなるせいか、柔らかい肌触りである。温泉好きな妻が嘆くほど、近頃は自宅の風呂で満足している。

ときどき「生活力」とは何かと考えることがある。火は山の木を伐りだし、水は集落の湧き水で賄う。生活の根幹となる火と水が直接手に入ることは、お金以上の豊かさをもたらしてくれる。東京生まれの自分も、ようやく本当の生活力が身についたように思う。

我が家ではテレビ、新聞からの情報を断ち、医者に頼らない健康的な生活を心がけている。それには血液を清浄に保つことが大切だと思う。昨今の減塩の風潮は勘違いから来ているようだ。しかも、市販の醤油、梅干、味噌は塩化ナトリウム入りのまがい物が多い。我が家では自然塩でのもろみの仕込みから始まり、味噌と梅干しも手作りしている。入手困難なものも多いが、手作りすればなんとかなる。

その中でも一番大きな手作りが、家を自分の手で建てたことだ。家づくりは楽しいので、人に任せてはもったいない。自分でやれば、材料と時間をかけるだけで済む。人はよく「先立つものはお金」と云うが、最初に必要なのは願うことだと思う。明確となったビジョンにはシンクロが起こり始め、形が与えられる。少し飛躍的に言えば、量子力学的に思いは現実化する。ならば、あくせく稼ぐよりも、薪を割って生活しよう。そして、薪を楽しんで積もう。時おり開け放たれた浴室の窓から、昇る月を眺めることがある。そのとき田舎暮らしは完成する。「日入り果てて、風の音、虫の音など、はた言ふべきにあらず(枕草子)」と口ずさみながら今宵も過ぎてゆく。

 

山賀 克巳/やまが かつみ

美麻工房主宰。東京生まれ。20代でマクロビオティックに出会い、関係書籍などで独学、実践する。その後渡航し海外生活を経験。帰国後、翻訳業を経て都会を脱出。ログハウス施工会社で建築のノウハウを身につける。長野県大町市(旧美麻村)に移住し、現在は薪ストーブの設置・煙突取付工事・リフォーム工事などを中心に活動。
HP:http://miasa-workplace.com/

 


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