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月刊「マクロビオティック」磯貝昌寛の正食医学

磯貝昌寛の正食医学

 

第110回:食養指導録 卵巣と凡事徹底

 

卵巣と子宮の陰陽

女性の生殖器は主に子宮と卵巣で構成されています。女性の体の中心に子宮と卵巣があり、生殖器の中でも子宮が中心にあって、その中心の子宮の両側に卵巣が位置しています。

陰陽でみると、位置する場所においては子宮が陽性で卵巣が陰性という見方もできます。しかし、形を見ると、子宮は上部が大きく下部が細くなっているのに対して、卵巣は丸い形をしています。大きさも子宮の方が大きく、卵巣の方が小さいのです。形と大きさを見比べると、子宮が陰性で卵巣が陽性ということになります。

位置する場所の陰陽と、形状と大きさの陰陽が、子宮と卵巣で逆になります。そして、病気の傾向もさらに逆になります。子宮は筋腫ができやすく、卵巣は嚢腫(膿)が溜まりすいのです。卵巣にはチョコレート嚢胞といって、チョコレートを溶かしたような膿が溜まりやすいといわれます。子宮筋腫は卵巣嚢腫に比べて硬いので、陰陽でみれば子宮筋腫が陽性になり、卵巣嚢腫が陰性ということになります。

とはいえ、子宮も卵巣も女性の体の中心にありますから、大きくみればこれらの臓器は陽性な働きが強いのです。

子宮の病気であれ卵巣の病気であれ、生殖器に病気が表われたというのは、大きく見ると陽性といえます。肉・鶏卵・乳製品などの動物食が過剰だったということです。自分自身の食生活で動物食が多かっただけでなく、自分の両親やご先祖からの蓄積も考慮する必要があると感じます。生殖器ですからホルモンの影響も強いので、家畜動物のエサの問題もかなり根強いことだと思います。

 

症状の陰陽子

卵巣嚢腫の人の食養指導も数多くさせていただきました。卵巣がんの人へも数多く指導しました。

卵巣に問題を抱える人の多くが、洋菓子好きという傾向があるのではないかと思います。ケーキやシュークリームには乳製品と鶏卵がたくさん使われ、さらには白砂糖や人工甘味料もふんだんに使われています。私の経験では、子宮に問題を抱えている人は「肉食+冷え」、卵巣に問題を抱えている人は「動物食+洋菓子」という傾向があると考えています。

実際の食箋も、卵巣に問題がある人は動物食で造られた細胞の分解解毒を促すニンニク、玉ネギ、ショウガ、コショウなどと、陰性な要素を中和する梅醤番茶や味噌汁、ごま塩、しそふりかけ(ゆかり)が合う人が多いのです。

性格にも違いがあります。子宮系の人は生真面目で曲がったことが嫌いですが、卵巣系の人はいい加減なところがあり、白黒をつけるのが苦手な人が多いと感じています。実際に私の所へ相談や合宿に来られる人も子宮系の人の方が多いのです。これは、「マクロビオティックや食養はきっちりやらなければならない」と考えている人が多いからだと思うのです。卵巣系で「真面目に食養生できない」と考える人は、そもそも和道の門を叩く人が少ないのではないでしょうか。

この性格の違いが食養による治療において吉と出るかどうか。私の経験では、これは指導者の問題が大きいと感じています。相談者の性格を理解して、無理強いをさせない、あるいは時には??咤激励するなど、柔軟的に陰陽を活用することが大事だと思うのです。

 

卵巣と凡事徹底

20年近く前、進行した卵巣がんの女性に食養指導をしていました。自然療法に命懸けで取り組むのはいいのですが、そのやり方が多岐にわたり、幾つかに定まらないのです。温熱の手当ての仕方も、ショウガ湿布やビワの葉温灸、イトオテルミー、光線療法、三井温熱などいろいろと取り組みますが、徹底して温める実践が伴いません。24時間お風呂で入浴し続けるという珍しい温熱療法を聞いてくると、そういうものはすぐに手を出すのですが、地味な日々の
温熱はなかなか徹底できないのです。

食養による断食や半断食も地味なものですから、あまり興味がわかなかったようで、昔流行った「ミルク断食( 粉ミルクだけを少量摂る断食)」にはすぐに飛びつくのですが、これも継続しないのです。

もちろん、卵巣に問題のある人がすべてそうだというのではありません。あくまで私の経験の中でのことです。今であれば、この卵巣がんの人にもっと適切なアドバイスや指導ができたと思います。ガンの手当ては凡事徹底、日々の小さな積み重ねが大きなものとなります。ガンの手当てだけでなく、すべてにおいてそうだろうと思います。

 

あせらず あわてず あきらめず

多くの人から数多くのことを学ばせていただき、卵巣に問題を抱える人はまずは無理せず、食養に取り組むことが大事だと思うのです。動物食を減らす、砂糖や人工甘味料などの甘いお菓子を減らす、そういった小さな一歩からでもいいのです。「七転び八起き」「三歩進んで二歩下がる」という想いで指導者や家族が見てあげることが大切だと思います。時間をかけて治していくことです。

別の卵巣がんの40代の女性に10年以上食養指導をしています。食養を無理強いさせず、自分のできることからコツコツと時間をかけて治していこうという認識を、本人、家族、そして私も持つように心がけてきました。往々にして私たちは治癒を焦ります。特に良くなっていく兆候があると、「もっともっと」と欲が出てくるのです。治す意欲はとても大事なことなのですが、卵巣系の人はそれらが空回りすることも少なくないのです。

この方と関わっていく中で、卵巣がんがどんどんと大きくなってきてしまいました。食養はそれなりにやっているのに、卵巣が30p以上に膨らんでしまったのです。バレーボールよりも大きくなってしまった卵巣は腸や肝臓を圧迫し、食べることさえ困難になってきました。食欲があっても食べることができないのです。

病院や家族と相談し、私にも相談があり、よくよく話し合った結果、卵巣を切除することになりました。病院の説明では、かなり大きな腫瘍なので命に関わる手術になること。そして、腸や腹膜への転移も考えられるので、開腹して転移が見つかった時はそれらも切除するとのことでした。長時間の手術を覚悟してほしいとのことだったのです。

ところが、開腹してみると、卵巣以外はビックリするほどきれいで、卵巣も簡単に切除できたのです。子宮や腸への癒着もなく、30p以上ある卵巣がんにしては驚くほどの簡単な手術だったそうです。

この時は、食養をはじめて5年が経過していました。この5年間は無駄ではなかったと、本人から丁寧なお礼の言葉がありました。彼女は今も元気に食養生活を続けています。

凡事徹底が難しくとも、時に何歩も下がるような感じであっても、「それなりにコツコツ」やっていけば何か光が見えてくるのではないかと思うのです。

「あせらず」「あわてず」「あきらめず」。これは師の石田英湾からの言葉です。小さな一歩は、いつか大きな一歩になるのです。

 

プロフィール

磯貝昌寛/いそがい まさひろ

1976年群馬県生まれ。15歳で桜沢如一「永遠の少年」「宇宙の秩序」を読み、陰陽の物差しで生きることを決意。大学在学中から大森英桜の助手を務め、石田英湾に師事。食養相談と食養講義に活躍。「マクロビオティック和道」主宰。

 

 

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