【WEB限定記事】東西のむすび~正食協会・日本CI協会合同イベントレポート
大阪中央区にある正食協会は、1958年に桜沢如一により、西日本でのマクロビオティックの普及を強化して欲しいと頼まれた岡田周三が設立した団体です。以後、正食協会と日本CI協会は、東西に分かれ切磋琢磨しながら、月刊誌や書籍の発行、料理教室の運営などマクロビオティックの普及に努めてきました。両団体は、昨今の世界におけるマクロビオティック運動の縮小状況を鑑み、まずは日本の桜沢如一が残した二つの団体がお互い手を取り合って、日本からマクロビオティックを盛り上げていく必要を感じ、その先駆けとして2023年の桜沢如一の命日に正食協会が主導で2日間の共同イベントが実現しました。4月23日の交流研究会、24日の合同墓参会の様子をレポートします。
正食クッキングスクール研究会に森騰廣リマ校長が調理デモ
桜沢如一の命日の前日である2023年4月23日(土)に、正食クッキングスクールで定期的に行われる料理講師による研究会に、マクロビオティック クッキングスクール リマの森騰廣校長、桜沢如一資料室の高桑智雄室長、日本CI協会の綿貫恭子部長が参加することで交流研究会が開催されました。
午前中は、正食クッキングスクールの研究会委員である藤原祐子さんが「すき昆布の煮もの」、笹浪泉さんが「高野サラダ」のデモを行い、クッキングスクール リマからは、森騰廣リマ校長が「葱味噌」「押し麦とじゃが芋のスープ」「よもぎ餅ロール」の3品のデモをし、参加者全員で調理、実食し意見交換を行いました。野菜の切り方から、炒め方、味付けに至るまで、東西の微妙な違いにみなさん興味津々でした。
両団体の活動紹介と森騰廣リマ校長の講演会
午後は、正食協会のセミナールームに場所を移し、正食協会事務局の添田さやかさんと日本CI協会の綿貫部長から両協会の成り立ちと活動のスライド紹介が行われました。創設時の貴重な写真が並び、両協会の60年以上の歴史の重みが感じられ、またお互いが共鳴しながら似たスタイルで普及活動を行ってきたことがわかりました。
そして、最後は森騰廣リマ校長が「マクロビオティックの伝統と継承」と題した講演を行い、今あるマクロビオティックは、両協会の先輩方が死にものぐるいで活動してきた積み重ねのおかげであること、そして私たちはその連続性の中にいることを忘れてはならないと訴え、これからの時代、もう東西に分かれて活動する意味がなくなり、お互いが協力しあって世界のマクロビオティックの中心になるべきとまとめました。
Information
正食協会
株式会社日本マクロビオティック
〒540-0021 大阪市中央区大手通2-2-7
Tel 06-6941-7506 Fax 06-6941-7039
受付 9:00~17:00(定休日:水・日曜日)
京都・教蔵院での共同墓参会
桜沢如一は、1966年4月24日に他界しました。毎年、日本CI協会ではマクロビオティック顕彰碑と共同墓地がある埼玉県毛呂山町にある武蔵野霊園で墓参会を行い、正食協会は京都・教蔵院の桜沢家のお墓で墓参会を行って来ましたが、2023年は4月24日に京都・教蔵院で合同での墓参会を開催しました。
日本CI協会からは勝又遊一社長、森校長、高桑室長、綿貫部長が参加し、正食協会からは岡田恒周社長、岡田昭子先生をはじめ、正食クッキングスクール講師陣、ムソー商事、ムソー株式会社などの関係者が集まり、総勢30人ほどの賑やかな墓参会となりました。
お参りのあとは、講堂で参加者の一人である山田製油の社長が提供してくれた見事なマクロビオティック弁当に舌鼓を打ちながら、マクロビオティックに対する熱い思いを語り合いました。
2日間に渡った東西むすびの共同イベントは、盛況のうちに終わり、新しい時代の到来を予感させるものになりました。次回は、東京で桜沢如一の生誕記念イベントである「桜沢如一研究発表大会」の共同開催を目指していくことになります。今後の両協会のコラボレーションをご期待下さい。
Information
教蔵院(本法寺中)
京都府京都市上京区小川通寺ノ内上る本法寺前町618
最寄り駅:京都市営地下鉄烏丸線「鞍馬口」駅 徒歩15分