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月刊「マクロビオティック」磯貝昌寛の正食医学

磯貝昌寛の正食医学

 

第112回:食養指導録 胃がん

 

胃がんと白砂糖

日本人のがんで二番目に多いのが胃がんといわれます。がんの中で一番多く罹患者がいるのが肺がんです。胃がんは肺がんに比べて進行が遅いといわれますが、スキルス性胃がんになると進行は早いといわれます。私のところにも胃がんの食養相談は多いのです。

症状の陰陽に差が大きいのが胃がんの特徴ではないかと感じています。陰性症状の強い胃がんと陽性症状の強い胃がんがあります。他のがん( 肺がん、大腸がん、乳がんなど)でも陰陽それぞれの症状がありますが、胃がんは特に陰陽の差が大きいのです。

胃は消化器ですから、胃がんを発症したということは食べ物の消化に過剰な負担をかけていたということです。食事の量と内容、食べる時間とその状況も大きな要因です。

ある日のこと。夜、松本清張のドラマを見ながら食事をしたら、翌日胃がもたれて大変なのです。夜10時を過ぎての食事ということもありますが、松本清張のドラマは心安らいで見られるものではありません。重く、オドロオドロシイ内容のドラマを見ながらの食事では、胃は食べ物を受け入れるどころではなかったでしょう。ストレスが胃に大きく影響するというのはよく知られ、実感をともなった事実です。

胃の消化の特徴は、主にタンパク質を消化分解する働きに長けています。日本人はタンパク質と脂質の消化分解能力が西洋人ほど強くありません。

身土不二、日本の風土は西洋に比べ、タンパク質も脂質もそれほど必要ないのです。全粒穀物を中心とした炭水化物と野菜と海藻、天然醸造調味料と発酵食品で十二分にエネルギーを得ていたのです。それが明治以来、特に戦後になり、動物食に不得意な日本人が動物食をすることで、がんが驚異的に増加しているのです。

師の故・大森英桜は、日本人に胃がんが多いのは副食に白砂糖を使うことが大きく影響していると云いました。一方、米国では食事からよりも飲料からの白砂糖の摂取が多いために大腸がんが多いのだと云っていました。大森の云うこれらのがんはいわゆる陰性のがんです。砂糖( 特に白砂糖)は粘膜から組織や細胞を溶かし、赤血球まで溶かしていきます。

陽性のがんの特徴は、肉腫をともない、組織や細胞の硬化と炎症です。スキルス性胃がんは、粘膜の溶解が少なく、胃の粘膜下で肉腫(腫瘍)が浸潤していくといわれます。そして、胃の粘膜は硬化し、消化力を奪われて食物を食べることができなくなっていくというのです。

がんだけでなく全ての病気にいえることですが、陰陽二者択一はできません。

昔多かった溶解溶血性の陰性のがんと現代増えてきた肉腫硬化炎症性の陽性のがん。自分の胃がんは陰陽どちらの要素が強いのか。がんにおいても陰陽の按配によって食事と手当て、生活が変わってきます。

 

陰性の胃がんの食養指導

陰性の胃がんの人は唇(特に上唇)が厚く、色が薄い傾向にあります。顔全体も色が薄く、貧血が著しいのです。食欲なく、体全体が冷えています。覇気なく、声もか細いものです。大便ゆるく、時々下痢をします。腕の力が弱く、手の力も入りにくくなってきます( 肺がんも腕の力が弱くなることがあります)。

陰性の胃がんの食養生で最も大事なことは、徹底して噛むことです。玄米ごはん、雑穀入り玄米ごはんなどを圧力鍋や土鍋などで炊いてよく噛みます。ゴボウ、レンコン、ダイコンなどの根菜の煮物、あるいは炒め煮などもよいでしょう。コンブ、ワカメ、ヒジキ、アラメなどの海藻類も、醤油味でよく煮しめていただきます。

玄米ごはんに振りかける黒ごま塩も大切です。たくあん、梅干しは伝統的な作り方のものをいただきます。現代一般にいわれる食塩と胃がんの関係は、海の塩からかけ離れた精製度の高い塩化ナトリウムでの話しであって、多様なミネラルを含んだ自然な海塩では胃の粘膜を損傷させることはまずありません。

味噌汁は一日1杯〜2杯、好みに応じていただきます。陰性の胃がんの場合、出汁は昆布だしを中心にします。干し椎茸の出汁は体調に応じて使います。味噌は豆味噌、麦味噌半々を基本にしますが、体調によって調整することは非常に大切です。飲み物では三年番茶を基本によもぎ茶、たんぽぽコーヒーなどもよいでしょう。

主食に玄米ごはんばかり食べていると胃がもたれることがあるので、温かいそばや葛練りなどを組み合わせることも大事です。

 

陽性の胃がんの食養指導

食養相談を行っていて、陽性の胃がんが増えていると実感しています。胃がんに関してだけでなく、他のがんでも陽性のがんが増えてきています。白砂糖あるいは人工甘味料の消費量以上に肉、卵、乳製品などの動物食の摂取量の方がけた違いに多いからではないでしょうか。

陽性の胃がんの人の唇は厚くなく、薄い人の方が多いです。唇の色はどす黒く、顔全体の色も黒ずんでいます。胃粘膜の硬化から食欲不振があり、吐き気や胸やけもあります。大便は硬く、黒色便が多いのです。

陽性の胃がんの食養生で最も大事なことは、野菜を大量に食べることです。生野菜、温野菜、野菜スープなど、口に合うもので良いので大量に食べます。体の冷えに応じて生か火を入れたものを選んでいただきます。季節によって左右されることも多々あります。

主食である穀物は、玄米にダイコンとハトムギを入れたお粥を週に数回いただきます。食べておいしいようであれば毎日このお粥でもよいでしょう。手打ちうどん、生うどん、ほうとう、すいとん等の小麦製品を時々主食にしてもよいです。

お粥が物足りない人は五分搗きのご飯を中心にしてもよいでしょう。とはいえ、陽性の胃がんの人は野菜を大量に食べますから、量的には野菜が主食になります。キャベツ、ハクサイ、コマツナなどのアブラナ科野菜は特によいです。ダイコン、玉ネギ、長ネギ、ジャガイモもよいです。リンゴの葛練りやりんごジュースのくず練を間食にすることもよいでしょう。

塩分は極力控えます。時々、塩断ちをして、硬化した細胞を強力に緩めてあげることも必要です。

 

プロフィール

磯貝昌寛/いそがい まさひろ

1976年群馬県生まれ。15歳で桜沢如一「永遠の少年」「宇宙の秩序」を読み、陰陽の物差しで生きることを決意。大学在学中から大森英桜の助手を務め、石田英湾に師事。食養相談と食養講義に活躍。「マクロビオティック和道」主宰。

 

 

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