日本CI協会はマクロビオティックの創始者桜沢如一によって創設された日本で最も歴史のあるマクロビオティックの普及団体です。

home クッキングスクール イベントのご案内 書籍紹介 ショップ・レストラン情報 リンク アクセス お問い合せ

活動と入会案内

■協会からのごあいさつ
■概要
■理念
■沿革
■『入会のご案内』
■マクロビオティックとは
・辞書で引くと・・・
・桜沢如一・桜沢里真
・コラム
■研修制度

スタートセミナー日程



健康・病院案内

■健康相談
■定期健康講座
■病院案内

月刊マクロビオティック
食養生や料理レシピなど最新情報が満載です。

■最新号目次
■ご入会の案内
■図書館



マクロビオティック商品の商社オーサワ

リマネットショップ

 

 
Home月刊マクロビオティック > 抜粋記事〜今月のおすすめ記事

『月刊マクロビオティック』2022年2月号特集

特集 旧暦の正月によせて「暦のおはなし」

 

旧暦と棚田

NPO法人棚田ネットワーク事務局長 高桑智雄

 

一般人が暦を編むことは決して許されなかった


「世が世なら勝手に暦を編むことは死罪だよね」

平成26年(2013)に初めてNPO法人棚田ネットワークで「旧暦棚田ごよみ」の制作を開始した時、スタッフと交わした言葉でした。

そもそも日本で明治5年(1872)の改暦の令により明治6年1月1日から西暦(グレゴリオ暦)が採用されるまで使われた太陰太陽暦(現在では新暦である西暦に対して、旧暦と呼ばれる)は、推古天皇朝の頃に中国から伝来したもので、長らく朝廷の陰陽寮に勤務する陰陽師たちが、暦道として中国の暦を研究しながら制作してきたのです。貞享2年(1685)、渋川春海(1639〜1715)によって初めて日本人による暦法が作られ、貞享の改暦が行われてからは江戸幕府の天文方に実権は移りましたが、明治3年に陰陽寮が廃止されるまでは、暦の編纂・制作は陰陽師たちの特権であって、一般人が勝手に暦を編むことは決して許されないことだったのです。

今年10周年をむかえた「旧暦棚田ごよみ」の表紙。写真は輪島市白米千枚田の幻想的な夕暮れ

 

暦を制するものは国を制する


明治維新後、西暦になったとしても、暦の編纂は政府の許可による専売制であり、一般の人々が勝手にカレンダーを作ることができるようになったのは、昭和21年(1946)の戦後になってからでした。

今の私たちの感覚からすると、たかだか暦にそこまでと思うかもしれませんが、暦は人々の生活リズムを管理できる重要なアイテムであり、今も昔もその国民を支配するためには、まずは支配者側が暦を制定することがとても大切だったのです。明治維新後、日本が飛躍的な西洋的近代化を成し遂げることができたのは、古代から連綿と続く東洋の時間軸である太陰太陽暦を廃止し、西洋の時間軸である太陽暦を採用したことに大きな要因があるのです。

つまり、日本人はそれまで、月という夜の時間(目に見えない精神世界のリズム)を大切にする文化を捨てて、太陽という昼の時間(目に見える物質世界のリズム)を大切にする文化へと、その時移行したともいえるのです。

 

なぜ棚田と旧暦なのか?


棚田保全の活動費捻出のために棚田カレンダーの制作を企画するにあたり、平坦地の水田に比べて「労力は2倍、収量は半分」といわれ、その生産性の低さから合理性が追求される時代にあって、どんどん転作や放棄されてきた棚田を、これからの未来に残したい、そして経済性だけではない棚田の大切さを伝えて行きたいという想いと合理性の象徴のような西暦がどうもフィットしないのではとの意見がでました。

むしろ日本の伝統が育んできた時間のリズムであり、合理性を優先する時代に廃止され、忘れられていった旧暦は、棚田の運命とどこか似ていて、旧暦と棚田を組み合わせることが、より私たち日本人が忘れてはならない感性や精神を思い出させる生活アイテムになるのではないかということになりました。

 

そもそも農業は旧暦でないとできない


また、棚田のように農業に関わる分野と旧暦の親和性もありました。そもそも農業は旧暦でないとできないといわれ、各地の農事暦といわれるものは、旧暦をベースにしないと成り立ちません。

農に携わる人々は、自然環境を直接的視覚的に捉えていかなくてはなりません。月の満ち欠けは人がその空間の時間を把握するために最初の目安になるものです。また植物の芽吹きや成長、動物の動き、風や天候の動き、山の雪解けの形などで知れる農作業のタイミングと旧暦は見事にリンクします。

太陽の動きだけを見ていても、その傾斜角度や日照時間などは直接的視覚的に把握することは難しく、だからこそ観測技術や計算技術という分析科学が西洋には発達したともいえるのです。

 

世の中の旧暦カレンダーのほとんどは旧暦付き新暦カレンダー


バブル崩壊後、エコロジーや伝統文化への注目が増してきて、旧暦の要素である月の満ち欠けや二十四節気、七十二候などへの関心はだんだんと高まって来ました。そんな時代背景の中で、いま巷には旧暦カレンダーというものがたくさん発行されています。

しかし、そのほとんどは、西暦である新暦をベースにして、旧暦の情報を付記するという「旧暦付き新暦カレンダー」です。ところが「旧暦棚田ごよみ」は、旧暦をベースにして、新暦を付記するという正真正銘の「旧暦カレンダー」です。つまり、今年のカレンダーの始まりである1月1日は、新暦の令和4年2月1日となり、そこから次の新月までが睦月となるのです。また、旧暦は月の周期である平均29・5日を一月とするため、そのままだと季節がどんどんズレていくことになります。そのため3年に一度、そのズレを調整するため閏月を入れて13ヵ月になることもあります。

多分合理的な精神では到底「使いづらい」ということになると思います。しかし棚田も旧暦も使いづらいからといって捨ててもよいものでしょうか? そこには日本人が自然と折り合いながら微調整を繰り返し築いてきた美しい感性に溢れています。みなさんも今年から旧暦生活始めてみませんか!

 

写真家、青柳健二さんの12地域の絶景棚田を掲載

 


令和4年版「旧暦棚田ごよみ」
価格:1,300円(税込)

※ミニブック「旧暦棚田読本」が付きます。
※下記サイトやアマゾンにて購入できます。

棚田ネットワーク「旧暦棚田ごよみ」特設サイト
https://tanada.or.jp/tanada_goyomi/


 

高桑 智雄/たかくわ ともお

1999年に日本CI協会に入社し、故・大森英櫻のアシスタントを担当。2011年より桜沢如一資料室および陰陽研究会の中心メンバーとしてマクロビオティックの普及に努める。認定NPO法人「棚田ネットワーク」事務局長。

 

 

 

 

月の満ち欠けとカラダ

たまよろ庵主宰Yuki☆

 

カラダのこよみ


今期の冬はたくさんの天体ショーに出会うことが出来ましたね。珍しい新月・満月での皆既月食や皆既日食に、思わず空を見上げて写真に収めた方も多いのではないでしょうか。

その一方、私のところには、天体ショーの前後に体調を崩したり崩すほどではないけれど眠気に襲われた、なんとなく胃の調子がおかしい…といった方が数多くいらっしゃいました。これはどういうことなのでしょうか。

月の満ち欠けと身体(特に内臓)は密接な関係にあります。古代より月は女性の身体と密接に結びつき、また内臓には全て月が入ることからも、月のリズムや満ち欠けに私たちの体内バランスはとても大きな影響を受けることが分かります。満月に出産が多かったり、月経も名前からして月の経過と共に私たちの子宮が成長し排卵を繰り返し、また月経を迎えて新しいサイクルに入る、という意味が含まれているのでしょう。

私が皆さんにお伝えしている「チネイザン」は、古代中国に伝わる陰陽五行と内臓、そして感情の関係について深く教えてくれます。また、この内臓のサイクルも、月のリズムに従って活発になったり少し停滞したりを繰り返しているのです。

今回は、1週間ごとに移り変わる月の様相と内臓の関係、その時期にオススメのセルフケアについてご紹介していきます。

 

宇宙とつながるココロとカラダ


今期の冬はたくさんの天体ショーに出会うことが出来ましたね。珍しい新月・満月での皆既月食や皆既日食に、思わず空を見上げて写真に収めた方も多いのではないでしょうか。

「肝・胆」は怒り、ストレス過多が原因で、目の疲れ、肩こりなどの筋肉疲労、爪の異常などの症状が出ます。肝は体の中ではデトックス機能を果たす役割で月のリズムでいうところの「新月期」にあたります。新月の頃は体が軽く、活発になり、新しい芽吹きのエネルギーが生まれてきます。何事も手放しやすくなるので、プチ断食をしたり、断捨離をしたりするのにとても適した時期となります。また、新月がどの星座に入っているかでその意味も変わってきます。新月は目を休めて、リラックスするのが最高の過ごし方です。

新月の1週間後に来る上弦の月に対応するのは「心・小腸」です。活発に動いていた影響で少し忙しさが募り、お腹がパンパンになる時期です。睡眠とも深い関係があるのでお腹が張っていると深い睡眠がとれにくくなります。そんな時はみぞおちにある心の反射区を押して詰まりを流すとよいでしょう。更年期世代の方は特に、上弦の月の時期に症状が現れやすいので、無理をしないで睡眠時間をたっぷりとるようにしてください。

その1週間後は満月になります。対応する臓器は「肺・大腸」。この臓器は悲しみ、失望感、孤独感などと関係が深く、皮膚や呼吸器にその影響が現れます。自分が大切にされていないストレス下で働いていると蕁麻疹が起きたり、アトピー性皮膚炎を発症したり、と「自分を大切にすること」と関連した不調が現れてきます。新月とは真逆で、膨らんでいく月を見ると食欲が増してしまい、いつも以上に食べ過ぎたり、月の引力の影響で身体はとても浮腫みやすくなるので、太りやすい時期になります。満月は「足るを知る」ということがテーマで、今あるものに感謝することで内臓のエネルギーが高まると、「もっともっと」という渇望の欲求がなくなり、暴飲暴食が収まります。ただ、これは考えているだけでは難しく、肺・大腸の出先機関は皮膚なので、満月には皮膚を通じて、満たされていない自分を癒すことが最大のテーマとなります。大好きなアロマオイルでお腹をマッサージし、いつも頑張っている自分や家族に感謝することがとても大切な時となります。ティトリーやユーカリ、ラベンダーやフランキンセンスなど、呼吸が深くなるアロマがオススメです。

その1週間後は下弦の月になり、対応する臓器は「腎・膀胱」となります。満月に摂り過ぎた食べ物の影響で下半身が冷えて浮腫みやすく、この時期には水分調整をしてもらえる食材(ハト麦、小豆、切り干し大根などの乾物)を多く摂り、適度な汗をかくことがとても大切になります。私のオススメは浄化を促してくれるエプソムソルトにジュニパーというアロマの精油をたらした「お風呂チネイザン」。お風呂に入ることで内臓の重さは1/5になり、また温浴効果で汗をかきやすく、余計な水分の調整をしてくれます。

最後に、この4つのフェーズの移り変わりの時期(約1・5日)に当たるのが「胃・脾」という変容のエネルギーを持つ臓器になります。大きく太陽暦で見るところの土用に当たるこの臓器の時期は体調を崩しやすく、特に消化器に不調が出やすい時期になります。また、この時期は不安や心配事などが増える時でもあります。夜になって不安や心配なことが次々と思い浮かんでついつい食べ過ぎてしまったり、夜更かしをしてしまいがちな時は、「大丈夫だよ」と自分自身に話しかけながら、お腹全体をマッサージしてみてください。

私たちの感情も内臓も全て月から(大宇宙から)大きな影響を受けています。自然の営みに上手に乗って心と身体のリズムを整え、やりたいことをやりたい時に思い切りできる自分に生まれ変わっていきましょう。28日間で驚くほど体は変わります。今日からセルフチネイザン的ムーンライフを楽しんでいきましょう!

 

Yuki☆

社)内臓マッサージ協会代表理事、心理アロマアドバイザー、 チネイザンセラピスト育成スクール「たまよろ庵」主宰。著書「気内臓デトックスマッサージ」(KADOKAWA)他。マクロビオティックと温泉をこよなく愛する1児の母。


【前のぺージ】【1】【2】

 

ご購読