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『月刊マクロビオティック』2022年12月号特集

特集 Think Globally Act Locally 

    姉妹校トークセッション姉妹校トークセッション

 

地方の時代と言われて久しいですが、それは1970年代から日本のみならず欧米諸国でも使われ始めた言葉です。中央集権的な物の考え方に対するアンチテーゼであり、地域主義を主張するスローガンでもありました。地方分権など政治・行政システムの在り方の変革のみならず、社会システムから社会思想に及ぶ全般的な在り方を問うものといえます。

日本では、東京一極集中から地方分散化により地域活性化を目的とした政策「地方創生」が2014年に発表され、その後もSDG’sの取り組みやコロナ禍を機にオンライン化が加速し、今や世界のどこからでも学べる時代になりつつあります。しかし、同時に地域に根差した学びの場は不可欠で、ますます求められている時代だともいえます。

マクロビオティック クッキングスクール リマには、全国各地に12の姉妹校があり、マクロビオティックの学びの場として、これまで多くの修了生を輩出してきました。今年を締めくくる12月号の企画は、4校の姉妹校主宰者によるトークセッションです。各校の特徴や取り組み、創意工夫、マクロビオティックシーンに今どのようなことが起こっているかなどを、楽しく語り合っていただきました。どうぞお愉しみください。

 

地域での取り組み


櫻井裕子:司会をさせていただきます櫻井です。皆さんベテランの先生方なので少し緊張しておりますが、よろしくお願いします。

まず、地域性を活かせる活動で実際にされていることや、普段お考えになっていることをお聞かせいただけますか?

平戸育子:富士宮は関東に近く有機農家さんが多い地域なので、一次産業に携わる方々と一緒にいろいろなことができます。例えば、その時季に採れた野菜だけを使った教室などをやっています。有機農業の場合、広く浅くいろいろなものができないので、大根だけを使う教室、大根葉と小松菜のおろ抜き(間引き)だけの教室、という感じです。

それから農家さんとの協業も積極的に行っていて、育てるところから参加してもらう教室もやっています。種もシードバンク活動をしている方が身近にいらっしゃるので、地元で繋いでくださっている種を蒔いて、草を取るだけの不耕起栽培みたいな自然栽培で育て、それを収穫して料理教室で食べて、その種をまた蒔く循環型農業です。パーマカルチャーの施設もあるので、そこで活動をしています。

古川惠美子:私のところも、岩木山の麓で自然栽培の農場をやっている方がいらっしゃって、まず私が自然栽培をきちんと学ばなければ、ということで通い出しています。これは素晴らしい! と思い生徒さんたちに話したところ、何人か加わるようになって、畑の種のところから始まって土のことを学んだりしています。肥料も何も入れず、そこから出てきた草をそのまま堆肥にしていくとか、それこそ不耕起栽培ですね。そのような学びの場が運よくあるのです。そこから育った野菜が本当にもう有難くて、どんなに小さかろうが、穴が開いていようが、何しろ美味しいです。

櫻井:姉妹校の特性を活かせる一つとして、土に近いということでしょうか。首都圏は土があまり見えない生活環境なので、農地が周りにあれば生徒さんと一緒に畑をやったりするのが一番理想的だと思っているのですが、なかなかありません。

古川:こちらの畑は意外と山の方にあるので、動物の被害もあるのです。お猿さんが来てはせっかく育てた作物をいたずらしたり、食べたりです。そういう経験をすると、共存している気持ちになって、どうしたらいたずらされないか調べたりして、いい体験をさせていただいています。

安部智恵子:大分も九州も移住してくる方が多いです。隣の臼杵市は行政が有機農業をしている人たちを応援するシステムになっています。

若い方たちは意識がすごく高くなっていて、移住して来られると、例えば固定種の種を自家採取とかしていますね。今年はホルモン剤を使っていないブドウの栽培が成功して、納品してくださいました。店舗を持っているので買って応援、みたいなことですけれどね。

平戸:円安が進んだり、戦争もあり、これからもっと輸入品が不安定になることが予想されますが、現在の種の96% ぐらいが輸入なのですね。国産の在来種みたいな種でも、作っているのはパキスタンだったりするのです。国内で生産されている種は3〜4%しかなくて、結局その種が輸入できなくなると、日本の農業はおしまいと言われていて、国内生産の種を繋いでいくことが急務になっているのです。自給率よりもそっちが問題になってきてもいいはずですけれど、知られていない状態です。

今、農林水産省でやっている持続化可能な食料システムを目指す「みどりの食料システム戦略」という取り組みがあるので、富士宮市もエントリーするように、関わりがある有機農業の団体などに一生懸命働きかけているのですが、行政が取り上げてくれないのです。

櫻井:なぜですかね。国として日本の農業を存続する上でも大事なことですね。

平戸:そこまでの危機が見えていないのだと思います。だから、私たちの草の根運動はすごく大事だと思っているし、私たちが少しでも発信していくことが大切だなと、思っていつも活動していますが、ジレンマがあります。

 

各校の特色


安部:地域という点では、関東と九州の違いはすごくあります。例えばこちらのサツマイモは「紅はるか」という品種で、ホクホクした水分の少ないお芋ではなくて、すごくしっとりしているのですが、料理教室でお芋のあんこを作る時には、なかなか餡子になりにくいので工夫しています。

それから、大分では油揚げはペッタンコの長方形ではなくて、フカフカした油揚げしか豆腐屋さんにないのです。それほど支障はないですけど、食材の違いがあるので工夫が必要な時があります。

櫻井:面白いですね。そういう食材の違いで、本校のレシピを少し変えないといけないことがあるのですね。

古川:食材は工夫できるのですが、青森の場合は季節ですね。6月7月といっても日によっては寒いので、夏の料理にはまだ行けない、そのようなことがよくあります。

櫻井:逆に、冬の季節を乗り越えるためのレシピが、多くあったりするのですか?

古川: 多くある訳ではなく、10月くらいからはもう秋仕様で冬に近づくので、選ぶ野菜は温める根菜類になっていきます。

櫻井:ところで、安部先生はインスタグラムでよく発信されていますよね?

安部:いやいや、浅いですから(笑)。ふと嫌になって、ずっと途切れる時もあるのです。

櫻井:私もそうです(笑)。1ヵ月くらい更新しなくなる時もあったりして。

安部:インスタグラムの効果的な活かし方の講座を受けたりしたのですけれど、全然ですね。

効果の上がらないことをぐるぐる回っているような気がしてね、「今日料理教室しました」「こんなの作りました」とかの連続です。

櫻井:きっときっかけとしては役立っているのではないかと思います。いろいろなテーマで作って、ワンコイン(500円)にして、間口を広げて「来てください!」という感じですよね。素晴らしいと思います。

安部:うちはお子さんをおんぶして料理教室参加OK。間口を広げて、とにかくきっかけを作りたくて、浅く広くですけど、やっています。

私自身は料理からマクロビオティックに入ったのではなくて、望診法から入ったのです。望診講座が上限のクラスまで修了したときに、これは何を食べるかではなくて、どう食べるかが大事ではないかと思い、日本CI協会へ電話で相談して、結局は本校まで通いました。とにかくこちらに学べる場所を作りたいと思って、です。

櫻井:九州に学べる場所があるということは、たくさんの人が助かったのではないでしょうか。

安部:たくさんではないですが宮崎とか長崎や熊本、福岡から来てくださるのです。お店を始めて16年になりますが、最初から「とにかく来てもらわないといけない」と思って、姉妹校になる前からいろいろなことをやってきました。

ワンコインは私のレシピを広げる場でもあって、新しいレシピの反応を試してみたい時にワンコインで提供するのです。反応見て、スタッフにも食べてもらい、合格すると上級クラスに取り入れていきます。

他の方と比べてどうなのか、例えば甘みのレベルもこのくらいか、普通の人だと足りなかったりするのか、ワンコインだったら大目に見てくれるかなと思って、反応を知るために利用させてもらっています。

古川:どのくらいの頻度でメニュー開発をされているのですか?

安部:月に2つぐらいですね。私、メニュー作るのが大好きなのです。最初にレシピを書いて、その通りに自分でやってみます。それで修正を加えて、スタッフとかに食べてもらって。

それから、月1回マルシェをやっています。お料理に限らず、うちで学んでくれた人たちに披露の場を作ろうと思っているのです。

櫻井:素晴らしいですね。藤が丘校は、自宅の台所で小規模な感じでやっています。子どもたちも来るので、うちの子たちが使っていたおもちゃや赤ちゃん用布団、ステップなどを利用しています。

平戸:うちは子どもの料理教室をやっています。レシピはなくて一人ひとり好きなお料理を考えて作る、ということをやっています。

櫻井:お母さんも一緒にですか?

平戸:第1回目はお母さんがついていたのですが、お母さんと一緒だとお母さんを頼って子どもは何もやらないのですよ。これは駄目だなということで、今はお母さんはお子さんを預けて帰ってもらいます。だから、少し危ないのでスタッフを多めにしたりと、いろいろ試行錯誤しています。

安部:調理台は、子どもに合う高さにしているのですか?

平戸:テーブルの高さは変えられないので、子どもに合わせて踏み台を用意しています。何種類か用意してそれで対応する感じですね。

安部:子どもに調理を教えてあげたいという気持ちはあるけど、道具とか設備がなかなか大変だなと思うのですよね。

平戸:道具を揃えるだけで1年かかりました。何が必要か、やってみないとわからないところもあったりしまして…。

安部:いろいろありますよね。参考になります。

   

 


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