【ジャーナルWEB公開記事】2025年冬号「提言」Yuki

提言 Yuki
内臓の声を聴く生き方
内臓の声が聴けたら、私たちはどんなに幸せな生き方ができるのでしょう。
内臓には、感情があります。言い換えると、私たちの感情は内臓に宿ります。内臓は食べ物だけではなく、感情までも消化する場所だと考えるのが、東洋医学や私が実践しているチネイザン(氣内臓療法)の考え方で、このことをお話しすると、きっと皆さんの今抱えているモヤモヤや身心の不調を癒やすきっかけになるのではないかと思います。
私は今から20年前に日本CI 協会の門をくぐりました。そこからどっぷりとマクロビオティックの料理教室に通い、あっという間に師範科(現アドバンスⅡ)まで卒業したものの、自分の身体の声を聴いて料理し、必要な分を食べるということがどうしても難しい状態でした。日々、会社や私生活で抱えているストレスから暴飲暴食をしたり、自炊ができなかったりと、健康体を維持することが難しく、たどり着いたのが「食を抜く」という断食でした。当時、食べ過ぎだった私のお腹は断食によってずいぶんと救われました。断食をしていると、内臓だけではなく頭までクリアになり、自分にとって必要なものを見極める鋭さのようなものがよみがえってくる感覚があり、会社の休みを活用してはほぼ断食道場に通い詰めました。
でも、私の意志の弱さから帰宅するとあっという間に胃袋を満タンにしてしまう生活に元通り、この繰り返しをなんとか脱するために、ヨガや瞑想などもしていたものの、なかなか「自分を満たす」ものにたどり着けていませんでした。
ここに矛盾があるように見えますが、私たちは自分を満たすために食べ物を内臓に入れていきます。しかしながら、ある一定量入れると、満たされる感覚はなくなり、もっともっとと食欲の暴走が始まるのです。それが必要以上に食べてしまう理由でしょうか。しかしながら、断食をして内臓は空っぽなのに、なぜか自分の心は満たされていくのです。皆さんは、お腹がいっぱいの時と、便を出してスッキリした後のどちらの方が爽快感を感じますか?
私は圧倒的に後者のタイプなんです。入れるよりも出す、それが本当は人間の幸福度で言うと、高いのではないかと思うのです。
私は度々の断食やマクロビオティック食を通じて、自分の身体に向き合い、分かったことがありました。それは内臓に空間があるときの方が幸せを感じやすい、食べ過ぎてしまうときはストレス過多、入れるよりも出す方が先。こんな単純なことだったのです。
ところが日常生活では、家族と一緒に食事を摂ったり、同僚と食事に行ったりと、食事は人生を豊かにするものであり、毎日断食をするわけにはいきません。そんな時に出合ったのが、ヨガの先生に教えてもらった「チネイザン(氣内臓療法)」だったのです。私はその直後に、タイのチェンマイに飛び、チネイザンを教えてくれる先生に出会い、その魅力にはまり、今ではチネイザンを仕事にするところまで人生が変わりました。どんなところに魅力を感じたのかと言うと、以下の3点につきます。
◎施術中に自身への気づきが深まる
◎施術後の爽快感がたまらない
◎自分を大切に扱うことを教えてくれる
まず、内臓の声を聴くという点で言いますと、東洋医学がベースとしている陰陽五行では肝臓には怒り、心臓には喜び(と言いますが、後に私なりに解釈を変え、我慢、焦り、多忙感と捉えています)、脾胃(消化器)には不安や心配、肺には悲しみや失望感、腎臓には恐怖という五臓それぞれの感情が溜まると言われています。
そう、私の飲み過ぎ食べ過ぎはまさに、この怒りと不安から来ていたのです。それが分かると、自分がどう自分を大切にするのかが分かります。怒りやストレスは、肝臓を揉みながら、自分が自分を認めてあげたら良い。解釈を変えていけば良い。そして不安や心配も、なかったことや見なかったことにしないで、しっかりと受け止めて、向き合っていく。それをお腹を揉みながら行っていく。
今まで、何十年と蓄積していた内臓に溜まっていた負の感情を、自分自身で流していく作業は、あっと言う間に私の人生を変え、体調不良が改善し、人生も変わっていきました。チネイザンに出会う前の私は、何かの出来事があるとすぐストレスや不安を抱えていたものの、それを上手く出せずに抱え込み、それを食の暴走や体調不良で内臓自体が自身に訴えてくれていたもの、と分かり、自分自身と仲良くなることがやっとできました。
すると、私自身のマクロビオティックの活用法も変わりました。もっと楽しく、自由に、自分が内臓の声を聴きながら、何を今、取り入れたら良いのかが、野菜を買うとき、冷蔵庫を開けるとき、自然と分かるようになってきました。食事は、今まで抱え込んできた感情をも癒やすものだったのです。
皆さんも、イライラしている自分を癒やす食事、悲しい自分を癒やす食事を陰陽五行を元に、一緒に考えてみましょう。そうすることによって、食がさらに自分を癒やし、人生を変え、より豊かにするものだと実感していかれることでしょう。すると今、実践されているマクロビオティックのお食事がさらに皆さんを幸福な生き方に導いてくれることでしょう。
代表的かつシンプルな食材をここにまとめますので、今日からの食事に1つ、取り入れてみてくださいね。
怒り:味噌汁・柑橘系・酢の物・緑の野菜
我慢:ゴーヤ・トマト・梅干し
不安:カボチャ・サツマイモ・栗・甘酒・タマネギなど甘い野菜
悲しみ:レンコン・大根
金銭的な不安や生活の不安:海藻類
皆様のお腹が今日も幸腹でありますように。
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著者プロフィール
Yuki
一般社団法人 内臓マッサージ協会代表理事。学びと癒しの寺子屋「たまよろ庵」主宰。自身の不調をきっかけに世界中の伝統療法を学ぶ中でチネイザンに出合い、「お腹を揉むことで人生が変わる」という体験から、「Yuki 式内臓ケア・チネイザンメソッド」を確立。のべ10万人以上のお腹に触れてきた経験から、「内臓心理学R」を開発。心と体、感情と内臓を同時に癒す“ 統合ケア” を全国・海外へ発信している。InstagramをはじめSNS総フォロワーは10万人超。2025年『溜まった脂肪と感情を流す お腹痩せチネイザン』(BABジャパン)。旅とマクロビオティックをこよなく愛し、「内側から美しく生きる女性を増やすこと」をライフワークとしている。
https://chineitsang.or.jp/











