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【ジャーナルWEB公開記事】2024年夏号「提言」木野 正人

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ダンスパフォーマー・アーティスト
木野 正人

マクロビオティックとは?と問われれば

真のマクロビオティックの定義は、食を通じて体調を良くすることに留まらず、様々なものへと拡がりを見せ、空間認識や感じる力など自分から離れた目に見えないものまでに影響が及ぶ、究極のセルフマネジメント力、プロデュース力を指すことだと思います。肉体、精神、技術、人の気持ちを察したり一歩前をいく行動が取れたり、身体も思考も瞬時に動かせるような瞬発力等に加えて、今、何が一番適切か?の判断力まで…。広範囲に渡る目に見えない領域の力を増すには、栄養素や知識力、計算力などで得られることではありません。

想像力という展開していくものというのは、IQテストなどでは測れないでしょうし、あえて手を貸さず見守ってあげる心遣いや可愛い子に旅をさせる親心などは、行動に隠された心理であり、奥深いものです。部分的なものか?全体を捉えたものなのか?という身体のトレーニングのように部位的なものも関わってきます。押し寄せる波に筋肉を鍛えあげて力で対抗しようと思うか?それとも危険を察知するセンサーを磨いて引き揚げるタイミングを的確にするのか?

いわゆる賢さというものは、一つの答えに縛られず、変化していく状況にアジャストし、また、状況を変化させることもできる可能性の柔軟さを示し、究極のバランス形成は完全なる人間形成に向かう階段を昇ることと等しいような気がします。

今の世の中

では、周りを見渡し世に感じることはどうでしょう?パワハラ、セクハラ、モラハラに始まり、クビにできない会社、怒れない教師等、一方的な見方を通す為の社会になり過ぎていないか?個人を守ることや権利を主張するということが行き過ぎていないか?弱者の目線も必要と同じように陰陽に偏らず中庸の目で見ていくことも同時に必要ではないかと思います。

答えの出し方

マクロビオティックでも一物全体というように社会の中の人間の行為も原因と結果の法則があり、何層ものミルフィーユ状の感情の幅やそこから決まる行動が数限りなくあり、排除することや良い悪いのジャッジをすることだけでなく、全てのパターンが存在するという認識のもとに全体として捉えていかなければ、ただ闇に葬るという傷が残り本当の意味の解決とはなりません。

メール中心の現在ではお互い話しながらという同時進行の中で着地点を見出すというものではなく、互いの主張の一方通行の連続で相手を気遣って調和を図るというより自分の正当性を主張することに終始し、全体から見る自分でなく、分離し、孤立する方向へと向かっている気がしてなりません。裁判など被害を訴え主張する場面でもこのような様子が見受けられる気がします。

人の気持ちも陰陽、留まらず動いている

食べ物と同じようにその人にとって、また、その時によって善し悪しは変わります。人の気持ちはそれ以上に複雑で、スパッと割り切った勝者と敗者のように優劣を作ることも難しいはずです。個人の身体の状態によって気持ちも変わり結果も変わる。心身を整えて問題に向き合うことが最良のジャッジではなくチョイスが出来る…と。考え方のバランスも体調を整えることと全く同じで食事に目を向けることが一番の方法であり策であると思います。つまり、マクロビオティックです。

どこまで行っても
第三者が裁くのには限界がある

では具体的にどういったスタンスでいる事が適切でしょうか?大切なのは当事者である同士がその事柄についてどう向き合っているかが大切であり様々な角度から見ることの出来るスタミナが必要です。もちろんそれさえも出来ない程ダメージを受けてしまっている場合もあり、そことの向き合い方も大切にしなければなりません。周りが救済するのか?本人も交えたものとなるのかはその時それぞれです。

バランス力とは自分の表現力

自分の訴えたい気持ちをどのくらいどのような言葉で表すのか?相手の立場に立った時、自分がどういった思いで言葉をかけられるのか?この今フォーカスしている事柄が他の人にとってどう影響するのか?そういった色んな角度から見つつ、自分という存在を大事に出来るか?他者を気遣い過ぎる自分という存在を後回しにするという行為は、自己犠牲というものであり傷を広げます。

本当の意味の大切さはバランス力であり、色んなパターンを分析し解決出来る視野の広さを補う食事によってスタンバイすること。最良のチョイスといった行き着く先は愛を持って全てに接するということなのだと思います。手足や頭がバラバラでなく繋がっているように心も人間同士も複雑な隙間も含めて成り立っています。どんなケースでも自分の足で立っていられるようにマクロビオティックはメッセージを送り続けてくれています。間違ってもいい、そこからも学べるものを信じて、全人類、全生命、全宇宙が、「無償であり無限である愛」に包まれますように…。

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著者プロフィール

木野 正人/きの まさと

17歳でジャニーズ事務所入り。少年隊、田原俊彦のバックダンサーを経て、CHA-CHAとしてデビュー。

その後渡米し、93年のイメージアワードでは、マイケルジャクソンの歴史を振付けで表現したシルエットダンスを披露。

ベストパフォーマンスを追求し続け、身体の理想的な動かし方の答えに行き着く。が、更なる高みを目指し日々人体実験は続く…。

木野正人

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