マクロビオティック(英文 Macrobiotic)とは、長寿法を説くものであり、人と生き物と環境のバランスを保ちながら健康の根源を支えるものです。
ストレスの緩和と栄養のバランスを大切にし、正しい生活と食事から健康を維持し体質を改善します。
このマクロビオティックは日本CI協会の創設者である桜沢如一が1930年代以降に提唱した手法です。
手法については指導者間で若干の相違があり、時代とともに変化していきますが、基本の理念は変わりません。 以下は、日本CI協会として、「現代のマクロビオティック」の概念を説明したものです。
食事に関する原則
■食品の品質基準
マクロビオティックで使用される食材には、次の品質基準が推奨されます。
- 農産物は有機肥料や自然農法で栽培され、除草、殺菌、殺虫等の農薬を出来るだけ使用しないものを選ぶ。収穫後の保存についても同様とする。
- 加工食品は製造の過程で、人工的な添加物や抽出剤、化学調味料等を使用していないものを選ぶ。ただし、天然にがり等の無害な天然添加物は許容される。製造は圧搾法等の古式製法等のものを選ぶ。
■食品の選択基準
『身土不二の原則』
国内産を原則とし、例外的に輸入品を使う場合は、Post-Harvest(ポストハーベスト)の問題など十分な注意をする。
■食品の摂取基準
- 穀菜食中心の原則
マクロビオティックの食事は穀菜食が主体となる。動物性食品は、少量の小魚や魚介類にとどめ、牛、馬、豚、鶏などは基本的には取り入れない。 - 一物全体の原則
野菜は、根、茎、葉等の全体を摂取することを大切にする。この原則から、精製された白米は出来るだけ避けて、玄米や分搗米等を摂ることが推奨される。精製糖も出来るだけ使用せず、使うなら黒砂糖などにする。魚類もこの原則から小魚が推奨される。 - 水分について
体質や病状に応じて加減する必要がある。高齢者等の場合、涸渇に対し鈍感になるので血中濃度が濃くなり、各種の梗塞を起こす怖れがあるので、常に十分な水分の補填に努める必要がある。 - 食材の組合せ基準
病状、体質等に応じて「マクロビオティック食事法の十段階」の組合せ基準を参考にする。
【マクロビオティックの食の十段階】
主食 穀物 | 副食 | その他 | ||||
野菜の煮付け | 汁物 | 動物性 | 果物・サラダ | デザート | ||
7号食 | 100% | |||||
6号食 | 90% | 10% | ||||
5号食 | 80% | 10% | 10% | |||
4号食 | 70% | 20% | 10% | |||
3号食 | 60% | 30% | 10% | |||
2号食 | 50% | 30% | 10% | 10% | ||
1号食 | 40% | 30% | 10% | 15% | 5% | |
‐1号食 | 30% | 30% | 10% | 20% | 10% | |
‐2号食 | 20% | 30% | 10% | 25% | 10% | 5% |
‐3号食 | 10% | 30% | 10% | 30% | 15% | 5% |
生活習慣に関する原則
マクロビオティックに付随する生活習慣の原則は次の通りである。
- 食事は1口ごとに出来るだけ30回以上咀嚼する。
- 食事の量を腹8分目程度にとどめる。
- 間食は健常者には許容されるが、糖分に注意する。
- 煙草はなるべくしないことが推奨される。
- 酒類は健常者に限られるが、飲みすぎないこと。
- 種々なストレスに注意する。
- 睡眠や休息を十分にとる。
- 毎日適度な運動をする。
- 定期的な検診を受け、健康状態をチェックする。
参考
- マクロビオティックには、前記のとおり各種の基本の基準があるが、他面、これらの基準に該当しない食品や実践方法は自由に選択して差し支えない。
- マクロビオティックには前記したような各種の基準があるので、初心者が実践しやすいような「マクロビオティック入門食品」や「マクロビオティック入門食材」がある。これらは前記した各般の品質基準や選択基準等に合格したものなので、実践者にはこの利用を奨めたい。