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『月刊マクロビオティック』2022年6月号特集

特集 無添加・手作りにこだわった「漬物大好き!」

 

日本が世界に誇る発酵食品文化。その粋とも言える「漬物」。その漬け方や素材のバリエーションたるや他国に類を見ることは出来ません。

古代から日本人の舌を愉しませ続けてきてくれた漬物たちですが、子どもの口にはあまり馴染まないようで苦手な子も多いようです。しかし、どなたでもご承知のように、歳を重ねるにつれ、その独特な味や香り、食感に魅了されてしまいます。そんな不思議な魅力溢れる食品。それこそがまさに漬物だと言って良いのではないでしょうか。

植物性、動物性を問わず、ほとんどの食材が漬物として成立します。そのバリエーションは言うに及ばず、塩、酢、ぬか、麹その漬け方も様々です。古代からの日本人の漬物への情熱と工夫に対して感謝の念を禁じ得ません。さらにその情熱は現代でも少しも損なわれることはなく、近年ではアボカドのぬか漬けなど、カタカナの素材もどんどん漬物の仲間入りを果たしています。突如世間を騒がすほどの塩麹の流行や、自家製ぬか床に挑戦される方も増えていると聞きます。

そうした間口の広い漬物のどこにフォーカスしたなら皆様の参考となり、喜んでいただけるかを検討した結果、「ここはひとつ無添加にこだわってみようではないか」との意見も多く、マクロビオティック誌ならではのユニークな視点から、再び「漬物」について考察してみようということになりました。

今月の特集は人々のそんな漬物への想いと、各地の伝統に根ざしたとっておきのいただき方をご紹介します。「こんな食べ方もあったのかぁ」 と、きっと驚くに違いありません。漬物への固定観念がすっかり変わってしまうかも知れません。どうぞお愉しみください。

 

こだわりの漬物たくわん

クッキングスクール リマ 室井 千絵子


秋から冬にかけて作るたくあんが、私のこだわりの漬物です。今は亡きクッキングスクール リマ 松本光司 元校長に講座で教えていただいたのが、初めてのたくあん作りのきっかけでした。たくあんは、日々の基本食で玄米ご飯に添える欠かせない漬物。材料はいたってシンプルで大根と塩と糠、旨みや甘さを加えるために昆布と唐辛子と干した柿の皮。保存性も良く、毎食摂りたい発酵食品で、マクロビオティックの食事を続けていくのには、自分の手で作りたいと思いました。

購入した生の大根を干して作ることからスタート。甘みを足すために柿の皮の干したものが必要で、秋には渋柿を求め、皮を剥いて干し柿作りも手仕事のひとつになりました。自分で作ったたくあんを食べられるだけで感動しましたが、一本の大根に太い部分、細い部分があり、干し具合に違いが出て、味のばらつきが気になりました。たくあん作りをして
いる農家さんに聞くと、なんと! たくあん向きの大根があるというのです。太くなり過ぎず真っ直ぐ長く伸びる品種で、腕の太さと長さくらいのものです。でも手に入らない…。

これは作るしかない! と今度は畑にも挑戦です。でもそれは簡単ではありませんでした。土が固くてまっすぐに伸びず、途中から二股、三股に分かれてしまい、引き抜くのさえ苦労しました。種を蒔く時期がほんの少し遅れて、大根が育たずに失敗し、農家さんに分けていただき作ることに。大根の出来具合、干し具合、時期、塩の加減、重しの量も干し具合によって変わったりなど毎回が実験のようです。

年間を通して梅干し、干し芋、切干大根、たくあん、味噌など保存食作りをしています。手作りをきっかけに畑仕事をするようになり、それに合わせた季節の仕事があり、四季折々を体感しながら一年の循環の中でより豊かな生活を送れるようになったことが一番の収穫だと思います。これからは地域の若い世代にも、心豊かに暮らせるように、手仕事時間を伝えていきたいですね。最後に、おいしくたくあんを漬けるコツは…毎日声をかけてる(様子をみる)ことかな。

 

室井 千絵子/むろい ちえこ
保育士、学童指導員、子育て支援員など子どもと関わる仕事を通して、子どもと親に食の大切さを伝えている。地元を中心に料理教室を主催し、マクロビオティックの普及に努める。自然の多い那須での暮らしの中で、畑仕事やガーデニング、手仕事などを楽しむ。

 

 

 

京都漬物事情

クッキングスクール リマ 認定インストラクター 鈴木 直子


「あのお店の辛子茄子は最高ぇ。でも、大根はなぁ〜、今一つやなぁ」「白菜は糠漬けがやっぱりええなぁ」「今年のすぐきのできは今一つやね」「ぬくうなってきたなぁ、そろそろ千枚漬けも終わりやね」。京都の人にとって、漬物は食卓を彩り、季節やその家庭の好みまで映し出す、なくてはならないおかずです。

もともと保存食として生まれた漬け物は長い年月をかけて工夫され、愛されてきました。京都の商店街には様々な漬物屋さんが並んでいます。季節の野菜にこだわる店、自家栽培や契約農家の野菜で漬ける店、原材料は無農薬野菜と塩のみという店、昔ながらの製法で作る店など。だからこそ、「この漬け物はあの店で」、「この漬け物は違う店で」と、それぞれのこだわりに合わせて選ぶことができるのです。

私の身近な京都人の好きな漬け物ベスト3は、すぐき漬け、柴漬け、壬生菜漬け、が断トツ。

サラダ感覚のものより、しっかり塩をして野菜の旨味を引き出したものが好き、という人が多いです。そんな人にとって千枚漬けはサラダ感覚とのこと。そんな千枚漬けも、甘酢を使わず昔ながらの漬け方でも作られているのが京都らしいところです。

すぐき漬けの乳酸発酵したあの独特のにおい、はじめていただいたときにはびっくりしました。でも、食べなれるとこのにおいが癖になってしまいます。その昔、すぐき漬けは上賀茂神社の社家の間でのみ作られていた高級贈答品。冬の間の新漬けの歯ごたえの良さ、初夏の酸味ののった時候なれの旨味と、季節によって様々な味が楽しめます。すぐきと塩だけで作られたとは思えない発酵の力はすごいです。

柴漬けもすぐきと同じように乳酸発酵による旨味が身上。建礼門院が大原に隠棲した時、里の人たちがお慰めしようと差し上げたとか。山間の大原は寒暖差が大きく美味しい紫蘇が特産、元々は茄子と紫蘇と塩のみで作られていましたが胡瓜や茗荷も美味です。みじん切りにしてご飯やタルタルソースに混ぜて使えば、食卓に彩も添えてくれます。

壬生菜は水菜と似ていますが、丸い葉っぱと辛みを持ち、歯切れもよい京都人の大好きな野菜。鮮やかな緑色が食欲をそそります。どんな美味しいものを食べても最後にはご飯と漬け物、壬生菜漬けは独特の辛みで口の中をすっきりさせてくれます。

京都には今でも限られた地域でのみ作られている伝統野菜や漬け物があります。京都は本当に奥が深いです。

 

鈴木 直子/すずき なおこ
エコール辻東京日本料理マスターカレッジ、寿司学院、カフェスクール、バーテンダースクール卒業の他、日本語教師の 資格を持つ。趣味は街歩き・山歩き、映画鑑賞、美術館へ行くことなど。人生のモットーは「笑う門には福来る」。

 

 

 

私のぬか漬けライフ

クッキングスクール リマ 認定インストラクター 平沢 きよみ


私がぬか漬けを始めたのは10年程前、母のぬか床を分けてもらったことがきっかけでした。

その後商品紹介のお仕事で「オーサワのぬか漬けの素」に出会い、自分でぬか床を興したところ、ぬかの嫌な臭いがない、漬けあがりも爽やかなとても美味しいぬか床が出来ました。そのぬかに母から受け継いだぬかを加えたところ、さらに深いうま味が感じられるぬか床になりました。

ぬか漬けでも役立つのは、陰陽の考え方です。ぬかは陽性な塩を使うのでカリウムの多い陰性な食材が合います。カリウムの多い食材はキュウリやナスなどの夏野菜ですが、バナナやアボカド、サクランボ等のフルーツもカリウムが多いので、ぬか漬けに合う食材であることがわかります。

また、大豆やひよこ豆をつけると、お豆の美味しさにぬか漬けの持つうま味成分であるアミノ酸が加わり、さらに美味しさがアップ。栄養面でもぬか床の栄養素と活きた菌も入るのでまさにスーパーフードに変身します!

一年を通し漬けているのは山芋や人参、キャベツです。春は、たけのこやこごみなどの山菜を硬めに茹でて漬けます。アスパラガス、セロリー、そら豆などの春野菜のほかにさくらんぼや梅も美味しく漬かります。

夏はズッキーニ、プチトマト等もお勧めです。秋は何といってもさつまいも。カットして硬めに蒸したさつまいものぬか漬けはおやつにも最適。そのほか巨峰やシャインマスカット、柿やイチジクも滋味が加わりとても美味しいです。冬は、大根やごぼうなどの根菜がやはり美味。

ぬか漬けは体を冷やすので、寒くなると自然と食べなくなってしまう人も多いようです。

ここでも陰陽で考え、食材を陽性な根菜類にしたり、日光に当てて陰性な水分を飛ばします。そうすれば体を冷やしすぎない寒い季節に合ったぬか漬けを楽しめます。

ぬかを良い状態に保つために大切なことは、ぬかや漬ける野菜などを有機栽培のものにして強い菌を育てること、そしてよく混ぜてあげることが大切です。そうすれば元気な菌が育ち、美味しいぬか漬けを作ってくれます。

陰陽を生活に取り入れ、健康的で美味しいぬか漬けライフを楽しみましょう!

 

平沢 きよみ/ひらさわ きよみ
小売店セミナーや体験レッスンなどを通じて、マクロビオティックの普及に努める。雑穀アドバイザー、食空間コーディネーター、准卓育インストラクター、統合医療コーディネーター、フラワーアレンジメントなど、多数の資格を持つ。趣味は歌舞伎鑑賞、美術鑑賞、読書。

 

 

 

金沢の羽山ごもり名物 白菜漬け納豆

クッキングスクール リマ アシスタント 長坂 茉乎


実家が福島県福島市にある金沢黒沼神社です。古い神社で、国定無形民族文化財「金沢の羽山ごもり」が旧暦(11
月16〜18日)に行われており、平安時代から連綿と続いてきた神事です。戦時中も密祭で行われ、コロナ禍でも宮司と役員の少人数で行われています。

かつては7日間、現在は3日間、神様と寝食を共にする神事です。食事はいわゆる精進です。女人禁制で家敷というヨメ、オッカア、バッパという役割を担う方がおられます。この神事にあたり、白菜を前もって漬け置き、出来上がった白菜漬けを3日間食べます。

3日目の早朝、まだ暗闇に満月の光が輝く時間帯に、羽山に登り、御ご託宣を受けます。それを「分付」と言い、玄米、麦、あわ、ヒエ等の穀類、大豆、小豆等の豆類、野菜類の取れ高、天候、雨、風、雪の量も知ることが出来ます。これは一年間の農業カレンダーを作るものです。日本人は農耕民族ですからそれが全てなのです。その他、世の中、火難、災難、盗難、交通事故まで、御託宣は続きます。13の神様が降り、御託宣は終わり、空が明るくなりはじめた頃に、山から下りて神事は終わります。

3日間過ごした「こもり殿」を片付け、最後の食事の準備をして待つのが限られた女性です。山を下り、始めて口にするのが「白菜漬け納豆」。3日間の労いの食事です。3日目の白菜は古漬けになり、これを納豆と混ぜたものをいただくのです。これが丼を取り合うほど大人気なのです。

真冬の白菜は甘く、白菜漬けは、古漬けなり酸味が出たものを、納豆大に角切りします。器に納豆に醤油と混ぜ、その上に切った白菜漬けを入れて混ぜて食すものです。3日間頑張ったご褒美です。

女性たちもこれを楽しみにお手伝いに入ります。白菜の古さ加減が絶妙で、納豆がそこに絡まり引き立てます。相乗効果で丼いっぱいに盛られ白菜漬けは次々にお代わりされ、あっという間に大きな丼はなくなります。

女性たちも家で真似をしようとしてもなぜかこの味にはならない! と首を傾げるほどなのです。神事の余韻と囲炉裏の匂いや、ご祈祷されたお塩や白菜のせいか? いろいろな要因があると思いますが。美味しいです。是非、ご家庭でも、乳酸発酵した白菜漬けと納豆のコラボにトライしてみてください。

 

長坂 茉乎/ながさか まこ
2009年マスターコース修了。受講中から助手見習いとなり、現在は助手として講師や受講生をサポート中。また、神事には必要不可欠な精麻(せいま)を使った飾り結びやアクセサリーなどを制
作し、日本の歴史と伝統を伝える活動をしている。日本人の生活や暮らし方は、まさにマクロビオティック。人間も自然の一部であることを大切にしている。

金沢黒沼神社HP
https://www.kuronumajinja.com/

 


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