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『月刊マクロビオティック』2022年1月号特集

特集 ホテル総料理長から保育園に転身。北爪雅信さんに聞く

未来をつくる子どもたちへ

 

ホテルでの経験が活きる


森:ホテルでの経験を活かせている部分は何かありますか?

北爪:あります。森の保育園の場合は、「給食は子どもたちへの『アファメーション』、『あなたには価値がある』っということを知らせるために給食を出している、という考えですから、盛り付けも綺麗にやってください。サラダのキャベツが飛び出ていたりは駄目です」ということを長野社長から言われています。ですから、なるべく綺麗に盛り付けしています。

私が入ってからは玄米の野菜寿司をしたり、いなり寿司をしたりと、メニューも少しずつ変えて見栄えのするメニューにしています。

おやつも盛り付けを変えたりしています。先日もリンゴとみかんだったのですが、これまではリンゴは櫛形に切って出していたのですけど、昨日は輪切りにして、芯を星形とか熊さんやハート形に抜いてあげて出したりして、少しずつ変えています。お誕生日会が毎月一回、第一水曜日にあって、その時はケーキのようなおやつを出すんです。そういう時にも蒸しパンを使ってトライフル(イギリスのデザートで、カスタードやスポンジケーキ、フルーツなどを器の中で層状に重ねたもの)みたいなものを作ったのですが、カスタードも豆乳と米粉にカボチャパウダーで黄色くして、バニラエッセンスをちょっと入れてカスタードのようにしました。

それから、豆であんこを作って羅漢果で茶色くすると栗の餡のようになるので、それをモンブランの口金で絞って、モンブランみたいなケーキを作りました。

森:大変そうですけど、ホテルの調理と保育園の調理、どちらが楽しいですか?

北爪:ホテルの総料理長になってしまうと、マネージメントや会議が多くて、料理を作る時間が少なくなるんです。メニューは書くのですけれど作らせて味見、みたいになって現場に立つ時間がで制限されます。そういう意味では今の方が楽しいです。

森:そうなんですね。

岡田:保育園の総料理長という今のお立場でのお仕事は、何がメインなんでしょうか?

北爪:肩書きは総料理長ですが、主にやっているのは給食と洗い物です。(笑)

森:メニュー作りはされているのですか?

北爪:メニューは管理栄養士が作っています。私が入ってからは、できたメニューをチェックしたり、新しいメニューを少しずつ提案して、毎月1〜3個入れるようにしています。

森:小分けにするとか、海苔で巻くなどの提案も北爪さんからですか?

北爪:栄養士さんと話をして決めているのですけど、そこに私が、キャベツで巻いてみよう、白菜で巻いてみよう、ちょっとした提案はしています。ただ、海苔だとよく食べるんですよ。(笑)

森:子どもは海苔が好きですからね。

北爪:あとは盛り付けの提案です。カレーライスが食べにくい子には、カレーソースを下に敷いてボールにしたご飯を置く、というような盛り付けに工夫する提案をしたり、効率のよい作業の流れとか、野菜の切り方とかです。

森:そうなんですね。

北爪:普通は、管理栄養士の方はあまり調理しないですよね。メニューだけ作って調理師さんが調理しますけれど、森の保育園の場合は、管理栄養士がメニューも作るし調理もするんです。今の管理栄養士になってから変わったようです。それまではヴィーガン、つまり玄米と野菜だけみたいな給食をやりたがらなかったらしいです。

岡田:たんぱく質はどうするの?とかありますよね。

北爪:今の管理栄養士のお父様の病気が食事で改善したことから、自分でもヴィーガンや「食」に興味を持って取り組むようになったそうなんです。ですから、今の管理栄養士さんがいなかったら、保育園の今の給食はなかったかな、と長野社長も言っています。

森:その管理栄養士さんは、リマには通われていないですよね?

北爪:通っていないです。長野社長からは、料理教室をしようという話もあって、マクロビオティック発祥のリマでちゃんと習っておいたほうが説得力もあるということで「リマへ行って学んできて!」と言われて、私が通うことになりました。

 

リマを受講して


北爪:ベーシックコースですから、本当に基本の「き」を教わった感じがあります。マクロビティックに関しては素人だし、そういう意味でやはり基本から学べて良かったと思っています。そもそも、マクロビオティックが日本発祥とは知らなかったです。完全に外国のものだと思っていました。(笑)

森:長野社長と関わる前からマクロビオティックのことは知っていたんですか?

北爪:知っていました。ホテルの時に野菜は丸ごと全部使う、というようなレシピが来て、マクロビオティックの団体さんに料理をお出しする宴席もあったので言葉自体は知っていたんですけど、カタカナだし、完全に外国のベジタリアンの並びのものと思っていました。それが一番衝撃を受けたことです。

やはり、講義で一物全体とか身土不二などの話を聴くと、「なるほどなー」という感じでした。それを桜沢先生は100年くらい前から関わっていて、しかもそれを外国に行って広めていたのですよね。「すごい人がいたんだな」と思いました。

岡田:実際にリマに通って雰囲気などはいかがでしたか?

北爪:生徒さんの中にはご年配の方がいたり、保育士さんや看護師さんもいたり、自分でエステをやってる方がいたり、いろいろな人が通っていて「すごいな」と思いました。あとは名古屋教室がいっぱいだったので東京に来ちゃいました、という方もいたり…。

森:いましたね。

北爪:授業で私の他に男性がもう一人いて、完全に調理をやってる人かと思ったら全然違って、「中国で陰陽を少し勉強して、興味を持ったので来ました」と言っていて、いろんな方が自己研鑽に来てるのだろうと思いました。

それから、もちろん他にも食事には気をつけていますが、必ず一日一食は保育園で玄米菜食をしていて野菜をたくさん食べているから、すごく便が出ますね。それには驚いてます。その分痩せているんですかね。

自分でも圧力鍋を買って、玄米を炊いて食べているのですけど、ほとんど肉とか魚類はあまり食べなくなりました。なんとなく、あまり食べたいと思わないですね。

それから、五感を使う、みたいな部分ですね。ホテルでも、味はもちろんですが、音や香り、つまり聴覚や嗅覚は使っていましたが、炒めている時の音や香りの変化とかについては「なるほどな〜」と思いました。ホテルでも当たり前のようにやっていますが、先輩は誰も教えてくれないんです。こうやるもんだ、という感じです。なんとなく教えられてそ
の通りやっているだけで、「なぜ茹でる時に塩を入れるんだ?」と訊いても「先輩が入れろ、と言っていたから」という人が多いんです。

それを突き詰めていくと、基本的なことにぶつかりますね、「人参の蒸し煮」とか。ホテルだとオニオングラタンですね。玉ねぎをアメ色になるまで炒めて甘みを出して、というのがありますが、野菜の持っている味を最大限に活かす、本当にマクロビオティックの一番の特徴でもありますね。

岡田:嬉しいですね。

森:私も嬉しいんですが、どれだけやりづらかったか…(笑)。意識しないようにして、他の生徒さんと同じように授業をやっていましたよ。

北爪:森先生が私に振るんですよ。「北爪さん、やってよ」って(笑)。

森:技術はプロですから。全然私よりも上なので、他の生徒さんも北爪さんの技術を見ると喜びますし。

北爪:そうそう、コールスローを忘れちゃったとかで、キャベツの千切りをやらされたことがありましたね。「いやー、こんなところで手を切ったらマズイな〜」って思いました(笑)。

森:あの時は助かりました。

北爪:ドキドキしながらやってました(笑)。

森:私たちも最初デモを見せる時に、手を切ったらマズイって意識しますよね。

岡田:しますね。

北爪:包丁がよく切れるので、スゴイな〜と思いました。研いでいるんですか?

森:期ごとに業者に研いでもらっています。それはよくやってもらっています。

北爪:ただ私はフレンチで洋包丁でしたので四角い菜切り包丁は使い慣れていなかったのですが、すごく包丁が切れたのでやりやすかったです。回し切りをするときも。

岡田:リマで勉強されたマクロビオティックの料理法や考え方は、保育園に少しずつ取り入れていらっしゃるんですか?

北爪:ホテルでも保育園でも今までは玉ねぎとかの芯の部分は捨てていたのですが、最近は芯も入れています。そういう部分から少しずつ変えています。

森:ところで、岡田先生の授業はまだ受けていないですか?

北爪:まだないです。

森:岡田先生、手を切らないようにしてください(笑)

北爪・岡田:笑!

 

給食がさらにおいしくなった!


岡田:お話を伺っていると、北爪さんは保育園に入られてイキイキされているような感じを受けますね。

北爪:楽しいですよ、毎日疲れるけど(笑)。やはり、子どもたちの顔を見てると癒されますね。

森:そうですよね、元気ももらえますし。

北爪:最初は私の顔を見ると泣いて逃げていたお子様が慣れてきて、何か食べさせたりすると食べてくれるようになったり、嬉しいです。

今、給食の時に料理の説明をしています。「今日のお料理を説明しまーす!」って。「何が入ってるかわかりますか?」みたいな感じで、興味が出ますよね。「はい! はい! はい!」ってみんな手を挙げてくれるんです。例えば、冬瓜だったら皮を剥いたら白いものがあって、あんかけにしたら何かわからないですよね。ですから「これが冬瓜でーす!」と見せるんです。そうすると、食べてみよう、となってくれています。

岡田:子どもたちは興味が湧きますね。

北爪:カボチャが嫌いな女の子がいるのですが、この前、カボチャで目玉焼きを作ってあげました。

森:カボチャで、ですか?

北爪:黄身がカボチャです。豆腐に片栗粉と長芋を入れるのですが、小さい子には長芋は入れないですよ、それをフードプロセッサーで和風だしを少し入れて、それが白身になります。黄身はカボチャパウダーを入れて黄色くして、それを搾り袋に入れて出すときれいに丸くなるので、フライパンで焼いて目玉焼き風ができるんです。

その子が「カボチャ入ってる?」っと訊くので、「うん、入ってるよ」と言うと、「じゃ、イヤ!」と言うので、「心を込めて作ったんだよ! 美味しいから食べてごらん!」と言うと食べてくれて、「おいしい!」って言ってくれたんです。

森:食わず嫌いだったんですね。

北爪:そういうことを毎日やっています。最近では、保育園に行かない日があると「何で来なかったのー?」とか言われたりしますね(笑)。

森:子どもは素直ですね。

北爪:最初、ボランティアで行っていた頃、「どこから来たの?」と訊かれたので「宇宙から来たんだよー」とか言っていたら、あるお母さんから電話があったそうなんです。「最近、白い服を着た宇宙人が保育園に来ているって言っているんですが、誰なんですか?」って。

一同:

北爪:いやー。子どもって正直ですねー。「今度、お母さんに挨拶してくれますか?」と言われて夕方お迎えに来たときに「私が宇宙人の北爪です。決して怪しいものではありません」と、ご挨拶しました(笑)。

一同:

北爪:もう変なことは言えないな、と思いました(笑)。でも、「白い服の人が来てからね、給食が美味しくなったの。」とか言ってくれる子もいたりするんです。嬉しいですねー。

森:それは嬉しいですよね。

岡田:素晴らしいです。

 

今後について


森:本社はどちらですか?

北爪:本社は田園調布で2020年11月1日に「カバン・ド・レザン」という子育て支援クラブが本社の近くに設立されたのですが、そこは預かり保育とか学童とか訪問保育とか、家事手伝いとか、お母さんのためだったら何でもやる、という所です。先日は、「新しいマンションに引っ越しをするんだけど、小さい子がいるので荷物の整理ができないから、ちょっと片付けに来てくれる?」みたいな依頼があって4時間保育士が行ったり、ご自宅へベビーシッターに行ったり、塾の送り迎えとか、何でもやっています。

そこでは将来派遣業を始めて、優秀な保育士を派遣して、森の保育園みたいな保育園を全国に作りたい、と長野社長は言っています。

それから今、長野社長が考えているのは、公園の中に24時間365日の保育所を作りたい、ということです。虐待とか、いじめとか、そういうことが起きている、だから、駆け込み寺ではないですが、シェルターという言い方もされるのですけど、夜でも不安な時、大変な時に、いつでも来られるような保育所を作りたい、と言っています。「だから3交替に
なるよ!」みたいなことを言われているんです。(笑)

森:長野社長から頼りにされていますね。

岡田:ますます北爪さんの役割も大きくなっていくと思いますので、今後もご活躍を期待しています。ベーシックUコースもお待ちしております。

編集部:北爪さん、本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

 

 

きたづめ まさのぶ
1958年5月17日生まれ、63歳。栃木県宇都宮市出身。1979年赤坂プリンスホテル入社。1996年レストラン「ブルーガーデニア」料理長。2002年赤坂プリンスホテル料理長。2005年東京プリンスホテルパークタワー料理長。2009年ザ・プリンスパークタワー東京総料理長。2011年グランドプリンスホテル広島総料理長。2012年ザ・プリンス軽井沢、軽井沢プリンスホテル総料理長。2018年新横浜プリンスホテル 衛生管理。2021年4月「育児サポートカスタネット」入社。「森の保育園」総料理長。

<受賞歴>
1988年さっぽろ国際料理芸術コンテスト 団体部門 東京代表 銀メダル受賞。1989年ピエールテタンジェ国際料理賞コンクール日本予選優勝。日本代表としてパリ本選出場。


施設情報運営:株式会社 育児サポートカスタネット


森の保育園
住所:東京都大田区仲池上1-31-13 3階 TEL:03-3754-2525
入園募集定員(年齢別):0歳児:6名/1歳〜5歳児:各10名
交通のご案内:都営浅草線「西馬込」駅より徒歩16分/東急池上線「洗足池」駅より東急バス「大森駅行き」→「道々橋」停留所下車徒歩1分 都営浅草線「馬込」駅より東急バス「上池上循環バス(内回り)」→「上池上」停留所下車徒歩3分
http://mori.castanets.jp/


子育て支援クラブ caban de raisin(カバン ド レザン)
住所:東京都大田区田園調布2-40-19 フォースDC1階 TEL:03-6822-3986
交通のご案内:東急東横線・目黒線「田園調布」駅より徒歩2分 田園調布小学校隣
http://www.cabane-de-raisin.com/


 


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