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『月刊マクロビオティック』2023年1月号特集

特集 新春対談 ポストパンデミック

    さらなる飛躍の時代へ

新年明けましておめでとうございます。世界規模で猛威をふるった新型コロナウイルス。3年ものあいだ人々を苦しめ惑わせ続けたパンデミックもいよいよ終息かと思われるほどの落ち着きが戻ってきました。小さな子どもたちにまでマスクの着用を強いられていた3年が過ぎ、今年こそは子どもにも大人にも温かい笑顔が戻ってくる年となるよう祈るばかりです。

日々の生活の営みから、公衆衛生・医療行政・政治・経済、さらには哲学思想にまで多くの影響をもたらし、人類史に刻印されるほどの大事件であったと言えるでしょう。

コロナ禍が私たちにもたらしたものは果たしで災禍だけだったのでしょうか。月日を経て状況を俯瞰して眺められるようになった今、宇宙の秩序たる「陰・陽」の観点から言えば、それは人類規模での多くの気づきと学びの時代であったとも言えるのではないでしょうか。

今年の新春対談は、マクロビオティック・スクール・ジャパンのディレクターを務めるパトリシオ・ガルシア・デ・パレデス氏とマクロビオティック クッキングスクール リマの校長を務める森 騰廣氏に、この時代に於けるマクロビオティックの役割や、さらなる広がりについて、想うところを気さくに話し合っていただきました。読者諸氏との共感が得られたなら幸いに存じます。

 

コロナ禍で分かったこと


森:コロナウイルスが蔓延し始めた2020年の前半は、リマは休校していましたが、こちらはどうされていましたか?

パトリシオ:もちろん人数は減りましたが、ここは小さい教室なのでやっていました。それまで考えていなかったのがオンライン授業です。行けないけれど、学びたいからオンラインでやりませんか? という声があって。本当はしっかり学んで欲しいのでオンラインには抵抗がありましたが、できることから少しずつ始めてもらえたらと思ってZoom でオ
ンライン授業を始めました。やってみたら、頑張っている人がたくさんいて、オンラインでも繋がっているのだと思って、私の気持ちも変わりました。

森:リマも2021年からオンラインコースを始めて、遠くの方も受講してくれています。

パトリシオ: オンラインも一つのツールですね。今はもう少し力を入れて、間口を広くしてみようと思っています。

森:生徒さんは戻ってきているのですか?

パトリシオ:はい。少しずつ増えています。

森: それはよかったです。リマも徐々に戻ってきています。

コロナ禍になって4年目になりますが、その間、健康や医療のことについていろいろ考えた方が多かった
と感じています。それから、コロナパトリシオ氏の教室の様子禍の前からSDGs の取り組みが始まって、環境や食品ロスなどの問題も注目されるようになりましたが、2022年に始まったウクライナとロシアの戦争で穀物などの流通が
困難となり、物価が上昇するなど、私たちにも影響が及んでいますが、このような現状を、どのように感じていますか?

トリシオ:久司先生から聞いていましたし、大きな変化の時代が来るということは、以前から知っていました。コロナの話がありましたけど、それはウイルスだけの問題ではないです。医療の問題でもないです。人間が弱っています。免疫力が下がっています。

例えば、コロナ陽性になっても、症状があまりない方もいれば、人によっては入院が必要な方もいたり、亡くなる方もいました。亡くなった方を見ると、いろいろな病気があったそうですね。アメリカの一つの例ですが、コロナで亡くなった40%の方は糖尿病でした。入院しなければいけなかった方は癌、心臓病、高血圧、それから肥満などで、重症の方は不健康で免疫力が低い傾向にあった、ということです。

この生活習慣病タイプの病気の原因は、食とライフスタイルです。しかし、ウイルスばかり見ているので食で改善できることは分からないのかもしれないですね。

森:社会はコロナウイルスをどうするかしか考えていないですね。中国だったらゼロコロナ政策です。免疫力が下がっている、それは何故か。マクロビオティックのマクロは大きいや全体ですから、大きな視点で見ると、免疫力が下がっているのは食べ物や食べ方が良くないから、と見ますよね。

パトリシオ:そうです。いろいろ調べていますが、食事を見直す必要がある、免疫力は腸の働きと関係がある、腸の働きが大事、ということも分かってきました。腸を良くするにはどうしたらいいかを考えたら、やはり発酵食品ですね。味噌や漬物です。

そして、いい微生物を長く居続けさせるためには植物を食べることです。食物繊維はプレバイオティクス(もともと腸内にいる微生物を活性化させる食べ物)になります。まさにマクロビオティックでおすすめしている食べ方ですね。米は精製していない玄米のほうが良い、野菜料理が多い、豆、海藻など、マクロビオティックでおすすめしている食べ方は、腸の働きを高めて免疫力を上げます。生活習慣病みたいな病気にもなりません。ウイルス問題があっても、症状はひどくなりません。食はすべてに繋がっているのです。

 

欧米も発酵食品ブーム


森: 今、日本では発酵食品がブームと言われていますが、海外はどうですか?

パトリシオ:海外でも発酵食品がブームです。欧米の現代栄養学が今注目しているのは、胃腸や消化器系の働きです。プロバイオティクス(腸内フローラのバランスを改善することによって宿主の健康に好影響を与える、生きた乳酸菌やビフィズス菌などなどの微生物)やプレバイオティクスが推奨されていて、プラントベースの食事や発酵食品が流行っています。

ヨーグルトもありますけれど、ヨーグルトの問題は食物繊維が含まれていないので微生物が長く生きられないということと、飽和脂肪が多いことです。飽和脂肪を減らさないと動脈硬化になりやすいし高血圧にもなりやすいので、良い摂り方は植物からです。ヨーロッパにはザワークラウトなどもありますけれど、味噌や漬物も注目されています。欧米で発酵食品が流行っているのは、とても良いことです。

森:欧米の発酵食品はヨーグルトやチーズのイメージが強いですね。ヨーグルトやチーズは、胃で消化されてしまって一部しか腸には届かない、という話は聞いていましたが、たしかに食物繊維はないし、飽和脂肪も多いですね。

パトリシオ:その通りです。微生物は動物性のものよりも植物性のものを摂った方が良い、ということです。日本には味噌、醤油、塩麹、ぬか漬けなど、素晴らしい発酵食品がたくさんありますね。

 

森:陰陽から考えても、陽性な人間には陰性な植物が合うのだと思います。「日本人は味噌や醤油の匂いがする」と言われるほど、日本人は昔から食べてきていますが、外国の方は、味噌、醤油、納豆は食べられますか?

パトリシオ:モノによっては食べられますが、納豆は少し難しいです(笑)。納豆の好き嫌いは半々に分かれますね。

スペイン人がよく使っているパプリカパウダーは聞いたことがありますか?

森:あります。

パトリシオ:味噌にパプリカパウダーを入れると、スペイン人は「えー、美味しい!」と言うのです。森:納豆もパプリカパウダーをかけたら食べられるのではないですか?

パトリシオ:そうですね(笑)。

だいたい納豆は醤油とネギや海苔を入れて食べますけれど、欧米ではそういう組み合わせの食べ方は慣れていないですね。日本では納豆を天ぷらにしたり、和風スパゲティにしたり、いろいろな使い方をしていますから、それならば欧米の人も楽しめるのではないかと思います。

味噌の場合はもう少し摂りやすいです。日本人の使い方は味噌汁が多いですが、ミネストローネのようにいろいろな野菜を入れたスープの味付けに使ったり、ドレッシングに使うなど、今欧米でも少しずつ流行ってきています。

森: トマトソースに豆味噌を少し入れるとコクが出て美味しいですね。

テンペは匂いやクセが少ないので、欧米では人気がありますか?

パトリシオ:そうですね。テンペはクセがないし料理しやすいので欧米で人気があります。サンドイッチやパスタ料理にも使いますし、鶏肉みたいな使い方もしています。ただ、納豆は免疫に良い、腸の働きにも良いというデータがたくさんありますが、テンペには納豆に含まれるナットウキナーゼなどの成分はありません。

腸にとっては、いろいろな微生物がいたほうが良いのです。発酵食品によって微生物が違うので、集中し過ぎないで種類が多い方が良いです。ヨーグルトに含まれる微生物は1つか2つだけですが、腸の中は何100種類もの微生物が必要ですからうまくいきません。プロバイオティクスのサプリも同じです。1つか2つの微生物ばかり摂ったら、逆にその微生物ばかり増えてバランスが悪くなります。

また、味噌のように長く熟成させたものと、納豆のように早く熟成できるものでは、微生物が違います。味噌は塩も入っているから、少しアルカリ性です。ヨーグルトの微生物は酸性です。ヨーグルトは甘くして食べることが多いので、ミネラルが出てしまうことが問題です。1つをたくさん摂るのではなく、どのようにして多くの微生物を摂るか、ですね。

森:欧米でも腸内環境に注目しているのですね。

パトリシオ:そうですね。日本の調味料はいろいろな食文化に合わせることができるのが面白いです。日本の方もやっていますけれど、カレーの中に味噌を入れたり、醤油を入れたりしますね。いろいろ考えると料理を楽しむことができます。

森:そういう使い方でも、日本の調味料が広まってくれるのは嬉しいですね。ぬか漬けも外国の方は大丈夫ですか?

パトリシオ:ぬか漬けは作っている人が少ないです。日本は米の文化なので糠がすぐ手に入りますが、欧米ではあまり手に入りません。ですから、小麦の外皮を削った粉(フスマ)に塩を混ぜて発酵させて、野菜を漬けている人が何人かいます。面白いアイデアですね。

それから面白いデータもあって、アメリカ人は料理が苦手で、ヨーロッパ人のほうが料理が好きです(笑)

森:マクロビオティックの料理もそういう傾向ですか?

パトリシオ:ヨーロッパの方は、料理は好きでも欧米では頭で考える傾向にあるので、マクロビオティックの実践はなかなか上手くできません。ですから、サプリが必要という話にもなります。

マクロビオティックをしっかり実践している日本の方は、サプリなどを考えていないですよね?

森:まったく考えていないですね。

パトリシオ: 実践している方は、みんなだいたい元気(笑)。

森:そうです。元気だったら良い、という感じですね(笑)。

パトリシオ:元気でない方は、マクロビオティックをきちんと実践していない方ですね(笑)。きちんと実践すれば問題ないです。

森:そうすると、欧米もコロナ禍の間にますます健康志向になっている、ということですね?

パトリシオ:そうです。でもグローバルで見ると、まだ足りないです。どこかで見直さないと、慢性病が増える可能性があるし、人間の免疫力は弱いので、今が食生活を見直すチャンスです。

森:私もそう思っています。コロナ禍で、SDGs もあって、食料問題もある今、マクロビオティックにとっては大チャンスなので、このチャンスを逃してはいけないですよね。「▽(陰)大なれば、△(陽)も大」ですね。

   

 


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