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『月刊マクロビオティック』2022年8月号特集

特集 最も身近な「身土不二」 自家菜園を愉しむ

 

マクロビオティックには「陰陽バランス」「一物全体」「身土不二」という中心的な考え方があることは、読者の皆様はすでにご存知のことと思います。それは"We are what we eat."(私たちの身体は食べたものによってできている)という、極めて当たり前な考え方に依拠しています。さらに、身(カラダ)と土(自然環境)は分離したものではなく、ひとつの現象なのだと云う主張が「身土不二」と表現されているわけです。したがってマクロビオティックの実践では、「その土地で収穫されたものを旬の時季に食す」と云うことが最も大切なポイントとなります。

そうした観点から、まさに「身土不二」の最も理想的なカタチを自家菜園に見い出すことができます。また作物の成育過程を観察することができるのは大人子どもを問わず楽しい学習のひとときに違いありません。農薬を使うこともなく育てた野菜はカラダに優しく、自ら育てた「喜び」さえも同時にいただけることになるのです。

食への感謝の気持ちを育む最良の方法は、土に親しみながら作物の成育を見守ること。都市環境の中、ベランダに置いたプランターでささやかなプチ菜園を楽しんでいる方も大勢いらっしゃいます。それは規模の大小とは関係なく、また自家菜園に正解などというものはありません。試行錯誤こそがその楽しみの中心をなしているのではないでしょうか。食養を学ぶのにまさにこれほどふさわしい趣味もありません。

自家菜園を実現してみたくても、なかなか重い腰を上げられない方のために、ライフスタイルに合った無理のない方法があるはずです。今月の企画ではその愉しみ方について、実践者の方々からご寄稿いただきました。これから始めてみようかと考えている方への参考になれば幸いです。

 

畑で感じる陰陽が楽しい

マクロビオティック クッキングスクール リマ専任講師 角元 康代


リマ講師の中で自家菜園と言えば角元康代先生です。たびたび自家菜園から季節の植物や野菜、果実などを持参され、講座で調理したメニューに彩りを加えたり、受講生の皆さんにもお裾分けされたりと、受講生の興味の的でした。

そこで今回、東京から電車で約1時間半、千葉にある角元先生の自家菜園を訪ねました。閑静な住宅地の中、庭全面の畑は様々な植物にあふれていました。生育する植物の種類が多いことも特徴のひとつです。自然からの命をそのままいただく自家菜園をご紹介します。

【生育する植物】

●ナス ●トマト ●ピーマン ●梅●ごぼう ●かぼちゃ ●ソラマメ●スナップエンドウ ●みょうが● 青紫蘇 ● 赤紫蘇 ●スイカ●アスパラガス ●ニラ ● 大根● 長ネギ ●インゲン ● 人参●うど ●ぶどう ●いちご等々

 

幼少の頃から

私の実家は米農家でしたが、野菜は買っていたので「それなら作ろう」と小さい頃から実家で野菜を作っていました。300坪ほどの広さがあり、山林もあったので松茸の出荷もしていました。カサが開いた松茸が食卓に並ぶのですが、私にとっては椎茸の方がご馳走でした。

結婚してからは官舎住まいでしたが、使える土地があると自然と家庭菜園をしていました。東京の北区、島根、富山、群馬、千葉2ヵ所と、場所が変わっても家庭菜園をやっていました。時には使っていない土地を借りたりもしていました。

 

固い土を耕した

2009年に今の家を建てる時、土地に段差があったので平らにしなくてはならず、土台に君津の土を使いました。君津の土は建物を建てる時にはよく締まるいい土なのですが花や野菜を育てるのには向いていないのです。しかも、敷地の半分はかつてゲートボール場だったのでもともと土が固くて。スコップを突き刺しても全然土に入っていかないので、ツル
ハシを買って掘りました。少しずつ、少しずつ、膝が入るくらいまで掘って耕したんです。少し耕せたら葉っぱを入れていきました。

引っ越してきた当時は春だったのですが、日曜日のたびに近くの学校へ行って、たくさん落ちていた葉っぱを45リットルのゴミ袋に入れて、それを4つくらいずつ自転車に乗せて何度も運んで畑に入れたんです。

そうしたら夏にミミズが出てきて、キュウリができるようになったんです。学童の仕事の時に学校でミミズを集めていたら「先生、何してるの?」と生徒に聞かれたので「ミミズが欲しいんだよ」と言ったら、生徒たちが200匹くらいミミズを集めて
くれたんです(笑)。それを持って帰ってきて撒きました。

あとは、なるべくお金をかけたくなかったので、職場のお茶殻などをもらって撒いたりしていましたし、今でも肥料は野菜くずだけですが、ナスだけは牛糞を入れています。お金をかけられるのならホームセンターで土を買ってくればよかったのですが、お金がない! だから自分で土を変えました。

 

 

自家菜園の愉しみ

愉しみ、それはやはり、収穫して食べられることです! お隣さんから「お宅の庭に似合うから」ってお花をもらうのですが、我が家の基準は食べられるかどうか、なんです(笑)。

大事なのは、家庭菜園をすると、より植物と親しくなれる、ということです。外に出るのが楽しくなると思います。そうすると「芽が出てきた」「葉っぱが伸びてきた」などもよく見えるようになって、身近な楽しみが増えていきます。ただ、あまり気張らないし、一生懸命やらないです。「ほったらかし」ですね。トマトなども摘果しません。

それから、どの野菜でもいろいろな品種がありますが、昔からのタネを植えています。そうすると、暖かくなってくると体を冷やす野菜ができて、冷えてくると体を温める野菜ができてくるのです。

面白いのは、普通の食事をしていた方がマクロビオティック食をしていくと、そんなに蚊に食われなくなります。最初はヤブ蚊が寄ってくるのですが、そのうち体質が変わってきてあまり刺されなくなります。虫よけスプレーも用意してありますが、私はあまり使いません。

 

季節は楽しい

春には菜の花が咲くので、近所の方々が見に来て「キレイ」と言ってくれます。菜の花が終ったら、穴を掘って畑に埋めます。それが肥料になるのです。その時期を考えて、野菜の間隔を少し空けて、ゴールデンウィーク前後に夏野菜のタネを蒔いています。本当はもう少し遅い方が暖かくなってよく育つそうなのですが、あまり遅いとタネや苗が買えなくなってしまいます。

スイカは黄色小玉スイカを育てて、夏に子どもたちに送ります。中が黄色いから、赤いと思って切るとびっくりして喜んでくれます。

夏野菜が終る頃にブロッコリーの芽が出てくるので、トマトやナスの収穫が終わった場所に葉物と大根を植えます。大根は小さいですが毎回切干大根にします。

11月頃にスナップエンドウやソラマメのタネを蒔いて、冬野菜の葉もののタネを蒔きます。ただ、我が家ではうまく育たないので、たくさんは蒔きません。

畑から自然に出てくるもの、自然に育ったものをいただく、そんな感じです。畑を見ると季節を感じられるので楽しいです。

 

 

天敵はカラス

我が家の畑には化学肥料を入れていないので、野菜が全然大きくなりません。でも、できればよし! です。できなくても、それはそれでよし!です。ですから、失敗はないのです。

困るのはカラスが来ることです。カラスはおいしいものが分かっていて、スイカも今は細かい目のネットをかけていますが、カラスは頭がいいので大きな網のネットだと全部突かれてしまいます。トウモロコシも何年かはやりましたが、みんなカラスや鳥たちに食べられてしまったので今は断念しました。

面白いのは、鳥はよっぽどでないとブロッコリーの実は食べないんです。飛べなくなってしまうから。鳥は飛ぶために陽性さが必要なのです。実と言いましたけど花の蕾の部分なので、葉っぱよりも花は陰性なのです。

私たちが小さい頃、ブロッコリーは市場になかったと思うんです。ブロッコリーを食べるようになったのは、お肉が入ってきたからだと思います。あったのはカリフラワーくらいだったのではないでしょうか。カリフラワーは1回採ったら生えてきませんが、ブロッコリーはまた生えてきます。そう考えると、日本には大きな陽性と大きな陰性が入ってきているので、
日本人はこれから大変な時代になると思います。

 

植物で陰陽を感じる

植物を陰陽で見るのが楽しみですね。パーマグリーンという野菜は、たくさん広がる力を持っているのでモシャモシャになっています。すごく陰性です。でも茎がしっかりしているので、陽性さも持っています。陰のところに紫色が出てきているのも面白いし、広がって一番先にチリチリが出ている。

頭で考えるよりも、植物を見ていると自分の中に「あー、生きているんだな」という陰陽が入ってきて、楽しいですよね。陰陽で見ると自然界のバランスって面白いなー、と思います。

 

角元 康代/かくもと やすよ

クッキングスクール リマ千葉校主宰。夫の転勤に伴い、全国を転々とする中でマクロビオティックや天然酵母のパンと出会う。現在は子どもルームにて勤務。「朝はお味噌汁を飲もう!しっかりご飯を食べよう!」と、次世代を担う若い子ども達へマクロビオティックを伝えるべく奮闘中。

 

 


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